外の自由運動の時、ランをひさしぶりにあけた。それまでは自由にのんびりと庭を匂いを嗅いだり、木を探して噛んでいた子たちがいっせいにランに入った。両側にドアがないため不便で、掃除が大変でついついランは締めたままにしてしまう。ただただ怠慢なだけだ。
エリとヤイコととおこは同じランに入った。その隣に明日から行われるデトックスをするために里帰りをしているサクラが入った。その1本隣にエステルが入った。
エリが「ワンワン」と吠えながら気持ちよさそうに走る。その横でサクラがエリに挑発を受けていると思い、攻撃的に吠えながら走る。その隣のエステルは、挑発に乗って大きな声で吠えて走る。行ったり来たりを何度もする。もう息が切れないかと思うほどその3頭は走りに走った。浜名湖沿いにある散歩道がエリン舎の周りを囲んでいる。その散歩道をコーギーを連れたご婦人が通って足早に過ぎ去った。他の人から見れば仲の悪い3頭が、網越しにけんかをしていると思ったのだろう。ランを走る時は、本当に網越しにケンカをしているとしか思えないほど強い声で吠え何度も何度も往復して走る。ランから出ると全くいつもどおりに仲良くなるのだが、ランというのは興奮させるようだ。戸は開いているのでいつでも出ることができるが、3頭ともぜいぜいせず30分以上走り回ってやっと出てきた。とおこやヤイコは中にいるが、その戦いに参戦しなかった。どうしてランだと急に走るのか?走る方も参戦しない方も何を考えているのだろう。100mあるランは走るのには充分すぎると思って作ったが、もっと長くても良かったと思った。