先日亡くなったKさんの奥様のお誕生日にお届けに、またかつて住んでいた町へ。
歩いていける山の上、変わらぬところはあるものの、開発も進んでまったく違う景色でもあり。
10才から30才まで、20年もここに住んでいたのがなんだか不思議。
その間にたくさんのご近所の方と出会い、お世話になってきたうちのおひとり、Tさん。
すれ違った人が連れていた真っ黒なレトリバーに、ふとTさんを思い出した。
Tさんの愛犬にそっくりだなあ、と思って。
お元気かな、と母と話しながら丘の上のバラ園にふらりと立ち寄って、
暑い日差しの中、日焼けしちゃうねと言いつつ
バラよりジャスミンの香りが強いなかであれこれ花々を写真に収めていたの。
男性が向こうから歩いてくる足元が写らないように待ってシャッターを切って。
iPhoneから目を上げた先に、
丸い黒いサングラスをしたおかっぱより少し長めのグレイヘアの細身の女性が
こちらに歩いてきて思わずまじまじと見てしまった。
ちょっと時が止まったような、自分の記憶をカチカチ合わせているような。
その人も口元があっ、と小さく動いてる。
やっぱりそうだ、Tさんだ!
思わず呼びかけて、走り寄って手を取り合って。
なんて奇遇なんだろう…!!
いまTさんお元気かなって話してたところなんです!母と!と、
もう涙ぐんじゃうほど嬉しくて。
少し離れたところにいた母もびっくりして寄ってきて。
私が写らないように待った足はTさんのご主人で。
ふたりで庭園でピクニックランチをとるために来たところだそう。
Tさんのお母様も3月に亡くなったばかりとのこと、
まだやれることがあったのではないかと悔やんでいることなど
Tさんもいつも気にかけてくれていた祖母も亡くなった昨年のことを伝えながら、
Tさんの気持ちが痛いほどよくわかる。
私たちが引っ越してから十数年ぶり、
私が新卒の頃、ひとり経理で泣きながら仕事していた頃、
色々と話を聞いてくれて、もしよかったらチャレンジしてみないかとお勤め先に紹介してくださって。
残念ながらご縁はなかったのだけど、そのときに社会の厳しさもしっかり認識することができて
まずは自分に力をつけねばとよい経験になった。
いまも憧れのキャリアウーマンで、チャーミングなTさん。
年を重ねて、私でも心に寄り添えることがあるかもしれないな、と。
落ち着いた頃にまたお茶しましょう、と連絡先を交換して別れた。
晴れた山手で会えた奇蹟✨
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