いとこのお兄ちゃんとらやった宇宙船ごっこ
押入れの扉をピシャリと閉めると、そこは真っ暗なコックピット。
「加速します!」「上昇します!」「とうとう隣の星に着陸しました!」
そうして乗りこんだときとは 反対側を開けて、再び まぶしい世界に戻ってくる。
押入れの宇宙船で、私とお兄ちゃんは、星から星へと飛びまわりました。
私にとって「ごっこ遊び」は、自分で作った物語をまること、自分で生きることでした。
《物語ること、生きること》
自身にとっては?
頭の筒をぬけて広大な宇宙へ飛んだような
違う星へ降りて そこでひと時を暮した様な
そこでのやり取りを現実世界でも続行してやりとりしていた様な一切は.何だったのかと ふと思い出す。
宇宙船に戻って 頭の中にあるチップを抜いてデーターを処理していたことや、仲間と交流していたこと、空間内を別シップでパトロールしていた一切は 何であったのかと。
手に取るように物的証拠もだせないのに、頭の一部にチップがあるのだと 何故認識しているのか
なぜ、宇宙船の中が懐かしい船だと認識しているのか
なぜ、宇宙に飛んだ先の大地や大自然や、住処が懐かしいと思えるのか
懐かしいという感覚は 感覚だからここの現実世界に提示出来ない。
ただ、そこにも「私」が存在しているとしか表現出来ない。
久々にその頃の友達を思い出せば 宇宙船にそろそろ帰ってこいという。
頭のチップはこの地球で住んで得た情報がパンパンにはいっている。
その私が得たものを 向こうのデーター保存に移してチップを空にされる。
そういえば スターシードとやらは、頭にチップをもっているのだと書物で読んだことがある。
物的なものをここに出さないから絵空事になってしまう。
その一切を、思い出しながら 物思いに耽る。