先日、人と話しをしていた時に名前が上がり、
気になっていたコーヒー店に今日の昼過ぎ、散歩がてら行ってみた。
私鉄沿線の小さな駅の前ではなく、わずかに外れた場所にあるその店は、
すでに40年以上の経営であるらしく、当然ながら自家焙煎のようだ。
知人の話しでは、
古い。昭和っぽい。コーヒーの種類が豊富。落ち着く。
といったイメージであったが、ドアを開けてみると、まったくその通りで、
店内は、間口からの予想よりもけっこう広く、家賃も4.50万はするのでは、
と予想でき、これはただの個人店ではないなというのが第一印象であった。
あとでウェブで調べてみたら、やはり元々は老舗のロースターで、
上島やキーコーヒーなどの規模ではないが、コーヒー業界では知られた存在のようだ。
カウンターに座る。
なかなか座り易い趣味のよい柄の布を張った低いスツールで、
店内もレトロをことさらに意識することなく、
長らく経営をしていたら、いつも間にかレトロになってしまった、という感じで、
入り口付近のマガジンラックに少年ジャンプやスポーツ新聞があり、
あくまで敷居は高くない。
たしかにコーヒーの種類は
カウンターに置かれたり店内に貼られた紹介ポップの多さからも
知人が言っていた通りであった。
いわゆるオークションロットばかりである。
でも初めての店ではブレンド。
最近はブレンドがない店もあるのだが、
ハウスブレンドがある店では、ほとんどの場合、私はブレンドを注文する。
車でいえばカローラみたいなものだろうか。
その店の基本姿勢や思想をはっきりと感じられるし、
一番、安定的に動く豆なので、当たり外れが少ない。
注文を終え、ふーっと一息つきながらカウンターや、その奥の棚、壁、
そんなところに残る長い時間の気配を遠慮がちに探った。
ありきたりに言えば、「時間が止まっている」のだった。
センスは明らかに70年代の後半から80年代のそれだ。
おそらくその当時から変わったことは、
コーヒーの種類がブレンド、モカ、ブラジル、マンデリン、といった紹介から、
スペシャリティの何々。○○農園。ナチュラル、ウォッシュト。
そんなふうになったことぐらいではないだろうか。
意識はあちこちに漂い始め、
それにしても滞った仕事はさすがにもう決着をつけないとなあ。
とはいってもデザインの終結に踏ん切りがつかない。
時間が解決をして、きっと閃きが降ってくると信じていたのだが、
そんなこんなで梅雨になってしまった。
見切り発車で作る方法もあるのだが、
今回はゴールを明確にしておきたいのだ。
自分にとっても今後の道標になるべく象、カタチを残したいのだ。
そんなことを考えながら、なんとなくカウンターの中を見ていたら、
「何、まさか。えっ。」
衝撃が声になって思わず口から飛び出しかねない「ある物」が
女性スタッフの白い手と一緒に私の目に飛び込んできた。
つづく。
気になっていたコーヒー店に今日の昼過ぎ、散歩がてら行ってみた。
私鉄沿線の小さな駅の前ではなく、わずかに外れた場所にあるその店は、
すでに40年以上の経営であるらしく、当然ながら自家焙煎のようだ。
知人の話しでは、
古い。昭和っぽい。コーヒーの種類が豊富。落ち着く。
といったイメージであったが、ドアを開けてみると、まったくその通りで、
店内は、間口からの予想よりもけっこう広く、家賃も4.50万はするのでは、
と予想でき、これはただの個人店ではないなというのが第一印象であった。
あとでウェブで調べてみたら、やはり元々は老舗のロースターで、
上島やキーコーヒーなどの規模ではないが、コーヒー業界では知られた存在のようだ。
カウンターに座る。
なかなか座り易い趣味のよい柄の布を張った低いスツールで、
店内もレトロをことさらに意識することなく、
長らく経営をしていたら、いつも間にかレトロになってしまった、という感じで、
入り口付近のマガジンラックに少年ジャンプやスポーツ新聞があり、
あくまで敷居は高くない。
たしかにコーヒーの種類は
カウンターに置かれたり店内に貼られた紹介ポップの多さからも
知人が言っていた通りであった。
いわゆるオークションロットばかりである。
でも初めての店ではブレンド。
最近はブレンドがない店もあるのだが、
ハウスブレンドがある店では、ほとんどの場合、私はブレンドを注文する。
車でいえばカローラみたいなものだろうか。
その店の基本姿勢や思想をはっきりと感じられるし、
一番、安定的に動く豆なので、当たり外れが少ない。
注文を終え、ふーっと一息つきながらカウンターや、その奥の棚、壁、
そんなところに残る長い時間の気配を遠慮がちに探った。
ありきたりに言えば、「時間が止まっている」のだった。
センスは明らかに70年代の後半から80年代のそれだ。
おそらくその当時から変わったことは、
コーヒーの種類がブレンド、モカ、ブラジル、マンデリン、といった紹介から、
スペシャリティの何々。○○農園。ナチュラル、ウォッシュト。
そんなふうになったことぐらいではないだろうか。
意識はあちこちに漂い始め、
それにしても滞った仕事はさすがにもう決着をつけないとなあ。
とはいってもデザインの終結に踏ん切りがつかない。
時間が解決をして、きっと閃きが降ってくると信じていたのだが、
そんなこんなで梅雨になってしまった。
見切り発車で作る方法もあるのだが、
今回はゴールを明確にしておきたいのだ。
自分にとっても今後の道標になるべく象、カタチを残したいのだ。
そんなことを考えながら、なんとなくカウンターの中を見ていたら、
「何、まさか。えっ。」
衝撃が声になって思わず口から飛び出しかねない「ある物」が
女性スタッフの白い手と一緒に私の目に飛び込んできた。
つづく。