20201111
思い出をこぼさぬように こんぺいとうガーゼに包み森の道いそぐ
岡しのぶ もし君と結ばれなければ ネスコ発行
私が座っている目の前に2,3年放置したままで、ごくたまに手に取って読んだりしていたが、今、青い表紙が目についたから、その中の一首を上に紹介した。この他にもある意味でセンセーショナルな歌もあるのだが、今の私はこの歌がよかった。作者の岡しのぶさん、1996年に19歳で出したこの本だけが世に出ているということなのだが、現在までの消息を私は知らない。一冊だけの彼女のこの本には良い歌がたくさんある。私は高円寺のガード下の古本屋で買ったのではないか。2003年かそこらの年に。あそこを犬と歩くと高架の電車の音に驚いて犬が腰砕けになったのがかわいそうでもあり面白くもあった。この歌集はおそらく多方面に影響を与えたと私は思っている。誰もそれを言わないが。
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