その奇祭に参加したのはもうかれこれ10年も前。全国から選りすぐりの山田者が埼玉に集い、山田を寿ぐ、その名も山田うどん祭。
山田うどんの存在は補給場所が乏しいサイクリングロード周辺において、荒川ローディーにとってまさに命綱。命の恩人。そんな山田うどんも進化を遂げ、もはやうどんにとどまらない全方位的なメニュー展開を繰り広げるようになり、店名も山田うどんから山田うどん食堂へと発展。山田者としてこれを寿がずにいられようか。否、断じて否。春めいた季節、自転車シーズンの幕開けにぴったりじゃありませんか、山田うどん。行くぞ、山田、この想い、受け止めて! 山田からすれば過剰な感情は迷惑でしかないかも。
まあ、そんなわけで自転車で出かけるわけですが、ぼく一般道あんまり好きじゃないやい、というサイクリングロードお坊ちゃまのわたくし。甘やかされて育ちました。そんなお坊ちゃまは自転車を袋に詰めて有楽町線和光市駅へ。20km足らずの一般道すらイヤイヤ期。和光市駅で自転車を組み立てて、5分ほどで山田うどん食堂和光北インター店へ。
おいしい朝食でおなかを満たすと、お店から数分で勝手知ったるわたしの荒川へ。荒川と出会わなかったら人生違ってました。自転車にも乗っていなかったし、体型も今とは全然違ったものになっていたと思います。荒川も山田も宝物(割と入手容易な宝物なので幸せの閾値結構低めで生きています)。さて、どんどん荒川をさかのぼり、やがて鴻巣あたりで分岐する武蔵水路へ。武蔵水路は父利根川、母荒川を両親に持つ、いわば水路界のサラブレッド、御曹司。この武蔵水路沿いが大変走りやすいので、かつては熊谷から一般道を通って利根川にいたっていたルートに代わり、すっかりこちらがおなじみさん。水路近くにはさきたま古墳群、古代蓮の里など見どころも多い中、本日はこちら、石田堤。
映画「のぼうの城」などでおなじみ、水攻めするために作られた堤ですな。自然堤防を利用したりなど地形的にも興味深いものであります。途中そんな寄り道もしつつ、わたしと愛車は武蔵水路から利根川を目指すのでありました。