ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

春のParisとWes Montgomery

2015-04-25 22:00:00 | Jazz'n Samba
Here's That Rainy Day performed by Wes Montgomery in London 1965

5日ほど仕事でフランスに滞在していた。4月から5月にかけてのパリはベストシーズンと言われており、日差しは優しく、空気も程よく乾いていて、何キロ歩いても汗がまとわり付くこともなかった。こんな季節に合う音楽をiPhoneで探していたらWes Montgomeryのギターがぴったりだった。


メトロでの移動でCTIレーベルから出ていたアルバム"A Day In The Life"(1967年)を聴いていた時のことだ。メトロから恐る恐る地上に上がって新緑の空気を吸い込んだ瞬間、Wesの音楽に以前は感じることのなかったボサノヴァのリズムに耳が反応した。

Wesがボサノヴァにどれほど心酔していたのか情報を持っていないので、夜ホテルに戻ってからYouTubeで映像資料をあたってみた。1965年のロンドンで演奏したHere's That Rainy Dayを再生したところ、この時期からボサの影響を受けていたことが分かった。もっとも、この曲が収録されたアルバム"Bumpin"はクリード・テイラー(あのGetz/Gilbertoのプロデューサー)がプロデュースしているから、ボサのリズムを導入したのはレコード会社側の意向だったのかも知れないが、それでは夢がない。

"A Day In The Life"の録音時期とWesが演奏活動を60年代中盤のヨーロッパで行っていたことを併せて考えると、ロンドンでビートルズの音楽と出会い、自分の中にあったボサノヴァのリズムで彼等の音楽を表現したかったのだろうと筆者は思いたい。


Stan Tracey (piano) Wes Montgomery (guitar) Rick Laird (bass) Jackie Dougan (drums)
Television broadcast, "Tempo", ABC TV, London, England, May 7, 1965

アルバム"Bumpin"に"Here's That Rainy Day"が収録されている。


1965年のパリでのライブ録音も残っている。


ここからはおまけ。仕事の合間に訪れたオペラ座は歴史の重みを感じさせる建造物だった。わが国の隣の大国からパック旅行者が大挙して闊歩していた。



チケットを買って中に入ってみると、贅を尽くした設えに圧倒された。何故か隣国の旅行者達は見当たらなかった。




パリのお供のアルバム"A Day In The Life"


コメント
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