3月8日(土),4か月ぶりに山に行ってきた。
行き先に選んだの岩手県の束稲山(標高594.9m)。
束稲山とは,経塚山、音羽山、束稲山の三つの山の総称であり,山体は平泉町,奥州市,一関市の境界に位置している。
「登山」というよりは「山歩き」といった趣ではあるが,昨年刊行された「岩手百名山」に名を連ねている山なので,いちおう「登山」ということにしておく。
朝,6時ちょうどに自宅を出発。
高速道路を使うまでもない距離なので,国道4号をのんびり北上していく。
6時50分に登山口の「西行桜の森木工芸館 遊鵬」に到着。
身支度を調え,7時ちょうどに出発。
コース図は以下のとおり。
歩き出して15分くらいで,オオムラサキ展望台に着く。
登ってみると南南西方向の展望が開ける。
画面左手には東北新幹線とその奥に一関の市街地。
右手には平泉の町の一部。
何枚かの写真を撮って,最初のピークである駒形山に向かう。
実は,今回の山行の前に,ネットで束稲山の直近情報を集めていたら,「駒形山の手前の階段でクマのフンを見つけた」という投稿を複数見つけた。
「結構大きいので,これだけの量のフンをするのはクマしかいない」とのことだった。
なので,それを見つけられたら,ぜひ観察,分析してみたいと思っていた。
はたしてそれは存在した。
登山道のど真ん中にあった。
手近にあった木の枝でほじくり返そうとしたが,凍っていてできなかった。
顔を近づけ,まじまじと観察する。
するといくつかのことが分かった。
まず,古いものと新しいものが混じっていること。
それに,フンの直径がそれほど太くないことだ。
以上のことから,私は,これはクマのフンではなくタヌキの溜めフン(フン塚)であると結論づけた。
ここから少し登ると,駒形山の山頂だ。
このピークは,国土地理院発行の地形図に名前は記されておらず,観光パンフレットやHPでも「駒形山」「駒形峰」「駒形峯」など様々な表記が見受けられる。
ここでは,頂上の標識に倣って「駒形山」としておく。
ここにも展望台があるので登ってみた。
西南西 栗駒山は雲がかかっている
北西 蛇行する北上川と前沢の市街地
後方には焼石連峰
この展望台の下の辺りに,山肌に「大」の字が刻まれている。
毎年8月16日に行われる平泉大文字送り火が灯されるのはこの場所だ。
下から見るとこんな感じ。
しばし眺望を堪能し,経塚山に向かう。
40分ほど歩いて山頂に到着。
ここも北西の眺望がすばらしい。
ここでは休憩せずに,次の音羽山に向かう。
経塚山を過ぎると,少し雪が深くなってきた。
いちおうアイゼンを携行してるが,なくても大丈夫そうだ。
ここでは,雪上の動物の足跡を楽しみながら歩いた。
4枚の写真を載せるので,それぞれ何の足跡か当ててみてください。
答えは,上からノウサギ,タヌキ,キジ,カモシカでした。
一旦車道に出て10分ほど歩くと音羽山の登山口だ。
さらに10分ほど登って頂上に到着。
このトランシーバーのようなものは何だろう。
落とし物なのか,それとも特小無線の中継基地だろうか。
音羽山の頂上は,この日登った4つのピークの中で最も眺望がよかった。
東南東に室根山
北西に胆沢扇状地
日本最大級の規模だそうだ。
残念ながら岩手山や早池峰山は見えなかった。
車道に戻り,最後の束稲山に向かう。
5分くらい進むと,左手奥に突如としてアテルイ像が現れる。
車道の冬期通行止め地点からから左に入り,束稲山へと向かう。
なぜか途中から人の足跡が見当たらない。
前回の積雪から誰も歩いていないということだろうか。
雪面にあるのは動物の足跡だけだ。
9時15分,山頂に到着。
頂上からの展望はほとんどなし。
周囲には電波塔などの人工物がやたらと多い。
写真を数枚撮っただけで,5分も滞在せずに下山を開始した。
あとは道草を食いながら,来た道を戻るだけだ。
11時15分,無事に駐車場に戻り,本日の登山はこれにて終了。