花も葉もがっしりとしていて大柄なハンカイソウ。名前のハンカイは巨漢の樊噲の名からとった。樊噲は古代中国において鴻門の会で項羽に殺されかけた劉邦の命を救った前漢の武将である。切れ込みの多い葉のあまりの手ごわさに、家畜も食べないために繁殖するという。
(2020-06 神奈川県 箱根)
ハンカイソウ Ligularia japonica (キク科 メタカラコウ属)
ハンカイソウは本州の静岡県以西の本州、四国、九州に分布する大型の多年生草本で、朝鮮・中国・台湾などにも分布する。湿原の周辺や、開けた渓谷、湿った草原に生育する。草丈は1mほどになり、太い地下茎から複雑に切れ込んだ葉を出す。6月から7月にかけ、高さ1~2mほど花茎をのばし、直径10cmほどの花を咲かせる。種子は長さ1cmほどであり、冠毛があって風によって散布される。家畜が食べないため、放牧地の谷筋などで群生していることがある。切れ込みの多い葉は、半日陰の生育に対応したものであろう。