ミツマタとともに製紙に使われたことで有名なコウゾ。
まだ花が残っていた。雌雄同株で紫色の糸状の花序を出しているのが
雌花序で、右側で固まっているのが雄花序である。
東高根森林公園の古代植物園で撮影。
日本では五世紀には確実に和紙の製造が始まっているというから、西洋に中国から製紙技術が伝わるはるか前から
製紙が行われていたことになる。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/fc/ba8dc6a0e6846cf6795b40a07b80f145.jpg)
コウゾ
コウゾ(楮、学名:Broussonetia kazinoki × B. papyrifera)はクワ科の植物で、ヒメコウゾ(学名:Broussonetia kazinoki)とカジノキ(学名:B. papyrifera)の雑種である。和紙の原料としても使われている。
但し、ヒメコウゾの別名をコウゾとする場合もあるので注意を要する。
特徴
コウゾは落葉低木で、厳密にはカジノキとは異なるものであり、楮の字を用い、カジノキには梶、構、榖の字をあてているが識別は容易ではない。
古代では、植物の名前も地方によって呼び名が異なり、混同や混乱が多い。『本草綱目』や『農業全書』でも両者の差は葉に切れ込みがあるのは楮、ないのは構(=梶、カジノキ)」とするだけで種別としては「楮」に纏められてしまっている。
「紙麻(かみそ)」と言う語の音便より「こうぞ(かうぞ)」という語が生まれたとする説も存在するほど、古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料の楮としている。楮の皮の繊維は、麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強く、その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となる。古くは、檀紙は真弓紙とされているが、平安後期以後の檀紙はダンシと読まれ、楮紙とされている。
楮の皮の繊維を蒸して水にさらし、細かく割いて作った糸を木綿(ゆう)と言う。同じ字の木綿(もめん。ワタの繊維)とは別のものである。神道の祭事に用いられるが、後に紙で作られた紙垂も用いられるようになった。
コウゾの果実は集合果で、甘味があって食べられる。ただし、花糸部分が残っていてねば付き、舌触りが悪いので、クワの実のような商品価値はない。
生産・流通
山間地の傾斜地に栽培されることが多い。しかし、シカによる食害などがあるため、生産意欲が減退した地域もある。
日本国内では、高知県本山町・いの町、茨城県大子町・常陸大宮市などが主な産地であるが、越前和紙・美濃和紙など、多くの漉き手から高い評価を得ているのが大子町産の「那須楮」である。海外の有力輸入先としてタイ王国・中華人民共和国・パラグアイなどが挙げられ、うち中国産とパラグアイ産の品質が高く、価格も比較的に安い。現在、日本国内で流通しているコウゾのおよそ半数は外国産と見られている[1]。
まだ花が残っていた。雌雄同株で紫色の糸状の花序を出しているのが
雌花序で、右側で固まっているのが雄花序である。
東高根森林公園の古代植物園で撮影。
日本では五世紀には確実に和紙の製造が始まっているというから、西洋に中国から製紙技術が伝わるはるか前から
製紙が行われていたことになる。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/fc/ba8dc6a0e6846cf6795b40a07b80f145.jpg)
コウゾ
コウゾ(楮、学名:Broussonetia kazinoki × B. papyrifera)はクワ科の植物で、ヒメコウゾ(学名:Broussonetia kazinoki)とカジノキ(学名:B. papyrifera)の雑種である。和紙の原料としても使われている。
但し、ヒメコウゾの別名をコウゾとする場合もあるので注意を要する。
特徴
コウゾは落葉低木で、厳密にはカジノキとは異なるものであり、楮の字を用い、カジノキには梶、構、榖の字をあてているが識別は容易ではない。
古代では、植物の名前も地方によって呼び名が異なり、混同や混乱が多い。『本草綱目』や『農業全書』でも両者の差は葉に切れ込みがあるのは楮、ないのは構(=梶、カジノキ)」とするだけで種別としては「楮」に纏められてしまっている。
「紙麻(かみそ)」と言う語の音便より「こうぞ(かうぞ)」という語が生まれたとする説も存在するほど、古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料の楮としている。楮の皮の繊維は、麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強く、その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となる。古くは、檀紙は真弓紙とされているが、平安後期以後の檀紙はダンシと読まれ、楮紙とされている。
楮の皮の繊維を蒸して水にさらし、細かく割いて作った糸を木綿(ゆう)と言う。同じ字の木綿(もめん。ワタの繊維)とは別のものである。神道の祭事に用いられるが、後に紙で作られた紙垂も用いられるようになった。
コウゾの果実は集合果で、甘味があって食べられる。ただし、花糸部分が残っていてねば付き、舌触りが悪いので、クワの実のような商品価値はない。
生産・流通
山間地の傾斜地に栽培されることが多い。しかし、シカによる食害などがあるため、生産意欲が減退した地域もある。
日本国内では、高知県本山町・いの町、茨城県大子町・常陸大宮市などが主な産地であるが、越前和紙・美濃和紙など、多くの漉き手から高い評価を得ているのが大子町産の「那須楮」である。海外の有力輸入先としてタイ王国・中華人民共和国・パラグアイなどが挙げられ、うち中国産とパラグアイ産の品質が高く、価格も比較的に安い。現在、日本国内で流通しているコウゾのおよそ半数は外国産と見られている[1]。