オモダカという花は「面高」という名前も素敵だし
シンプルな花も美しい。Wikiにも掲載されているように家紋に
使われるだけでなく、多くの模様に愛用されている。
ぼくの愛用のお椀もオモダカのシンプルなデザインだ。
あれやこれやで、ぼくのお気に入りの花である。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)
オモダカ
オモダカ(沢瀉・澤瀉・面高)(Sagittaria trifolia L.)は、オモダカ科オモダカ属の水生植物である。ハナグワイ、サンカクグサ、イモグサ、オトゲナシなど多くの別名がある[2]。オモダカの語源ははっきりとはしておらず、人の顔に似た葉を高く伸ばしている様子を指して「面高」とされたとも、中国語で湿地を意味する涵澤(オムダク)からとられたとも言われる[2]。
分布
アジアと東ヨーロッパの温帯域から熱帯域に広く分布し、日本でも各地で見られる[3]。水田や湿地、ため池などに自生する。
生態
春に、種子と塊茎から発芽する。発生初期は線形の葉をつけるが、生長が進むと矢尻形をした葉をつける。葉の長さは最大で60cmほどになるが、葉の形態は種内変異に富む[2]。花は単性花で、雌雄同株、白い花弁を3枚つける。楕円形の種子には翼をもつ。また種子のほかに、地中に伸ばした地下茎の先に塊茎をつけ、それによって繁殖する。染色体数は2n=22[4]。
類似種
同じオモダカ属のアギナシとよく似ているが、アギナシは根元に粒状の球芽(むかご)を多数形成する一方で地下には走出枝を出さないが、オモダカは走出枝を出し、球芽をつけることはないため、草体を引き抜けば区別できる。そのほか、アギナシの花は葉より高い位置につくという傾向や、オモダカでは矢尻型の葉の先が尖るのに対してアギナシでは先が丸みを帯びるという点も異なるが、花の位置や葉の形態には変異が大きく決め手とはなりがたい。また、アギナシは「顎無し」の名の通り、矢尻型でないヘラ状の葉をつけることも多いが、同様の葉はオモダカでも見られるため、ヘラ状の葉の有無では区別できない。
人間との関係
オモダカは観賞用に栽培されることもあるが、通常利用されることは少ない。前述のように種子のほかに塊茎でも繁殖するため、難防除性の水田雑草として扱われることもある[5]。ただし、オモダカの栽培変種であるクワイは、塊茎が肥大化して食用となるため栽培され、おせち料理などに利用される。クワイはその外形から「芽が出る」ことを連想させるため、縁起物として扱われる。日本では、オモダカの葉や花を図案化した沢瀉紋(おもだかもん)という種類の家紋がある。また、慶事用の切手(90円)にも、ツルと共にオモダカの文様が描かれている。
沢瀉 の例句
おもだかのふとり過たるあつさ哉 嵐雪
おもだかのなほ咲きつづき秋涼し 山口青邨
おもだかの一茎青き刈田径 山口青邨
おもだかの土臭までさかりかな 寥松
おもだかの白き花見ゆ朝涼し 山口青邨
おもだかの花の一茎けふは挿す 山口青邨
おもだかの花の白きを湯尻の田 山口青邨
おもだかの花了りたる草の水 山口青邨
おもだかの花咲きながら末枯るゝ 高野素十
おもだかも田草の数にひかれけり 如行
おもだかよ鷺にふまれむこゝにさけ 支考
三伏の慈姑沢瀉いづれぞや 岡井省二 前後
人の家の鏡に映り沢瀉売 岡井省二 山色
我やどの沢瀉さきぬくひなゝけ 加藤曉台
朝光のおもだかの花いや白し 山口青邨
沢瀉が咲いたる足のうらおもて 岡井省二 鯛の鯛
沢瀉に河骨まじる小川かな 正岡子規 河骨
沢瀉のこのあたりなら吃るなし 岡井省二 有時
沢瀉の夕ほとりなる蹠かな 岡井省二 有時
沢瀉の花覗く足取られけり 右城暮石 一芸
沢瀉の葉かげの蜘蛛や梅雨曇り 飯田蛇笏 山廬集
沢瀉の鉢に溢るる懈怠かな 石塚友二 曠日
沢瀉や水鏡亡き妻の顔 森澄雄
沢瀉や田より立ちたる雲の峯 森澄雄
沢瀉や花の数そふ魚の泡 炭太祇
沢瀉をうなぎの濁す沢辺哉 嵐蘭
破壷(やれつぼ)におもだか細く咲にけり 上島鬼貫
紫陽花は七変化沢瀉は十変化 水原秋櫻子 蘆雁
肴町おもだかの花落ちてゐる 飯島晴子
花慈姑ほそみの門に喜捨の箱 石川桂郎 高蘆
荒莚沢瀉細く活けて住む 石田波郷
長月といふ沢瀉のあきらけく 岡井省二 五劫集
閨掃くが見えて沢瀉日和かな 岡井省二 山色
シンプルな花も美しい。Wikiにも掲載されているように家紋に
使われるだけでなく、多くの模様に愛用されている。
ぼくの愛用のお椀もオモダカのシンプルなデザインだ。
あれやこれやで、ぼくのお気に入りの花である。
(2019-05 神奈川県川崎市 東高根森林公園)
オモダカ
オモダカ(沢瀉・澤瀉・面高)(Sagittaria trifolia L.)は、オモダカ科オモダカ属の水生植物である。ハナグワイ、サンカクグサ、イモグサ、オトゲナシなど多くの別名がある[2]。オモダカの語源ははっきりとはしておらず、人の顔に似た葉を高く伸ばしている様子を指して「面高」とされたとも、中国語で湿地を意味する涵澤(オムダク)からとられたとも言われる[2]。
分布
アジアと東ヨーロッパの温帯域から熱帯域に広く分布し、日本でも各地で見られる[3]。水田や湿地、ため池などに自生する。
生態
春に、種子と塊茎から発芽する。発生初期は線形の葉をつけるが、生長が進むと矢尻形をした葉をつける。葉の長さは最大で60cmほどになるが、葉の形態は種内変異に富む[2]。花は単性花で、雌雄同株、白い花弁を3枚つける。楕円形の種子には翼をもつ。また種子のほかに、地中に伸ばした地下茎の先に塊茎をつけ、それによって繁殖する。染色体数は2n=22[4]。
類似種
同じオモダカ属のアギナシとよく似ているが、アギナシは根元に粒状の球芽(むかご)を多数形成する一方で地下には走出枝を出さないが、オモダカは走出枝を出し、球芽をつけることはないため、草体を引き抜けば区別できる。そのほか、アギナシの花は葉より高い位置につくという傾向や、オモダカでは矢尻型の葉の先が尖るのに対してアギナシでは先が丸みを帯びるという点も異なるが、花の位置や葉の形態には変異が大きく決め手とはなりがたい。また、アギナシは「顎無し」の名の通り、矢尻型でないヘラ状の葉をつけることも多いが、同様の葉はオモダカでも見られるため、ヘラ状の葉の有無では区別できない。
人間との関係
オモダカは観賞用に栽培されることもあるが、通常利用されることは少ない。前述のように種子のほかに塊茎でも繁殖するため、難防除性の水田雑草として扱われることもある[5]。ただし、オモダカの栽培変種であるクワイは、塊茎が肥大化して食用となるため栽培され、おせち料理などに利用される。クワイはその外形から「芽が出る」ことを連想させるため、縁起物として扱われる。日本では、オモダカの葉や花を図案化した沢瀉紋(おもだかもん)という種類の家紋がある。また、慶事用の切手(90円)にも、ツルと共にオモダカの文様が描かれている。
沢瀉 の例句
おもだかのふとり過たるあつさ哉 嵐雪
おもだかのなほ咲きつづき秋涼し 山口青邨
おもだかの一茎青き刈田径 山口青邨
おもだかの土臭までさかりかな 寥松
おもだかの白き花見ゆ朝涼し 山口青邨
おもだかの花の一茎けふは挿す 山口青邨
おもだかの花の白きを湯尻の田 山口青邨
おもだかの花了りたる草の水 山口青邨
おもだかの花咲きながら末枯るゝ 高野素十
おもだかも田草の数にひかれけり 如行
おもだかよ鷺にふまれむこゝにさけ 支考
三伏の慈姑沢瀉いづれぞや 岡井省二 前後
人の家の鏡に映り沢瀉売 岡井省二 山色
我やどの沢瀉さきぬくひなゝけ 加藤曉台
朝光のおもだかの花いや白し 山口青邨
沢瀉が咲いたる足のうらおもて 岡井省二 鯛の鯛
沢瀉に河骨まじる小川かな 正岡子規 河骨
沢瀉のこのあたりなら吃るなし 岡井省二 有時
沢瀉の夕ほとりなる蹠かな 岡井省二 有時
沢瀉の花覗く足取られけり 右城暮石 一芸
沢瀉の葉かげの蜘蛛や梅雨曇り 飯田蛇笏 山廬集
沢瀉の鉢に溢るる懈怠かな 石塚友二 曠日
沢瀉や水鏡亡き妻の顔 森澄雄
沢瀉や田より立ちたる雲の峯 森澄雄
沢瀉や花の数そふ魚の泡 炭太祇
沢瀉をうなぎの濁す沢辺哉 嵐蘭
破壷(やれつぼ)におもだか細く咲にけり 上島鬼貫
紫陽花は七変化沢瀉は十変化 水原秋櫻子 蘆雁
肴町おもだかの花落ちてゐる 飯島晴子
花慈姑ほそみの門に喜捨の箱 石川桂郎 高蘆
荒莚沢瀉細く活けて住む 石田波郷
長月といふ沢瀉のあきらけく 岡井省二 五劫集
閨掃くが見えて沢瀉日和かな 岡井省二 山色