名前で得をしている「ヒトリシズカ」。写真の個体はまだ咲き始めだ。以前は吉野静と呼ばれた。それは「『和漢三才図会』には静御前が吉野山で歌舞をしたと書いてあり、その後、静のきれいさになぞらえたもの」という。それがフタリシズカとの対比でヒトリシズカと呼ばれるようになったらしい。お化粧の道具で、おしろいをつけたあとで眉をはく刷毛のマユハキに似た形からマユハキソウとも呼ばれたらしい。どちらも凝った名前だ。
(2021-03 高尾山)
■高尾の花
「カタクリ」(高尾の花 21-01)
「雪割草」(高尾の花 21-02)
「リュウキンカ」(高尾の花 21-03)
「ショウジョウバカマ」(高尾の花 21-04)
「キクザキイチゲ」(高尾の花 21-05)
「タツタソウ」(高尾の花 21-06)
「キバナセツブンソウ」(高尾の花 21-06)
「ハナネコノメ」(高尾の花 21-07)
「ヨゴレネコノメ」(高尾の花 21-08)
「ムラサキケマン」(高尾の花 21-09)
「アミガサユリ」(高尾の花 21-10)
「ミヤマカタバミ」(高尾の花 21-11)
「タカオスミレ」(高尾の花 21-12)
ヒトリシズカの基本情報
学名:Chloranthus japonicus
和名:ヒトリシズカ(一人静) その他の名前:ヨシノシズカ、マユハキソウ
科名 / 属名:センリョウ科 / チャラン属
特徴
ヒトリシズカは各地の森林の湿った場所に見られる多年草です。
全体に水気が多い柔らかい植物で、数本から20本ほどの茎を伸ばして株立ちになり、茎の先端に4枚の葉をまとめてつけます。芽が伸び出すころ、長さ2~3cmの白いブラシのような形の花が、若葉に包まれて開花します。ブラシの毛のように見えるものは、雄しべの葯隔という組織です。虫眼鏡で拡大してみると、葯隔の根元近くに、黄色い葯が確認できます。
基本データ
園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 日本列島、極東ロシア~朝鮮半島、中国東北部~東部
草丈/樹高 10~30cm 開花期 4月~5月
花色 白 栽培難易度(1~5)
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 落葉性,日陰でも育つ