昨日の話です。
授業の始まる前の話です。
教室の前で待っていました。
うちの学部、最近新しい校舎を建てた、いや改装しただけです。
イタリアではCentro(中心街)に新しい建物を建てることはまずないですねぇ・・・
しかし、どうしてなのか教室が足りないんです。
特に80~100人それ以上の大人数を収容できるところ。
それなのにこの授業、ちなみにラテン語なんですけど、3学科の共通必修科目、ということで、大体100人くらいが受講するわけです。
でも私たちにあてがわれた教室、それでも私が知っている中でも4番目くらいに大きいと思うんだけど、全員が座れなくて、床に座っている生徒がたくさんいるんです。
昔、私が入学した頃はこういう光景をよく目の当たりにしていたんです。
「40歳目前(その頃はまだね)床に座るのかぁ、とほほ」なんてことも結構あったんですが、最近はちょっと改善していた、いや自分が学校に行ってなかったからか?と思っていたのですが、またこれだよ・・・
で、こうなると生徒は嫌でも早く来るわけですよ。
で、日本のように順番に並ぶなんて感覚はないから、後から来た人がどんどん前に入り込んだり・・・
そんなのは既に慣れっこなんですよ。残念なことに。
しかし、そうではない人がいたんですねぇ。
今期通っている授業は1年生の時に必修なんです。
ははは、昔むかしに授業を受けて試験を受けなかったので、取り直しているんです。
いや~話は少々脱線しますが、ラテン語ではなく、もう1つ通っているのは中世美術史なんですけど、今になって昔は教授が言っていることほとんど分かってなかったなぁ、と自分で感心してしまいました。
他の学部はどうだか分かりませんが、うちの学部の場合はイタリア語の問題だけではなく、特別な用語も多いし、歴史、地理などが分かってないと、全然分からないんです。
実はこれ、半分は試験パスしてるんです。
話すと長くなるし、わけが分からないのでそこらへんは省きますが、私が大学に入って一番最初に受けた試験だったんです。
でも今思うと、あれはお情けでもらった点数だなぁ・・・と。
だって何も分かってなかったもん。
無駄にぶらぶらしていたわけではなく、いろいろなものをこの目で見てきたので、教授が映す写真の多くが自分の目で確認してきたものだったり、今試験のために勉強していることと共通点があったり・・・
勉強ってこうなると俄然はかどるし、面白くなるものです。
何でもう少し早く気がつかなかったのかなぁ・・・私は今まで何をしていたのでしょう???
話は元に戻って・・・でこういう状況が許せない人がいたんです。
この2つの授業でいつも見かけていた、いやとても目立つので、今年大学に入った人だと思うのですが、私はてっきりドイツ人だと思っていたんです。
どうして?といわれると説明できないのですが、ドイツ人っぽいおじさんなんです。
風貌もそうですが、ドイツはやはり近いので、時々こういう定年したおじさんが時々大学にいるんです。
だからドイツ人かと・・・だから許せないのかと・・・
噴火は突然起きました。
この教授はいつも15分くらい遅れてきます。
この15分遅れて授業が始まるのは大体当たり前。
教授によっては校舎の移動時間を考慮して15分遅れて始めますとちゃんと言ってくれる人もいます。
そしてなぜかいつもは大学の人が部屋を開けてくれるのに、今回は「教授が来るまで開けられない」ということで教室前の狭い廊下に人が大勢集まっていたわけです。
そして20分経過した頃だったかなぁ・・・このおじさんがいきなり怒り出したんです。
「君たちはなんとも思っていないのか」「誰か状況を聞きにいけ」「教授に文句言え」「こんなことおかしくないのか」などなどと
そして興奮してしまったのか、イタリア語に自信がなかったのか
「英語分かるか?」と
運悪くつかまってしまったイタリア人男子は、あいまいな返事をしたにもかかわらず、おじさんはお構いなしに英語で怒鳴り始めた。
あれ?もしかしたらやはりドイツ人かな?ドイツ語は分からないだろうと思った配慮かしら???
周りの18、19歳くらいの子達は自分に被害が及ばないように目線を泳がしたり、あっけにとられていましたよ。
結局おじさんは耐え切れずにリュックをそこに残したままいのししのように突進。
事務へ行くつもりだったのでしょうが、正面から教授がきたようで、真っ赤な顔をしたまま戻ってきました。
このおじさんをちらちら見ながら(目が合ったら「君も外国人だろう。」と同意を求められそうなので)
ここはイタリア。この状況に耐えられないなら、私たち外国人が出て行くべきなんですよ。
と言ってあげたくなりました。
こんなことでいちいち目くじら立てていたら、そのうち脳みその血管切れますって。
それとも私がすっかりイタリア慣れしちゃったのかなぁ・・・
あの年齢(と言っても60代かな?)で外国の大学で勉強するのは大変だと思います。
でも、自分の国の常識で他の国を計ってはいけないということは頭に入れておいたほうがいいと思います。
かく言う私もず~と「日本と比べるな。ここはイタリア。ここはイタリア。いいことだけど考えよう」と思ってすごしてきたんですから。
大学での一こまでした。
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