イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Rossini 三昧

2014年08月16日 13時18分47秒 | イタリア・音楽

いい加減楽しい話をしましょうね。

やっぱり夏の野外オペラは格別。
特にTerme di Caracalla(カラカラ浴場)はいいですよ・・・
ちなみに先ほどお話したとおり、チケットは簡単に入手できます。
ただ売り出しの日にちが早いので、いい席が欲しい方は常にチェック!!
Teatro dell'Opera di Romaのサイトからアクセス可能です。
演目がこれじゃなかったら個人的にカラカラにも行こうかなって思っていました。

実は今回カラカラ浴場でオペラを観ながらちょっと感慨深い思いを抱いていました。
ここ、初めてではないんです。
以前ここに来たのは丁度10年前のこの時期。
あの時はオペラの魅力も全然分からず、音楽をやっていた友人が行くというので一緒にやってきました。
演目はAida(アイーダ)
あの時は半年後には日本に帰る予定だったんですよ。
それが紆余曲折の末、私はまだ、そしてまたここにいる。
一緒だった友人は、日本に帰国したのにイタリア人と結婚して、今や一児の母。
人生って面白いですね。
10年後、またここにいるとは思えませんが、この先もまた色々なことがあるんだろうなぁ。
2000年の遺跡を前にしたら10年なんて一瞬ですね。

演目はIl Barbiere di Siviglia(セビリアの理髪師)
なんと最後に見たのもこれだったのでチケット取らなかったんです。
そしてこの後に見るのもRossiniの作品ということで、3回連続のRossini三昧になってしまいました。
演出もキャストも全然違うから、それぞれ楽しめるからいいんですけどね。

特に今回のカラカラの演出は”ハリウッド風”ということで、エンターテイメント性がものすごく強かった。
先日のVeronaの時とは違って、風が心地よく(最終的には寒くなった)とっても気持ちがいい。
と思っていたら、日中の疲れと時差ぼけで、日本から来ていた人たちは気持ちよくお休み・・・
席もよくなかったので、仕方がないですね。

しかしこのローマ遺跡とのコラボ
やはりこれはローマだけの醍醐味。
「雰囲気を味わえただけでもよかった」というのは正直な気持ちでしょう。

ちょっと分かりにくいですが、ラストシーンに大きなウエディングケーキが登場。
仕掛けが大掛かりでいいですねぇ。
この中央の石が人の顔に見えるのは気のせいですかねぇ?

いやいや、やはりいいですよここは。

カーテンコールでケーキはしまわれました。
そして、ここで撤退を余儀なくされたんです。
バスが待っているから。
私個人的にはカーテンコールを途中で立つのすごく嫌なんです。
一生懸命やっていた出演者に失礼だし、足元が暗いのは非常に危険です。
確かにここの場合、混む前に出ようというのは分かるんですけどね・・・

ちなみに10年前は帰りのタクシーを予約していなくてものすごく待たされたのですが(予約するって知らなかったのあの当時は)今は予約しなくても大丈夫。
タクシーの列に並べば、担当の人が手配してくれます。だから語学に自信がなくても大丈夫。
これは最近どこの劇場でもそうですね。
この点では10年経って少しは変わったな、と思っています。
だからホテルが多少遠くて心配な人はタクシーを利用しましょう。
場合によっては近くの人と相乗りになることもあるようです。

そしてこの日から1週間。
私はToscanaからLazio→Veneto→Lombardiaと旅をしてマルペンサ空港で仕事を終えPesaroへ向かいました。
ということで一週間にイタリア20州のうち4分の1を周ったというわけ。
一体どれくらいの距離だ???

Pesaroと聞いてピンと来た人はオペラ通。
海水浴に行った・・・わけではありません。
もちろんRossini Festivalです。

この夏帰国しなかったのはここに行く、という理由もあったからなんです。
いつか行ってみたいと思っていて、もし仕事が入らなければMarche州をぐるぐるする予定でした。
まぁこれは近いうちに実行するので問題はないです。
でもたまたまオペラが仕事の後だったのは運がよかったですね。
Pesaroはアドリア海側の街で、この時期は海水浴客で大賑わい。
実際”海の軽井沢”(いや~貧祖な例えですみません。)
小さな街なのにおしゃれ。そしてなぜかGelateria(ジェラート屋)が多いわぁ
街の話はさておき、ここに小さいけれど有名な劇場があります。

Teatro Rossini
作曲家Gioachino Antonio Rossiniはこの街の出身。
このRossini Festivalは国内だけでなく海外でもとても有名。
特に日本人が多いんだ・・・
聞いてはいたけど、この小さな街の劇場に何でこんなに?と思うくらい日本人多いんです。

ここは結構チケットが取りにくいんですが
(それでも個人で取れますよ。ホテルの人に聞いたら発売時期が早いので売り切れが早いと言っていました)
一般的にチケットが取りにくいので日本人の方は劇場の賛助会員になって年いくばくかの援助金を払って優先的にチケットを手に入れているんだそうです。
すごいですねぇ・・・
このフェスティバル中ず~と滞在された毎晩観ている人もいるようです。
んんん、なんて贅沢!!

個人的に賛助制度はすごくいいと思いますよ。
今イタリアはどの劇場もお金がないので、是非お金がある方は援助してあげてください。
最低200€からで、これで2枚のチケットが優先的に予約できるそうです。
興味がある方はこちらから

私は貧乏なので自力で予約しました。
それに予約方法はいたって簡単です。
ただ一般予約の時点でいい席は予約されてしまっている、ということで助成金を払って先行予約の権利を手に入れるんでしょうね。
私はそこまでしなくてもいいんです。
専門家ではないですし、おたくでもないので・・・えっ違うの?

2014年の場合郵便、Fax,E-mailの予約期間が4月28日から6月13日まででした。
私が気が付いたのは確か6月10日くらい。
その頃はまだ帰国するかしないかで迷っていたのですが、帰らないと決めてチケットを買うことにしたので、ギリギリで書類を提出。
ここのサイトはとても親切で、料金表だけでなく、座席表が付いているので、予算と視野に有った席が選べます。
更に希望が通らなかった場合、席もしくは日にちの別の希望を記入する欄もありました。
結局今回は第一希望の席で予約できましたけどね。
金額はこちら、座席はこちら

数日後に先方から予約完了のメールが来まし。
そこに書かれた振込先にカード番号を伝えただけ。
とは領収書を持って会場へ。
そのほかに7月1日から25日は電話予約、窓口では8月1日からの発売になっていました。
ちなみにチケットの引き換えは午後18時半まで。
それ以降はショーが始まる30分前からになるようです。
私18時半少し過ぎて到着したけどかろうじてドアが開いていて、引き換えてもらえました。


本当に小さな劇場です。
Firenzeだったら・・・Pergolaぐらいかな?Teatro verdiよりは小さい気がする ?
えええ、860人しか座れないよ。
ちなみにカラカラ浴場は2万席でした。
いやいやチケット取りにくいわけだ。

珍しく休憩時間にBarに降りたので下からも写真を。

4階席だったのでこんな感じ。
ボックス2列目だったのですが、前の人が結構気を遣ってくれたし、割と中央に近かったので舞台はよく見えました。
演目はAureliano in Palmiraという作品で、この作品オペラの構成自体はあまり評価されなかったのに、曲の内容がよかったためこの作品から多くの曲が転用されているんです。特に”セビリアの理髪師”に。
序曲なんか手直しされて”エリザベッタ”、”セビリアの理髪師”に再転用。素人の私には同じ!としか聞こえませんでした。
更に本編(?)のあちこちに”セビリア”と同じ曲が流れるので、一体何を見てるのか途中で分からなくなりました。

いや~それにしてもレベル高い。
確かに世界中からこのために人が集まるのがよく分かります。
既にYoutubeにあげている人がいるので、聞けたらこちらで聞いてみてください。

この人どんな機材で録音してるんだろ?
実際聞くのより音がいいんですよねぇ・・・

演出もいいし。
ただこれ、アルサーチェが女性なのですが(Rossiniはカストラート用に書いている)、ぜノービアがとっても体格のいい人だったので、ちょっとアンバランスな感じ。
いやいや、本当によかった。わざわざ来た甲斐がありました。

オペラが終わったのは12時ごろなんですが、街のメイン通りのお店の中にはまだ営業しているところも。
広場には市場がまだ出ていました。
治安も良いので一人で歩いていても全然平気。
疲れていたのにも拘らず、Gelato食べて海まで行っちゃいました。
ここのジェラートおいしかった・・・

あ~幸せ。
次回のオペラは2週間後、Pucciniです。
ピンと来ちゃった?



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