あの暑さはどこへやら、涼しい日が続いております。
暑ければ暑いで文句を言い、雨が降れば降ったで文句を言いたくなる、なんてわがままな人間たち。
さて、日本に戻って早2か月になろうとしています。
その間私は何をしていたのでしょうか…
会う人、会う人には「暑いうちは(何もしなくても)いいんじゃない」と温かい声をかけてもらえるものの、両親、特に母はすでに切れ気味。
当然ですよねぇ、いい年した娘が何もせず家にいる。
ネットを使って微々たるお小遣い稼ぎはしているものの当然理解はしてもらえず、最近では「イタリアに戻れ」とまで言われる始末です。
今まで10年以上お互いが”いない”生活に慣れていたので仕方がないですよね。
何とかせねば、とは思っているものの、なかなか、というのが現状です。
そんな感じで時間はあるので、昨日久しぶりに映画を2本見に行きました。
ジャック・アンド・ベティという小さな映画館で、昔はもっと場末感が漂っていましたが、ずいぶんきれいになっていました。ちなみにここ最近不倫現場として某女優さんが撮られた場所ですねぇ…
水曜日はレディースデイ
あれ?いつの間に1,000円から1,100円になったんですかねぇ???
夏休み、天気悪いということもあるのか非常に混んでいました。
幸い私が見たいと思っていた映画は2本ともまだ空席が有りましたが。
1本目はイタリア映画。
字幕を頼りにしないとダメなくらいイタリア語力が落ちていたらどうしよう…と思ったけれど、何とか字幕よりイタリア語が頭にすんなり入って来たのでほっとしました。
ただ、字幕は語順上、まだ話していないことが先に表示されてしまうので、途中からなるべく字幕を見ないように努めていました。
だって、当然だけど字幕って文字数が有るから、あれ?そんなこと言ってた?というくらい訳者の意訳が自分の感覚と合わないこと、有りますからね。
歓びのトスカーナ(伊題:La pazza gioia)
受賞者にはDonatelloのダヴィデ像が贈られるイタリアの映画最高の名誉賞に当たるDavid di Donatelloで5部門受賞しています。
それにしてもこの邦題、全然納得いかないわ。
心に様々な問題を抱えた人たちが暮らすトスカーナの診療施設を舞台に、”自称・伯爵夫人”のベアトリーチェと新しくやって来たドナテッラ2人
日本語のパンフレットは「人生に必要なのは、少しの休暇と、女同士の友情。そんな友情を手にしたふたりに、点はささやかな贈り物をするのだった」と結ばれているけど、そんな楽観的な映画では決してないと私は思いましたね。
というのも法的には”精神病院”は廃止されているイタリア。
でもその実”病院”ではないが、それよりひどい施設は未だに存在しています。
この映画でも彼らが集うヴィラ・ビオンディはVillaというだけ有って、外観は素晴らしい。
しかし、その実態は…
更に刑事事件を起こした人が収容される場所は、”精神病院”のそれではないのか?
心の病を抱えた人たちをどう社会に受け入れていくか、そんなメッセージを込めた、かなり社会性の強い、イタリアらしい映画だったと思わざるにはいられなかった。
美しいトスカーナの風景と人間が抱える心の闇。
そのコントラストがあまりにも強くて、「最高の友情を手にした女たちによる、人生賛歌!」などというキャッチコピーには納得できない、なんて思ったのは私だけなのかなぁ???
すごくイタリア映画らしい映画だなぁと思ったわけです。
そしてやはりもう少し映画、現地で見るべきだったなぁと。
そして結構重いなぁと思いながら、2本目はそれよりも重かった。
ヒトラーへの285枚の葉書
こちらは実話をベースにしていて1940年、息子を戦争で亡くした老夫婦がヒトラー政権にわずかながらの抵抗を試みるために、体制を批判するカードを書き、街に撒く。
結局犯行は発覚、二人は斬首されてしまうのだが…
いやいや、久しぶりにとても楽しかったです。
暫く見たい映画が続くので、映画館通いを復活させようかなぁ、と思った次第です。
母娘なんですか。知りませんでした。(^^;)
イタリアだと日本のように映画の情報をテレビや雑誌で教えてくれないので、なかなか映画館へ足を運ぶ機会がなく、今更ながら後悔しています。ここのところ気になる映画が多いので、できるだけ映画館で観てみようと思います。