クリスマスの日の朝はとっても静かです。
深夜のミサのせいかCenone(cenaが夕食なのですが、これに-oneが付くと"大"という意味が付くので。昨晩の大宴会)のせいで寝坊しているのかはわかりません。
今日の昼食に備えてじ~としているのかも(笑)
いやでもここでちょっと疑問
なんでCenoneなんだろう???
確か昔一緒に住んでいたイタリア人がクリスマス実家に招待してくれた時、
日本同様(?)イブの夜は豪勢な食事なのかと思いきや、イブの朝は質素に、そして魚を食べるの伝統的、だったはず。
う~ん今日は"キリスト誕生"について今一度おさらいしてみようと思っていたのに、イブの話で終わってしまいそうだ・・・
クリスマス・イブ(イタリア語ではvigilia)はイタリアでは"giorno di magro"とされ、お肉は食べない日となっています。
これは福音書に記されていることなんですね。
カトリックの伝統ではイブの日は断食と決まっていたそうです。
今はイスラム教の断食ばかりが注目されますが、イスラム教同様キリスト教でも断食は推奨されていたんですよ。
(今もやっているか、までは知りません)
断食は年4回
Quaresima (四旬節)の時期に行われていたようで、その中の1つのQuaresima di Nataleという11月15日から12月24日。
ちょっとこの部分がわかり肉(いやわかりにく)かったので更に調査
すると断食の期間は
1) La Grande Quaresima di sette settimane che precede la Pasqua(Quaresima di Pasqua).
つまりパスクアの前の7週間
2) Il digiuno della festa dei santi Pietro e Paolo.
聖ピエトルとパオロの祝日の断食。時期は移動する。
Pentecosta(五旬節)の8日後から始まり6月28日まで。
Pentecostaの日付により期間も1~7週間と変わる。
3) Il digiuno della Dormizione della Santissima Vergine
”生神女就寝祭"(しょうしんじょしゅうしんさい)
すごい日本語訳!?つまり聖母がお眠りになった(亡くなった)ことを指すんですけどね。
そのお祭り。
期間は8月1日から14日までの2週間。
で、4番目がこのQuaresima di Nataleなんだそうです。
この断食の期間は週に3回月、水、金と断食をしなくてはいけなかったそうです。
しかしこの断食ですが、一切の食べ物を口にしないという厳し~い者ではなく、肉を自制し、厳かな食事を心がけ、豪華な食事はお祝いの時だけにしましょうというものだったようです。
だからお肉の替わりに魚
今でもVenerdi pesceと言って金曜日はお肉ではなく魚を食べる風習が残っているところは多いですね。
中世、教会では一年のうち150日肉を食べられない日がありったそうです・・・
って日本人的にはそんなに肉食べてたの?って感じですが。
だって仏教は殺生駄目だから、肉も魚も同じように駄目でしょう?
ここら辺はキリスト教にとって魚が特別だったりするあたりに根拠が有るのかなぁ???
大体これ調べようと探してもイブの魚料理のメニューがほとんど。
知りたいことを探すのが大変でした。
キリスト教にとって一年もっとも大切なイブの夜(からクリスマスにかけて)"cena di magro"(質素な夕食)の風習は現在でも続いています。
それはキリストの誕生を厳かな気持ちで待ちましょう、ってことなんでしょう。
でも根本的に変わってしまってはいますね。
お肉はお魚に変わり、質素な食材は豪華なものに、テーブルの上には他のフェスタと変わらないような食材が並んでいます。
ちょっと意外だったのはアメリカでもイブの日は魚を食べる習慣が広まっています。
もちろんこれは昔アメリカに移民したイタリア人が持ち込んだ伝統なのですが、"Seven Fishes Feast” として残っているそうです。
こんな感じ
わぉ~ゴージャス!!
写真はここから借用しました。
むしろイタリアより伝統が引き継がれていて、夕食は魚だけ!!7種類!!
あれ?8種類あるねぇ・・・
なんでこの伝統が日本に回ってこなかったんだろうか???
なぜ7種類か、というのにもちゃんと理由があってキリスト教のsette sacramenti(7つの秘跡)に由来しています。
キリスト教徒でない私たちには"7つの秘跡"と言われてもピンと来ないので説明しますと(自分の為にね)
キリスト教徒の人生の中で大切な7つの儀式のことで、洗礼(battesimo)、堅信 (cresima),聖体(eucaristica),告解(confessione)、終油(Estrema Unzione)、叙階(ordine)、婚礼(matrimonio)
もしくは天地創造の7日間(i sette giorni della Creazione)その他7という数は結構重要なんですね。
それにしても7種類の魚、それがだめでも7種類の魚料理を作らなければいけないというのは結構大変ですよねぇ。
ということで時代とともにこの風習は少しずつ変わり、とりあえず多くの料理を用意すればいいか、と妥協されてしまったそうです。
まぁ当然ですよね。
ただどんなに習慣が変化しても基本の魚は欠かせません!
i calamari (イカ。これは大抵フリット)、baccalà(タラの塩漬け), anguilla(うなぎ。昨日のニュースでナポリの魚市場で大量に売れてました),le cozze(ムール貝),le vongole (あさり。これはパスタと), i gamberi(えび)その他にも大きな魚のローストuna cernia(ハタ) とか un dentice(ヨーロッパキダイ)などなどがテーブルに並ぶんだそうです。
今までご招待いただいたイタリア人家庭ではやはりメインが魚という家庭が多かったですね。
ここまでくるとじゃあクリスマスは?ということになりそうですがそれはどの宗教でも一緒。
断食後の食事ですからね。
昨日のニュースを見ていても、今日のお昼はTortelliniやラザニア、お肉が1種類ではなく何種類もという家庭が多いと思います。
またこの日は生活に苦しい人たちにも温かい食事が配られます。
みんなが温かく幸せなクリスマスを迎えられますように・・・
私は昨日の残り物。
午後はまたpresepeを見に行ってきま~す。
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