イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

クリスマスと切り株

2014年12月24日 12時15分59秒 | イタリア・生活

24日のお昼前です。
先ほど市場に買い物に行って来ましたが、すごい人でした。

さて、日本はあと数時間で25日。
ということでこれを早めに載せておかないと・・・

12月8日イタリア人の知り合いが孫を連れてPalazzo Vecchioの子供向けのツアーに参加したそうです。
そのツアーはこの時期にマッチしたフィレンツェの古いお祭りの話などを織り交ぜたものだったらしいのですが、
その話、大人が聞いてもすごく面白かったのよ~ということで簡単に説明してもらいました。
その中でも特に興味を引いたのがフィレンツェのクリスマスのお話。
ということで、ちょっと調べてみたんですねぇ・・・

このお話はイタリアだけでなくヨーロッパ各地のことらしいです。
むかしむかし、家庭に暖炉が欠かせなかった時代のお話です。
古くは12世紀ぐらいから始まり20世紀の初めごろまで行われていたそうですよ。
24日の夜には大きな切り株を燃やす習慣があったそうです。
この切り株は"家族"を意味していて、大きな幹はお父さん、そこにくっついている枝が子供たちを意味しているそうです。
24日の夜に家族揃ってこの切り株を暖炉に入れて火花の動きで吉兆を占ったとか。
また翌日(大きなものになると1月6日まで燃え続けることもあったとか)灰を集めて畑にま撒き、豊作を願ったそうです。
そして唯一夜更かしを許された子供たちは”ceppi portadoni"(ceppiはceppoの複数形で切り株、portadoniはプレゼンタをいれるもの)
を用意します。
これ、たぶん袋かなんかに入れていたのかな?
サンタの袋みたいなものだと思います。 
この中にお菓子やドライフルーツを入れます。
そしてそれらと一緒に金色に塗られた松ぼっくり、もみの木の小枝、色紙で作ったお花とろうそくも入れられたそうです。
家でこれを用意できない(しない)人はMercato nuovo(現在いのししがいる、革製品のお店が出ているメルカート)のアーケードに下で行商人から買ったそうです。
これがクリスマスプレゼントの始まりということですね。
そして切り株はこうして残っています
 
イタリアではやはりNatale(クリスマス)のお菓子といえばPanettoneやPandoroがメジャーですが、
特にフランス語圏の国々では "Bûche de Noël"(クリスマスの切り株?)として普及しています。
って知っていましたか?
私は40数回目のクリスマスで始めて知りましたよ。

また暖炉で火を起こすために必要だったことから、中世の頃から松ぼっくりをミラミッド型に重ねておいたのがクリスマスツリーの始まりだとか。

そして少しFirenzeのお話。
フィレンツェは昔から、すべての人が楽しくなるように金持ちは貧乏人や修道院などに贈り物をしていました。
すべての人が自分より弱い人のことを思いやっていたそうです。
24日の夜は12時近くまで門が明け放れていたそうです。
そしてその伝統はメディチの時代になっても変わることはなく、貧乏人も金持ちもイブの夜は一緒に食事をしたそうです。
今でも、最活が苦しい人たちのクリスマスの昼食が無料で配布されるのはこの風習の名残でもあるんですね。

そして最後にFirenzeでは1400年代石膏で作った職人手作りのPresepeが普及していました。
そしてなんとBuontalentiはFrancescoⅠ de' Mediciのために機械仕掛けのPresepeを作ったそうです。 
先日のVasariにしろBuontalentiにしろ、この頃のイタリア人は本当にすごかったですね。

さて、午後はバスで30分くらいのところで大きめのPresepeが見られるということなのでそちらに行ってきます。
Buon Natale a tutti!
 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
メリークリスマス (nobu)
2014-12-25 07:26:00
fontanaさん、メリークリスマス。
クリスマスにちなみ、素敵なお話しと写真を、ありがとうございます。ケーキ1つにも、いろいろな意味が込められているのですね。読んでいて、ワクワクしてしまいました。こうして、イタリアを知ることができるのも、fontanaさんのブログのおかげです。
私の周囲では、クリスマスはお祭りの傾向ですが、今年はお話しを思い浮かべて、ケーキを食べたり、音楽を聞きたいと思いました。
と、言いながら、遅くまで残業の予感です。
寒いですけれど、お体大切にしてくださいね。
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メリークリスマス (fontana)
2014-12-25 07:50:44
nobuさん
今年も色々と興味があることを見たり、聞いたりしたのに全然伝えられていない気がします。かろうじてクリスマスネタはかけたかなぁ・・・という感じで、もう次々忘れています。(苦笑)
イタリアも残念ながら最近では商業的イベント色が強くなっていますね。どんなに不景気でもイブの夕食、クリスマスの昼食は盛大で、プレゼントは欠かせないという人は多いですよ。
今年はこちら全然寒くなくて、クリスマスらしくないのですが、日本は寒いみたいですね。年末で色々お忙しいと思いますが体調にはくれぐれも気をつけてくださいね。
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