イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

La grande bellezza (グレート・ビューティー/ローマの追憶)

2014年03月04日 23時55分51秒 | イタリア・文化

今晩は、先日アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した、Grande bellezza(グレート・ビューティー・ローマの追憶)をテレビで観た。
ネタばれが少々含まれるので、知りたくない人はこの先は読まないほうがいいかも・・・

前から今日の放映は決まっていたので、余程自信が有るんだろうなぁ・・・という気はしていたけど、ライフ・イズ・ビューティフル(La vita è bella)から15年、イタリア人には悲願のオスカーだったようです。
この局は特にCMが多いので嫌だなぁと思ったものの、結局テレビで見てしまった。
そういえばRaiの受信料のことを書きましたが、友人の話では、この受信料は実はRaiのだけではなく、電波使用料なんですって。だから国民ははらう義務が有るそうですよ。
って友人がRaiに直接聞いたので、うそは言っていないと思いますが・・・

さてさて、本編に入りましょう。
始まって約1分…ショック
最初は聞き取れなかった。
だってあまりにも下手なんだもん…日本語。
なんでこのシーンが必要なのか、日本人バカにしてんのか?
いやそうではないと思いたいけど・・・

ガイドが観光客に説明をしているシーン。
私の耳がおかしい?
こんな日本語下手なガイドいないと思う。
そしてもっと腹が立つのは、観光客、日本人じゃないの。
多分全員中国人・・・最悪。
このシーンは忘れてしまいたい。

さて内容のほうですが、詳しくはお話しませんよ。
だって聞いちゃったらつまらないもんね。
ただ、さすがアカデミー賞を取るだけのことはある!
最後までも気を抜かずに観た方がいい。
実は私最後のほうで集中力が切れていたんですけど・・・
いや~この手の映画、あまり好きじゃないのよねぇ。
古き良きイタリア映画の伝統を色濃く残していて、
その中でも特にやはりフェリーのLa dolce vita(甘い生活)。
私あの映画の良さが分からないんですよね。
舞台が同じRomaということもあるけど、映画全体に流れる重い虚無感。
それとは対照的なRomaの永遠の美。
生と死、儚さ・・・
Romaのあちこちのシーンは本当に綺麗でした。
これは「どこか?」と考えながら見るには良かったねぇ。

いや、でも最後がすごかった。
ホント、この台詞がなかったらオスカーなんて取れなかったでしょうねぇ(大げさ?)と言うくらい、最後の最後に全てが凝縮しています。

主人公が
「僕はずっと最高の美を探していた、でも見つからなかった。」というと
104歳の修道女が答える
「私はずっと根っこを食べてきた。」
「なぜ?」
「根っこは重要だからだよ」

これでThe end!!

いやいや、この言葉に含まれる意味の深さ。
ここにイタリア映画の真髄を見た。
昨日の翻訳の話とも共通しますが、映画も字幕抜きのオリジナルの言語で理解できるのが幸せです。
実は以前ものすごい間違えを見つけてから、イタリア映画を字幕で観る時は自然と間違い探しみたいになってしまって、素直に楽しめなくなっちゃったんですよねぇ。

これがこの映画のテーマ。
うまいなぁ~と関心してしまいました。
ライフ・イズ・ビューティフルのように万人に共通の感動を与える映画では決してなく、
この映画を普通の(特にイタリアを良く知らない)人が観てどのような感想を持つのでしょうか???
日本公開は今年の秋とのこと。
お楽しみに!!



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