イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

情けは人の為ならず

2013年12月03日 23時07分21秒 | イタリア・大学

”情けは人の為ならず”とは、
「情けを掛けることはその人のためにならない」
という意味ではなく
「人に情けをかけるのは、その人のためになるばかりでなく、やがてはめぐりめぐって自分に返ってくる。
だから人には親切にしなさいよ!」
という教え。
イタリアにもこんなことわざがあるのかどうかは分からないけど、今日ちょっと気になる場面に遭遇。
今日は予想以上に時間を奪われてしまったので、ブログ書いてる場合じゃないんだけど(今日も勉強目標をまだ達成していないので)どうしても一言言いたい!!
ということで書きます。

午後4時。
ある書類に教授のサインをもらいに行かねばならず、図書館に本を置いたまま大学に向かう。
1時間しかRicevimento(教授との面会時間)の時間がないので、遅くとも1時間で帰ってこれるだろう。
朝リストに名前を書いた時点で9人目だったので、下手すると今日はサインもらえないかも・・・
教授と面会できるのは1週間に大体1回。
そのわずかな時間に私のような事務的なことから卒論の指導までするので、とにかく時間がかかる。
日本だったら書類にサインをもらうなんて事務方がやってくれるのにと、長年大学に勤めていた私はひしひしと日本のよさを実感。
しかし、ここで日本と比べたら私の負け。
ここはイタリア、イタリア。
比べない、比べない。
不便でもこの国が好きだからここにいるんだから。
「嫌なら帰れ!!」と自分に言い聞かせて一路自転車をかっ飛ばす。
幸い今日はそれほど寒くなかった。

4時15分、教授の部屋の前に到着。
既に数人が部屋の前で待っているものの、教授はまだ現れていないとか。
良くあることなので、別に誰も怒ったりしない。

待つこと40分、笑顔で教授到着。
あ~今日は無理かも。
と思ったら途中で教授が「全員見ます。」と
とりあえず良かった。
しかし、この後私の順番が回ってきたのは6時15分過ぎ・・・軽く2時間経過。

私、待たされている時、よく思います。
待ち時間貯金(貯時間?)ができたらいいのになぁ、って。
イタリアって本当に待たされることが多いので、待たされる度に、
「この時間を溜めておいて、試験前とか必要なときに使えたらいいのになぁ」って。
2014年は、使えなくても実際1年でどれくらい”待ち時間”が有るのか計算してみようかしら?

まぁ結局2時間半待っても用事が1度で済んだので、良しとしようと楽観的に考えることが、イタリアでストレスを溜めない最大のコツ。
2時間半無人だった図書館の席取りは申し訳ないと思うんだけど、イタリアではみんな普通にやってることなんですよね。
みんながやっているからってまねしていいのか、と言えばそれはまた別問題ですけどね。

さて、今日の本題はここから。
この待ち時間に起きた小さな疑問。

廊下で私を含めて4人の女子大生(わぉ、女子大生だって)が教授を待っていました。
すると突然ある子(Aさん)が立っていた子(Bさん)に「××の試験受けた?」と聞きました。
Bさんは「受けたけど」
Aさん「Appuntiが有ったらコピーさせてもらえないかな?」
appuntiとは授業の記録のことです。
「6日に試験を受けなくてはいけなくて、探しているんだけど・・・」
Bさん「残念だけどPCを替えたときに全部消しちゃった」
Aさん「友達で持っている人いないかなぁ?」
Bさん「いると思うけど・・・あなたが何者だかも分からないのに、友達にそんなこと聞けないよ」
Aさん「コピーさせてもらうだけだし、私が試験終わったらすぐ返すよ。なんだったら身分証明書渡すし・・・」
Bさん「残念だけど、力になれないわ」

というやり取りが交わされていた。
私は最初、どんな事情があれ、初対面の人にノートのコピーを頼むなんて変な子、断るの当たり前だよね、と思っていた。
そしてAさんは残っていた私とCさんにも同じことを聞いてきたが、残念ながら(?)私もCさんもその授業は取っていなかった。

しばらくして、突然思い出したようにCさんがAさんに話しかけた。
「FBに学科のページを誰かが開いているからそこで聞いてみたら?」と
Cさんは、さっきの話を聞いていたのだが、どうやら私とは違う意見を持ったみたい。
で、AさんとCさんのお話によると、どうやらAさんは会う人会う人にコピーを頼んでみたらしい。
でも誰も助けてはくれなかったって。
Aさんは「私が違うPaese(国という意味なんだけど、もしかしたらただフィレンツェ出身ではないという意味かも)の出身だから、みんな私に冷たいのかも」とも言っていたがCさんは「それだけではない」と否定。
彼女も意地悪されたことがあるらしい。
彼女は私と同じく40代の大学生で、やはりかなり若い子たちには抵抗があるらしい。
なんか結構どろどろしているんだなぁ・・・
そうそしてここで私の頭を横切ったのが
情けは人の為ならず!!

私は自分が外国人だからというのもあるし、どちらかというと助けを求めないタイプだし、できることは全て自分でやろうと思ってきた。
Appuntiも自分から人にコピーを頼んだことはない。
というのはイタリア人の字、読みにくいのよね。
解読するくらいなら、録音している授業を聞きなおしたほうが分かりやすかったり、人によっては事細かに、教授の咳やくしゃみまで書いているんじゃないかという子がいたりして、結局あまり役に立たない。(失礼!)
かといって自分のもどうかと思うけど・・・大事と思うことしか書いてないので、イタリア人には解読不可能だと思うけど。
ただ、他の人から録音したものをコピーして欲しいといわれれば、初対面の人でも快く受けてきた。

情けは人の為ならず。
いつかめぐりめぐっていいこと有るかなぁ・・・
それにしてもイタリア人の意外な一面を見たなぁという感じです。

ささ、残りの勉強しましょう。



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