イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Atelier Fontana-Le sorelle della moda

2011年02月28日 23時26分59秒 | イタリアのテレビ・ニュースから

更新を怠っていると、調子が悪いと思われそう・・・ご心配をおかけしております。
季節はずれのトナカイですが、皆様のお勧め、生姜紅茶のおかげで、珍しく喉の痛みがないのがせめてもの救いです。
それにしても鼻水・・・しっとりティッシュなんてないこの国では、鼻のかみすぎでヒリヒリして痛いんですよねぇ。

さて、今週は個人的に忙しい上に、来客があるので、しばらく更新できなさそうなのでこれを載せてから寝ることにします。
忙しいと言ってもその中に「ドラマを見るから」なんていうのも入っているので、何とも言えませんが。

2月27、28日の2夜連続Rai1でAtelier Fontana-Le sorelle della modaというドラマが有りました。
これ実話を元にしています。
実際イタリアファッション界で活躍中のMicol Fontanaさんとその姉妹がモデル。

内容をかいつまんで説明すると(かいつまんだはずだけどかなり長い!)
1930年代、Parmaの片田舎で縫製屋を営んでいた家族に3姉妹がいた。
彼女たちは幼い時から、ファッション界を夢見、母の大事な高価な生地で人形の服を作り、母を怒らせていた。
成長し、母の仕事を手伝うようになった彼女たち。
母は長女、Zoeをかわいがり、3女Micolには冷たい。しかし、彼女のセンスは姉たちよりも優れていた。
Micolaは生地屋(生地屋は得てしてお金持ち。サン・フランチェスコも生地屋のボンボンでした。)の息子Enricoと恋に落ちるが母は反対。
更に身分違いの娘、MicolにEnricoの父は手切れ金を渡し、別れるように言う。
怒ったMicolは自分から別れを告げ、これを機に大都市に出て、自分たちの夢、モードの世界を手に入れるためにRomaに行こうと姉たちを誘う。
反対する母、しかし娘たちの"冒険"を応援する父の言葉に母も納得せざるを得なかった。

Roma
Mazzocchiのアトリエに入ったMicolとGivanna(次女)だったが、Giovannaは奴隷のような仕事に耐えられず、家事を引き受ける。
Zoeもまた別のアトリエで働く。
Mazzocchiは美しいMicolに妙な気を起こす。
そんな仕事に疲れている頃、Micolの前にEnricoが現れ、二人は周囲の反対を押し切って結婚するが、幸せな期間はそう長くは続かなかった。
MicolはEnricoの子供を生み、一人で育てていくことを誓う。

そんな折、MicolはMazzocchiの最上客、principessa Caetaniの仕事を任される。
しかしMazzocchi自身ではなく、いちお針子のNicolに自分のドレスを作らせたことを知ったCaetaniは激怒。
新しいドレスを持って彼女の元を訪れると、彼女からは予想外にドレスを直接買い取ってくれた。
更に新しいアトリエ兼住まいになるアパートの交渉も引き受けてくれた。

順調に行っていたように見えた仕事も、戦争の影響を受けざるを得なかった。
Romaは空襲にあい、被害を恐れるMicolは子供を実家の両親に預けるが、そこにEnricoが現れ、子供を連れ去る。
そしてこの日初めてのファッションショーがMicol不在の元行われ、大成功を収める。
ここまでが昨晩の全編のあらすじ。

そして今晩は
子供を連れ戻しにEnricoの実家に踏み込むMicol
子供は無事手元に戻るが、この経験がとらうまとなる。
彼女の両親は意を決し、Romaの近くに住み、娘たち、孫たちを助けることにした。

数年後、戦争も終わり平和の時代が訪れるが、彼女たちの仕事も恐慌のあおりを受ける。
そこで偶然ハリウッド女優Linda Christianとめぐり合い、一気に彼女たちの仕事が増える。
仕事に負われるMicolは子供をGiovannaに託す。彼らはヴァカンスで海へ出かける。
翌日、海へ向かった子供ではなく、隣の家にいた医者の卵から電話、子供の様態が悪いのですぐにこちらに来るよう言われる。
そこで子供はチフスの疑いがあるということで急ぎRomaに戻るが、あっけなく死亡。
早期に医者を呼ばなかったことでGivannaを責めるMicol
姉妹の間に深い溝が出来る。

「もう仕事に戻らない」と宣言したMicolに新米医師、Leonardoは「(あなたの場所へ)戻る為に旅をしたほうがよい」と助言
MicolはハリウッドのLindaの元へ向かう。
スーツケースにはZoeとGivannaが彼女たちのドレスを忍ばせていた。
その衣装を見たLindaはここハリウッドでファッションショーをやろうと提案、足りない衣装をイタリアから送ってくれと電話で頼むMicolに
姉妹たちは、時間がないからMicolが作れと言う。そのために姉たちはスーツケースに裁縫道具まで忍ばせていた。

イタリアに戻ったMicolを待っていたのは、姉妹のかねてからの夢だったRomaのスペイン広場近くのアトリエだった。
そして、Micolがイタリアに持ち帰ったのは、イタリアン・モードをアメリカ人に広めることだった。
融資を申し出たイタリア人の条件は、フランスのスタイルを追うのではなく、100%イタリアのスタイルの衣装を作ることだった。
大きな仕事にしり込みをする姉妹に母は
「敵はフランスではない。あなたたちの本当の敵は、自分たちに打ち勝つことだ。」
「無理かもしれないと思っても、辛いと思っても、今までも自分たちと戦ってきたのでしょう?」と諭す。

1951年Firenze
ショーは大成功に終わり、アメリカの新聞でも彼女たちのことが大きく取り上げられた。
MicolとLeonardoは愛し合うようになっていたが、正式に離婚手続きを踏んでいないMicolは再婚することが出来ない。
そんな時、彼女たちの活躍は法王にも認められ、謁見する機会がもたれた。
謁見後、母はMicolのために法王に手紙を書き、再婚の許しをもらう。
ドレスだけでなく、普通の女性が着られる服を作ることを決心した姉妹を母は暖かく見守る。
順風満帆に見えた彼女たちに影を指したのは、母の体調不良。
程なく母はこの世を去る。
彼女たちのアトリエは100人を超す従業員を雇う大企業に発展する。

最後のシーンでは現在97歳になるMicol本人が登場。
MicolとLeonardoの結婚式、海でバカンスを楽しむ幸せそうな二人のシーンで終了。

もちろんドラマ自体はフィクションなんですが、事実に基づいて作られているらしい。
60年代のイタリアファッション界の中心だったブランド。
女性が手に職を持ち、子供を抱えて働くことが、今よりもずっと難しかった時代。
実際フランスの有名デザイナーの嫉妬を買ったりしながら、イタリアモード界がフランスと肩を並べられるレベルにまでなる一役を買った人たちだと思う。
この時期にこのドラマを放映するのは、昨今盛り上がっている(言い方悪いかな?)「女性の権利を守る為の抗議運動」のせいかなぁ?
と深読みしたりして。
実際のMicol Fontanaが知りたい方はこちらのオフィシャルサイトをご覧下さい。
ちなみにこのMicol役の女優は超売れっ子だなぁ・・・Alessandra Mastronardi
結構好きかも、この子。
ファッションに興味がある人もない人も(現に私)も楽しめるドラマです・・・日本から見られかな?
ともかく、久々にとても面白いドラマだった。
ゲッ、1時だ。あ~もう寝なきゃ

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