昨日ご指摘があるまですっかり勘違いをしていたフレスコ画の青問題。
そうですよねぇ、ラピスラズリは高すぎますよね。
で、その代わりに一般的使われていたのがazzurrite(アズライト)だ、と言われてちょっと探してみたんです。
実は、記事を読むまで知らなかった…
San Lorenzo(サン・ロレンツォ教会)のSagrestia vecchia(旧聖具室)にある。
旧聖具室はBrunelleschi(ブルネッレスキ)とDonatello(ドナテッロ)の手による。
これと対になるように作られたSagrestia nuova(新聖具室)はMichelangelo(ミケランジェロ)の彫刻で有名で、どちらも入り口はCappelle medicee(メディチ家礼拝堂)
この scarsella(スカルセッラ)と呼ばれる後陣の四角い部分(昔Scarsellaはフィレンツェでは「鞄」特に「お金を入れる革製の鞄(巾着?)」を指していた。)のCupola(丸天井)に描かれているのがこれ。
これがまさにAzzurrite(アズライト)と金、濃淡で明暗を表して描かれたフレスコ画。
アズライトは比較的安価なのだが、漆喰とは相性が悪くちょっと技が必要だったようです。
この天体図は1440年代初期に作られたもの。
作者はGiuliano d'Arrigo(ジュリアーノ・ダリーゴ), 通称 il Pesello (ペセッロ1367 – 1446)
この人、分からない部分の多い画家だけど1420年のDuomo(大聖堂)のcupola(丸天井)設計のコンテストに参加している。
天文学者のPaolo dal Pozzo Toscanelli(パオロ・ダル・ポッツォ・トスカネッリ)の指示で描かれた。
北半球の天体がきちんと線が引かれて描かれていることから、天文学の高い知識が伺われる。
さて、ではいつの空なんだ?
一説には1442年7月4日と考えられている。
これはというのも1984年から89年の修復をきっかけに調査が行われ、この天体図1442年7月4日の夜空を表していることがわかった、というのだが???
1442年、フィレンツェにとって一番重要な行事はRenato d'Angiòが訪れたことだった。
Renato d'Angiòとはフランス王族ルネ・ダンジューのことで、1435年に亡くなったナポリ女王ジョヴァンナ2世の遺言でナポリ王位を継いだルネだったが、その後正統性を巡ってAlfonso V d'Aragona(アラゴン王アルフォンソ5世)と争い4年に渡ってナポリでアラゴン軍と戦うも敗北。
ナポリ王位を手放す形で1442年にフランスに戻る途中、同盟者を探すためフィレンツェだけではなく、ローマの教皇、ミラノのスフォルツァ、ジェノバにも寄っている。
しかしルネがフィレンツェを訪れたのは7月19日で、フレスコ画はこの日の天体の様子とは異なる。
その頃のフィレンツェにとって重要な行事は?
1431年Concilio di Basilea(バーゼル公会議)がFerrara(フェラーラ)→Firenze(フィレンツェ)と移動してきて、フィレンツェ公会議が開かれたのが1439年、合同教令「レテントゥル・チェリ」 (Laetentur Coeli) を採択したのが1439年7月6日で、キリスト教にとってもこの日にちは大切。
更に1439年7月6日の10時30分の太陽と月が、まさにこのフレスコ画と同じ位置に有った。ただし、5つの惑星の位置が合わないので、この日も???
更にもう1つ。
フレスコ画に描かれたように黄道としし座の位置がこのように目立っていたのは1438年までだという。
(天文学は門外漢なので、書いてることがおかしかったらごめんなさい)
ということで、いつの空かは未だに謎。
そしてこの話は明日へ続く。
参考:Wikipedia
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コメントありがとうございます。
ロシア行きたいです。いつ行けるようになりますかね…
バレエ良いですね。羨ましいです。
マラカイトは孔雀石とも言われています。サンクトペテルブルグにある冬の宮殿には孔雀石の間(マラカイトの間)と言われている部屋があります。実は、去年の10月にここに行きました。
ラピスラズリが高いのは高品質のものを多く取れる場所が限られているからでしょうね、たぶん。
私、オペラも見ますが、バレエも見ます。きのうはドン キホーテを見てきました。