イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ゴッホ展ー東京都美術館

2021年10月31日 13時50分12秒 | 展覧会 日本

久々に都内へ
お天気も良かったので、新宿湘南ラインも非常に混雑。
マスクを顎にかけたままのおじさんとかもいて、再感染爆発嫌だなぁ…とちょっと暗い気持ちに。

上野駅降りても人込み。
いや、コロナ前の土曜日ならたぶんもっと混んでいただろうから、やはり影響は残っているかも。
そして混んでるかなぁ…と思いながらも東京都美術館へ。

「ゴッホ展」
時間制の入場だけど、並ぶかなぁと思って15分くらい早めに行ったけど、列無し。
たまたま立っていた場所に看板がやってきて、一番前になったので

すんなり時間前に入場出来た。
入場制限しているとはいえ、ゴッホですから、ということでこみこみ覚悟だったのに意外と空いてた。
もちろん、ゴッホなのに、という程度の空き具合。
でも土曜ですからねぇ、空いてるでしょうこれは。

ポンペイ展も日本で何度目?ならゴッホ展だって一体何度目よ?
会場で流れていたビデオで知ったけど、日本初の「ゴッホ展」は1958年で東京国立博物館と京都市美術館で開催され、連日会場には1万5000人から2万にが訪れたという。
ビデオにはその様子も映っていたが、ネット上に資料はなさそう。
その時の主催はクロラ=ミュラー美術館だったのだが、今回も同じく「クレラ―=ミュラー美術館」のコレクションで構成されている。美術館の表記はいつ変わったんだろか?

オランダのクレラ―=ミュラー美術館には2015年に行っています。
珍しくちゃんと記事を書いていましたが、今読んだら結構愚痴も多い…すみません。
そして食べること多い。
https://blog.goo.ne.jp/fontana24/e/70d6f5ee4195067062a5a64817b3b56e
https://blog.goo.ne.jp/fontana24/e/c3343ae346f9611dd62a03672886b3a1
あ~気持ちの良い美術館だった。
あのブレーキのない自転車に乗りたい。
「2度と行けない」と書いていたけど、また行きたいなぁ…

さて、作品ですが、現地で見たものも見てないなぁというものも色々ありましたが、今回一番気になったのがこれ。

写真:Wikipedia
ゴッホではない、ヨハン・トルン・プリッケル(Johan Thorn Prikker「プリッカー」と表記しているサイトも多いが今回はゴッホ展の出品索引の表記に合わせる。)というオランダの画家。
現地ではこの作品見た記憶がないのだが…
「花嫁」というこの作品のキャプションを読んで驚いた。
いや、読まなきゃ分からなかったよ。
この絵には十字架上のキリストとベールをかぶった花嫁が描かれていて、背景にはゴシック建築が見える。
描かれた花は、開花前の百合で、聖母マリアとキリスト受難を表していると。

この花を百合とみるのはどうなの?と思ったら「花嫁の衣装を飾るチューリップや蘭の花のモチーフなどに、当時流行していたアール・ヌーヴォーの影響が見られます。」(引用:http://culturefukudai.blogspot.com/2018/07/blog-post.html)という専門家の意見もあった。
これやはり「ピエタ」なのかなぁと。教会、キリスト、聖母…う~ん、深いな。
この絵について知りたくて、カタログ買っちゃいました。

もう1つ気になったのがこれ

写真:Wikiart
こちらはゴッホの素描「コーヒーを飲む老人」
この作品のキャプションに「鉛筆による素描に牛乳の定着液を吹きかけることで、黒を滑らかに変化させた」とあったのだ。
おお、出たこの乳製品の定着液の話。
そうかぁ、鉛筆には使えるのか。ふむ。
う~ん、やっぱりゴッホ展は何度見ても良いし、何度見ても新しい発見があるなぁと。

そして今回考えたのはコレクターの信念。
コレクターの中には、例えばアルバート・C・バーンズ (Albert C. Barnes) のように死後も遺言によって非公開、非複製、売却禁止と人目に触れないようにする人もいるが、ヘレン・クレラー・ミュラー(Helene Kröller-Müller)のようにより多くの人にゴッホの魅力を伝えたいと自分のコレクションを喜んで貸し出す人もいる。
彼女が残した功績は大きく、おかげでヨーロッパから遠く離れた島国で暮らす私たちも生でゴッホを見ることが出来るのだ。
奇しくも彼女の功績は、ゴッホの作品の価値の高騰のきっかけとなり彼女の蒐集の妨げになってしまったが。
またゴッホが生前にこのようなコレクターに出会えていたら、彼の作品も違ったものになっていたのだろうか?

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
2021年12月12日まで
日時指定予約制
https://gogh-2021.jp/



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