イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

奇跡と運命

2009年04月08日 17時11分05秒 | イタリアのテレビ・ニュースから
地震から2日
余震が続くL'Aquilaはゴーストタウンと化している。
死者は250人に達した。
そんな中、生存者の捜索が続いている。

テレビを見ていると、生存者の口から"miracolo"(奇跡)という言葉が聞かれる。
「マリア像が私を救ってくれた」と語る初老の女性。
被害の一番ひどかったCasa dello studente(学生寮)から昨日救出された女学生、彼女は建物の下敷きになった。彼女の隣には、建物に押しつぶされ、既に動かない友人とずっと一緒だったとか・・・
彼女の気持ちを考えると、涙をこらえることが出来ない。
奇跡、運命というものはあるのだろうか???

この建物は街でも比較的新しいもの。
今も背後から流れる地震関連のニュースからは、耐震構造の話しが流れている。
「日本やカリフォルニアなら、これほど死者はでなかった」と地震が起きた直後から言われている。
イタリアはアペニン山脈に沿って地震の危険性が高く、80年代に起こった震災から、耐震構造の必要性が考えられていた。
1997年のUmbria地方の大震災。この後でも結局実際にCatena sismica(耐震用の壁体補強金具)を取り付け始めたのは、1年数ヶ月前から・・・

地震と共存する為にはどうしたらいいかのか、日本だけではなく、イタリアにとっても大きな課題なのである。
このすばらしい遺産を守る為に、そしてそこに生きる人々が安心して生活できるように・・・


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