イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

PapaとMaggioのCarmina Burana&Don Giovanni

2013年02月11日 23時58分39秒 | イタリア・音楽

一週間のご無沙汰です。
先週はいろいろ有ったのでそろそろ時間を見つけて更新しようと思っていた矢先、とんでもないニュースが飛び込んで来ました。
Papa(教皇)退位!!
キリスト教信者の少ない日本ではあまりピンと来る話ではないと思いますが、これ世界を揺るがすすごいことなんですわ。
なんせこちら本場ですしね。
今朝まで選挙の話で持ちきりだったのに、一転してニュースはほとんどこの話です。

いや~私は個人的にこれって出来ないものだと思っていたんですよ。
あっ、教皇の自主的な退位ね。
だって前Papa(教皇)Giovanni PaoloⅡ(ヨハネ・パオロ2世)はパーキンソン病を患っていて、何度も退位を申し出ていたのに、それが許されず、2005年神の国に召されてしまった。
アレから8年。
2度目のコンクラーベはイタリアでは見られないかも、と思ったこともあったけど、結局3月、また歴史的瞬間に立ち会うことになりました・・・って別に生で見に行くわけではないですよ。
それだけではなく、700年以上なかった、Papa自らの退位が見られるとはねぇ。

いや、イタリア人ですらPapaが退位できるなんて思ってなかったようです。
だって、かつて生きているPapaが退位したのはかれこれ700年以上も前の話。
なぜか日本の報道では600年前のグレゴリオ12世と記載されているところが多いけど、何で?
こちらの報道では
Le dimissioni di Benedetto XVI non hanno precedenti nella storia recente della Chiesa. Per trovare un altro papa dimissionario si deve risalire a Celestino V detto Pietro del Morrone (Molise, fra il 1209 ed il 1215 - Fumone, 19 maggio 1296). Fu il 192* papa della Chiesa cattolica dal 29 agosto al 13 dicembre 1294.
つまり1294年、192代教皇のCelestino Ⅴ(ケレスティヌス5世・・・なんて読みにくい名前だ)以来と言われています。
このことはダンテが記していますしね。
ということで、約720年前、というのが正しいんですけど・・・

理由は年齢。今のPapaは御年85歳ですからねぇ・・・
天皇陛下は1933年生まれ、あら~こちらも80歳なんだ。
更にこのCelestino Ⅴも調度85歳くらいで亡くなったとされ、またこれも運命を感じさせるなんて話も聞こえます。
まぁニュースのインタビューを見ていても「普通60歳、65歳で引退するのに、あの年齢まで、あれだけの激務をさせるのは無理だ。これは正しい選択だ」という声を結構聞きました。
一説には既に大病を患っているのでは?
といううわさも有りますが、先ほどの特番ではヴァチカン関係者が全否定していました。
キリスト教世界があの肩に乗っているわけですからねぇ・・・
時期Papaは確実にPasqua(パスクワ、復活祭)、つまり3月末までには決まるでしょう。
誰になるかは・・・私には全く検討もつきませんわ。

まぁ次こそ黒人のPapaなんて話もないこともないですがねぇ。
イタリア人的には2代連続で外国人Papaだったので、そろそろ・・・と望む声も強いようですが。
個人的には24日、25日に選挙も控え、何もこの時期に当てて来るなんて何か裏があるんじゃ???なんて勘ぐってみたりして。まぁ所詮素人考えですがね。
まぁとにもかくにも大騒ぎなイタリアです。

さて、誰もが今日こんなことが起こるなんて想像もしていなかったわけですが、先ほどニュースでも話をしていたPresidente Napolitano(イタリア大統領のナポリターノ)が最後にPapaに会ったのが先週のコンサートということで、無理やり話をこちらに持っていきますよ。

先週ヴァチカンで行われたコンサート、実はこちらFirenzeのMaggio fiorentinoとZubin Mehtaが演奏しました。
確か「運命の力」だったと思います。(今確認したけどそうでした)
「このコンサートでPapaに会った時は、次回は私がこの席にいないと思っていたのに」と言葉を詰まらせておりました。
これが2月4日
で、先週はFirenzeでDon Giovanniの公演が4回。
そして、8日はCarmina Buranaが有ったんです。

いやいや、多分楽団員はそれぞれ違うんでしょうが、指揮者は1人。
よく働くな~と感心しましたよ。
そして私はヴァチカン以外の2公演を楽しんだ、というわけ。
いやいや、本当に自分の置かれている環境はすばらしい~!と思った1週間でしたよ。

8日のCarmena BuranaはいつものCentro(中心街)の劇場ではなく、郊外のMandela Forumという場所だったので、ちょっと悩んだのですが、8時半スタートで、演奏自体は1時間、ということで、バスでもOKということが分かったのでチケットを買いに行ったら、なんと最後のチケットでした。
普段から考えるとちょっと高いけど、まぁこんな機会もそうそうないので、買ってしまったわけですが、これホントよかった。
予想以外にバスがなかったので、大慌てしたのは失敗でしたが、結局開演が30分遅れていたので、慌てる必要はなかった・・・

いやいや、何がすごいって、とにかく演出がすごい!!
お子さんはご遠慮ください・・・っていうくらいエロかったです。
公式発表では一晩の公演だったのに、6500人が観た(聞いた?)そうです。
ここそんなに人はいるんだ・・・
友人で音楽をやっている子が「何であそこでやるのか?何で1日しかやらないのか?」と憤慨していましたが、何故なら彼女はチケットが手に入らなかったもので・・・
それはひとえに人を集めるためでしょう。
公演増やすと、価値が下がるしね。
実際空席なかったもんなぁ・・・

6500人も入るのかな???
雰囲気としては代々木体育館や横浜アリーナみたいな感じなんです。
クラッシックのコンサートにはあまり向かないと思う。
って調べたらアリーナが11000人収容可能、代々木体育館は13000人のようですね。
なら6500人くらいは入るなここ。

これ既に開演時間を過ぎております。
結局始まったのは9時でした。

本当に音が悪い。
幸い席がかなり前だったのでいいんだけど・・・
これ↑が最後のシーン
しまった、写真見ただけで曲が頭を・・・

そしてこの後大サービスでアンコールが
ちょっとピンボケですが動画撮りました
<!-- Carmina Burana -->

Carmina Buranaというタイトルを知らなくても、この「おお、運命の女神よ(合唱)」O Fortuna (Chorus)は聞いたことありますよね?

いやいや、本当に良かったんですよ。
更に私は昨日(日曜日)いつもの劇場でDon Giovanniも見たわけです。

いや~こちらもよかったねぇ。
昨年までのゴタゴタがうそのよう。
舞台もすごく良かった(お金もかかってただろうなぁ・・・)

たまたま日本から遊びに来ていた友人の為にチケットを取ってあげたんだけど、なんと一番前の席だったて。
いや、一番前って話は聞いていたんだけど、まさか本当に一番前とは思ってなかったのよねぇ
だってチケット70ユーロ(私はシーズンシートを持っているので、1割引きになるんだけど)で最前列。
これ日本だったら5万?10万?
いやいや本当に恵まれた環境です、はい。
初めてのオペラ鑑賞だった友人も大喜びでした・・・ってそりゃあねぇ。
役者のつばのかかる位置だったそうです。
私は・・・遠かった。まぁチケット安いですからね。
で、こちらの公演もチケット完売だったのよ。
Maggioを密かに応援している私としてはうれしい話ですが、チケットが手に入りにくくなるのはいやだなぁ・・・とお客は贅沢なものです。

素人の私が偉そうなことは言えませんが。初心者にはモーツアルトって、分かり安くていいよね。
個人的にはどたばた劇がいまいちなんですが(私は何度も言っていますが、重めのVerdiが好き)他の作品と一味違って、Don Giovanniはひねりが効いていていいねぇ。
勧善懲悪・・・そしてあそこで終わらないのがモーツアルトって感じですが。
Don Giovanniもカッコよかったし・・・って私の席からはあまり見分けつかないね。
そんなこんなで先週は本当に音楽三昧の贅沢な一週間でした。
えっ、試験勉強?
ひ~またお腹痛くなってきた・・・



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