イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

なぜ12月8日にクリスマスツリーやプレセピオを飾るのかーイタリア

2020年12月02日 16時32分06秒 | イタリア・文化

昨日フライングしてPrsepio(プレゼピオ)のアドヴェントを飾ったという話をしましたね。
2日目はこれ。

ヤシの木が出て来ましたよ。
昨日友人に写真を送ったら「かわいいけど、日本で買ったの?」と聞かれました。
さすがに日本でプレゼピオは、まだまだ一般的ではないよね。
自称日本プレゼピオ協会会長の私(既に存在したらごめんなさい!)、この時期ヨーロッパに居れば新しいコレクションを探していました。
これはまさに一目ぼれ!!
そう、その時も思ったんだ、これ、おフランスでした。(製造は中国ですが…)
こういうセンスは宗教色が濃いイタリアにはないかなぁ、という気もします。

さて、お菓子の話題がまだ残っているのですが、ふと昨日このプレゼピオのことを書きながら、「なぜ12月8日に準備するの?」ということが気になり、今日は再び脱線です。

12月8日はFesta dell' Immacolata(無原罪の御宿りの祝日)。
この「無原罪の御宿り」に関しては長年勘違いをしていたことを恥をさらして2016年のこちらの記事に書きました。
書きっぱなしですっかり忘れていたのですが、数日前ある方(キリスト教徒なのだと思います)からコメントを頂き、改めて間違いを訂正し、読み直したんです。

12月8日は聖母マリアの母アンナが懐妊した日
「無原罪のマリアをアンナが御宿りした日」でしたよね!
聖母マリアが懐妊、受胎告知されたのは3月25日ですからね!

軽く脱線。
今回この記事を書くときに検索かけたらこの記事にひっかかったんです。
最初は私が2016年に書いた内容と似ていたので、もやもやしました。
というのもイタリア語の世界では知らない人はいないのではないかというほど有名な坂本先生の記事だったのですが、内容がちょっと残念だなぁ、と。
失望したのは、よくためになるコメントを頂く山科様のブログに取り上げられていたこれらの記事のせいかもしれませんが…
文法書はイタリア語学習者のバイブルなんですけどねぇ。

閑話休題
一般的にイタリアではこの日にプレゼピオだけでなくクリスマスツリーも飾ります。
意外に思われるかもしれませんが、ツリーも飾ります。
ツリーもプレゼピオも飾る家も有れば、どちらかという家も有りますが。
プレゼピオやツリーを飾る理由は過去のこちらの記事をご覧ください。

じゃあなぜこの日なのか?
1つにはこの日はクリスマス期間の最初の祝日だから。
一般的にこの日は家族が家にいるから、みんなで作業というのがやりやすい。
そしてもう1つはこの「無原罪の御宿り」の日が、キリスト教の一番重要な出来事である「キリスト誕生」につながる幕開けだからなのです。
キリスト教徒でない私たちにはいまいち分かり難ところですが、キリストの祖母アンナが無原罪の子マリアを宿ったからこそ、キリストは誕生した、つまりここが全て始まりなのです。

”すべて人は原罪という弱さと汚れから免れることができません。ただ、神の母である、おとめマリア、聖母マリアだけは神の特別な恵みにより、その受胎のときからこの原罪の汚れを免れていました。”

原罪とはアダムとイヴが犯した罪のことで、人間の祖である彼らの罪を私たちは生まれながらに背負わされています。その罪を自らが十字架にかかることで贖ったのがキリスト、「キリストによる罪の贖い(あがない)」というキリスト教の基本の理念です。
(引用・参考:https://tokyo.catholic.jp

だからマリアが受胎告知された3月25日より、そのマリアが宿った日の方が重要で、3月25日は祝日ではないけど12月8日は祝日、という重要性の差も出て来るのではないでしょうか。(あくまでもこれは私見)

ただ8日に飾りつけをしない場所もあります。
例えばBari(バリ)
バリは12月6日、街の守護聖人でもあるSan Nicola(聖ニコラウス)の日に飾りつけをします。
聖ニコラウスはサンタクロースのモデルとも言われる聖人。
聖ニコラウスがなぜサンタクロースになったのかは、こちらの記事が詳しいのでどうぞ。
またミラノでは12月7日、こちらはSant’Ambrogio(聖アンブロシウス)の日。
この日は毎年ミラノオペラ座のシーズン初日です。(今年は多分中止…)

ある記事にはキリスト教的には第1アドヴェントの日曜日か12月8日の無原罪の御宿りに飾りつけをするのが一般的とあった。


これは昨年のヴァチカンのプレゼピオ&ツリー
モミの木は人口およそ2000人しかいない小さな街Altopiano di Asiago(アルトピアノ・ディ・アジア―ゴ)から軍のヘリコプターの助けを借りてRomaまでやって来た。高さはおよそ26メートル。
プレゼピオは木製で、Trenro(トレント県の)Scurelle(スクレッレ)から来ていた。
このエリアは2018年の暴風雨で多大な被害が出た地域だった。
あれ?
でも去年お披露目とツリー点灯が有ったのは12月5日になってる⁉

参考:https://www.vaticannews.va/it/

で、今年のはどうやらこれになるみたいなんだけど、お披露目は12月11日の予定。
新型コロナウィルス対策でかなりセレモニーは縮小されるみたい。

Abruzzo(アブルッツォ州)のTeramo(テラモ)で作られたCeramica(陶器)のプレゼピオとツリーはスロヴェニアの南東のモミの木28メートルが飾られるらしい。
写真・記事:https://www.acistampa.com/

あれれ?
第1アドヴェントでも8日でもないけどヴァチカンが。
ははは、じゃあ結局いつ飾ってもいいのかな?



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