3連休最終日、再び暑くなりましたね。
さて、今日はしばらく放ったらかしになっていた長崎のお話を。
何で放っておいたのかと言いますと、分からなかったから。
いや、結果今も分からないんですよ、誰なのか。
でももう載せちゃいます。
世界遺産に認定された翌日、大浦天主堂の前には主に地元のテレビ局ですかね、マスコミが何社か集まっていました。
青空に真っ白な教会が映えています。
入場料が1000円というのは驚きですが、仕方がないですかね。
とりあえずここでもらえる教会説明の冊子は非常によくできているので、それは読んだ方がいいです。
でっかいソテツ?なんか日本ではないみたい。建築当時の面影はなくとも、やはり美しい。
外国人居留地に初めて建設された大浦天主堂は、日本人から「フランス寺」と呼ばれていました。
実はフランス人がそれほど布教熱心だったということは今回まで知りませんでしたが、1865年の教会完成時、フランスは欧米諸国の中でも特に力を持っていて、キリスト教の布教活動にも熱心でした。
禁教期、日本にはもうキリスト教信者はいないと思われていましたが、1865年3月17日、この教会で隠れて信仰を守って来た信者が発見されます。(信徒発見)
この吉報は世界中のカトリック世界を駆け巡ります。
そしてこの中央に有る聖母
信徒発見の翌年、浦上の貧しい信者たちが大金を持ってきて、「天主様とマリア様にささげるのです」と言ったそうです。
このお金でプティジャン神父はフランスに聖母像を注文します。それがこの聖母です。
フランス生まれ、日本育ち、長い間ここから長崎の街を見守ってきました。
教会内は撮影禁止のため、ずるして外から望遠でこっそり撮らせていただきました。(ごめんなさい)
私の一番の興味は天井。
いわゆる「こうもり天井」と言われるリブ・ヴォールトをどうやって作っているのか。
ヨーロッパは石の文化なので、石を積み重ねて作っているのですが、これは明らかに木製。
これ、日本の当時の建築技術を最大限に生かし、木を継ぎながら丸みを出したそうなんです。
私、この説明をテレビで図解で見たのでわかりやすかったですが、文章で説明するのは非常に難しいですね。
とにかくこれは日本、いや長崎独自のものでは?
ということでこの番組を見てすぐ「この眼で見たい!」となって飛んで行ったわけです。(読んでいる人には分かりにくくて申し訳ない)
とにかく見慣れた柱なども、もちろん全部木製で、柱頭には葡萄の装飾が施されるなど非常にレベルが高いんですよ。
(ごめんなさい、外から望遠で撮りました。)
日本の初期西洋建築の傑作の1つです。
教会建築を指導したのはフランス人神父たちですが、大工は日本人。
その棟梁は天草出身の小山秀之進。
この方は「くまもん」のプロディースや「おくりびと」で有名な脚本家の小山薫堂なんだそうです。
バラ窓なども良い感じです。こちらは改築前の天主堂のシンボルだそうです。
建築もステンドグラスも素晴らしいのですが、一番気になったのがこれ。
教会内は撮影不可なので、写真はこちらより拝借しました。
「26聖人殉教図」です。
1597年2月5日、フランシスコ会の宣教師、イエズス会の修道士、信者など合わせて26人が十字架にかけられ殉教するという大規模な迫害が行われました。後の1627年から29年に26人は福者になり、(カトリック教会において,死後その司牧活動や殉教などの聖なる生涯のゆえ信徒の崇敬の対象となることを教会法に従って認められた者。)1862年には聖人に列せられました。
そんな背景からこの大浦天主堂はこれらの聖人に捧げられ、教会は殉教した丘、西坂を向いています。
殉教の一場面を描いたこの絵なのですが、このオリジナルは内陣の右壁に飾られていて、非常に見ずらいのですが、複製が隣接する旧羅典神学校の展示室に展示されています。
ここは1873年禁教が解かれた後に建てられた神学校で、1875年完成。
フランス人のド・ロ神父(この人は重要だから覚えていてね)の設計・監督で作られた、日本初の木骨煉瓦造りで、1926年まで
ラテン神学校校舎兼宿舎として使われていました。
見逃してしまいがちですが、出口近くにあるこの階段素晴らしいですよ。
(無料配布冊子より)
入ってすぐにオリジナルの半分の複製品が飾られているのですが、その説明によると、これフィレンツェの女流画家の作品だというのです。
名前はC.Thorel(トルエ)
誰?誰、誰?
ということでちょっと探したのですが見つかりません。
大体この苗字、イタリア人じゃないよな?イタリア語に”H”は入らないし、子音で終わることもないし。誰なんだろう???
何でも教会建設のリーダーだったフランス人司教ベルナール・プティジャン司教が1869年ローマ滞在時に依頼したものらしいのですが…
ローマ滞在時にフィレンツェの画家に?
ホントにフィレンツェの画家なのかなぁ?
とにかく手がかりがありません。残念!情報が有ったら教えて下さいませ~
神学校の隣の旧大司教館
どちらも興味深い展示品がいっぱいありました。
ここを訪れた後、遠藤周作のキリスト教関係の作品を手あたり次第読んだのですが、特に「女の一生」には大浦天主堂の記述が非常に多いので役に立ちました。
最後の売店では。
朝、オープン前に店員さん総出で貼った「世界遺産登録」シールが輝くお土産。
前日はなかったんですよ、このシール。
私はこの缶欲しさにこの金平糖を買ってしまいました。
結局ここに2時間弱いたことになり、予定がどんどん押していったのであります。
もうツアーなどで団体行動は出来ないなぁと切実に思ってしまいます。
最新の画像[もっと見る]
- 2024年の終わりに 2週間前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 5ヶ月前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 2年前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 2年前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 2年前
コメントありがとうございます。
26聖人記念館に行った塔を見てびっくりしました。私も絶対ガウディに1票です!!
ガウディのサクラダファミリアや ル・コルビジェの影響があるといわれてます。まあ、あの塔はガウディですね。
コメントありがとうございます。
私も見慣れた教会とは違ったので、かなり衝撃を受けました。この後何軒か教会を訪れ、更に驚きました。東京などのように完全に西洋の建物のマネをしたのではなく、キリスト教を独自の宗教にしていったように、西洋の文化をうまく日本の文化に取り入れていったことが分かって非常に興味深かったです。
欧州で木造教会というと、ノルウェーの特異な様式ヴァイキング風の20以上あるSTAVE CHURCH ぐらいですかね。他では東欧・ロシアの田舎の正教会にはあるような気がしますが、映画でみたぐらいで具体的には知りません。他にもあるのかな。