3月30日の天声人語で現在葉山の神奈川県立近代美術館でフランシス・ベーコンの展覧会をやっていることを知った。
記事は展覧会のことというよりも会期中に出された緊急事態宣言のあおりをくらった美術館が再開し、筆者がそこを訪れ「その実物に、ほかの愛好家と並んで対峙する喜びはやはり何物にも代えがたい。鑑賞という営みの原点に立ち返った。」と結ばれていた。
緊急事態宣言は解除されたものの、大阪他で感染者拡大に伴い「まん延防止等重点措置」が発令され明日からは東京もということで、不要不急の外出は少々気が引けるが、やはり気になるので閉会前日の昨日出かけてみた。
今回は他にもちょっと寄り道しようと思ったので、京浜急行電鉄が出している葉山女子旅切符を利用した。(「女子旅」という名だが、男性も利用可)
京急線各駅からの往復切符とバスの乗車券(エリア限定)にお昼ご飯とお土産が付く。
バス代が結構かかるので、途中下車したりすることが有る時はお得なのでこの切符を買うことにしている。
お土産特典で神奈川県立近代美術館の入場券にも引き換えが可能。
私はいつもお土産には葉山旭屋牛肉店の葉山コロッケ7個に備長炭で焼いた焼豚200gを頂いている。
焼き豚だけでも1000円超えるので、これはかなりお得かと。美味しいのは言うまでもなく!!
9時半、「元町」でバスを降り、ほぼ開店と同時に”お土産”をゲット。
次のバス停まで歩いてバスに乗り美術館へ。
どこの美術館もそうだけど、入館には事前予約が必要。
見終わった感想は、同時開催されていたこちらの美術館が所蔵している作品を使った「イギリス・アイルランドの美術」展の方が良かった、だった。
丁度先月イギリス美術に関する記事の仕事が有り、イギリス美術に関する本を読んでいたところだったこともあったのだが、ウィリアム・ブレイクの「神曲」の挿絵や
ウィリアム・ホーガスの「一日の4つの時」シリーズの1枚「夜」
写真:Wikipedia
などが見られて前半戦で既に満足しちゃってました。
それは自分が無知だったから…
だって、油彩は小さな作品が10点ほどしかなかったし、なんて思っていました。
ベーコンの作品は、日本(横浜美術館)だけでなく、かつて訪れた様々な国の美術館で見てきた。
日本では2013年春東京国立近代美術館 で大規模な展覧会が行われたようだが、私は残念ながらみていない。
ベーコンと言えば、私はまずこの作品を思い浮かべる。
「叫ぶ教皇」
こちらは1650年にスペインの画家ディエゴ・ベラスケスが制作したこの作品をもとに作られた。
写真:Wikipedia
「インノケンティウス10世の肖像」
ベーコンは1950年代から1960年代初頭にかけて45以上のベラスケス・シリーズを制作したが、この作品はそれらの中でもベスト作品とみなされている。
彼の作品からは不安や精神の乱れを感じることが多く、会場に小学生のお子さんをつれた人を多く見かけたが、大きなお世話だがちょっと心配になった。
子どもの頃から本物に触れることは良い事だが、ベーコンの作品はどうかなぁ…
しかし私の憂いを杞憂に終わった。
私が知るよう”教育上よろしくない”ベーコンの作品は、今回の会場にはほとんどなかった。
私はこの展覧会の性質を理解していなかった。
イギリス美術の特集を組んでいた芸術新潮の3月号にもこの展覧会のことが載っていて、それを読んで始めえてこの展覧会を理解できた。
今回の展覧会に出展されている作品はベーコンの近所に住んでいたバリー・ジュ―ルが画家の死の10日前に譲り受けたという膨大なドローイングなどの資料の一部だった。
生前ドローイングやスケッチをしないと豪語していたベーコンだが、その死後様々な方面から彼のドローイングと言われるものが発見される。
それらは研究者によって論争を引き起こし、現在にいたっている。
もしかしたらベーコンのものではないものを私はみたのかも…
否、作者の深層に触れられたのかもしれない。
今まで見て来た大作はベーコンが”見られたい”顔で、今回の展覧会はベーコンが”見られたくなかった”内面や裏側を見せる展覧会だったのでは。
などと考えると、やはり行って良かったかも。
「Xアルバム」と呼ばれる一群のドローイングは必見!
”もとは写真用のアルバムに綴じられていたこのコレクションは、その表紙と裏表紙に「X」のマークが描かれていたことから「Xアルバム」と呼ばれるようになったという。
本シリーズが初めて展示されたのは2000年のことであり、点数はドローイングやコラージュあわせた68枚。
このうち57枚と表紙はイギリスのテートに寄贈され、11枚がこのバリー・ジュール・コレクションに残されている。”(引用:https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/23402)
「叫ぶ教皇」のドローイングや「ファン・ゴッホの肖像のための連作」(1956〜57)が非常に興味深い。
写真:https://shoto-museum.jp/exhibitions/190bacon/
葉山での開催は今日までだが、2021年 4月20日(火)~ 6月13日(日)まで東京の松涛美術館へ巡回するそうだ。
会場から出たら青空が出ていた。
かすかに上のほうだけ富士山が見える。
人も出て来たので、ここからは退散。美術の話はここまで。
ここからまずパン屋さんへ。
ここのアップルパイが絶品!!
今回は土曜日だったので、前日に予約。
コロナ対策で狭い店内には3名しか入れないため、行列。
20分くらいかな…待ちましたよ、予約してたけど。(予約した人も並ばないといけない。)
生地はサクサク、中身のリンゴが美味しい~です。
なかなか行けないので、色々たんまり買ってきました。
ここから逗子駅に戻ります。
天気もよく、換気のために窓開いてるバスの車内も風が気持ちいい。
今回のランチは、リストの中からきになった野菜中心の中華料理が売りのこちら。
女子旅のお食事券が使えるお店。
メニューはこんな感じ。
あんかけ焼きそばが気になりながら、結局頼んだのはこちら。
濃厚豆乳の担々麺。
もう少し辛くても良いかなぁ…でも美味しい。
薬膳スープも頂きました。
こちらも超薄味。体に良さそう。
次回が有れば、隣のお客さんが絶賛していた「麻辣(マーラー)豆腐」を食べてみたい。
ちなみに麻婆豆腐はミンチ肉入り、マーラー豆腐はお肉無しなんだそうです。
http://www.seloriya.com/
こうしてさっさと食事して、さっさと帰宅しましたとさ。
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