11月20日と21日の2日間”Festa della Madonna della Salute”の為、ヴェネツィア市民はCollezione Peggy Guggenheim(グッゲンハイム美術館)の入場が無料になる、という記事を読んだ。
はて、”Festa della Madonna della Salute”ってなんだっけ?
と調べてみた。
ヴェネツィアでもひときわ目立つ存在のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂 (伊:Basilica di Santa Maria della Salute、和名:救済の聖母マリア聖堂)
水上からサン・マルコ広場へ上がる玄関口の目印となっていて、アカデミア橋からはこんなヴェネツィアらしい写真スポットになっている。
1692年夏、ペストがイタリア全土で大流行、ヴェネツィアもその魔の手を逃れすことは出来ず、2年間で人口の三分の一を失った。
このペストの終焉を感謝し建てられたのが、聖母に捧げられたこの教会、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂だ。
1681年、11月21日の「聖マリアの奉献」の日に教会を訪れることを決めたのが「Festa della Madonna della Salute(マドンナ・デッラ・サルーテ祭)」
政治と宗教の中心であったサン・マルコ地区からサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂があるドルソドゥーロ地区までペスト撃退を記念し、聖母マリアに感謝の意を込めて行進が行われる。
途中に横たわるカナル・グランデ、海の上は、特別に奉納された橋、舟橋の上を渡っていくことになっていた。
現在は船でなく、この数日間、いかだをつなげた仮の橋ができるのだが、昨年は新型コロナの影響で橋がかけられなかった。
しかし今年は11月18日に開通式が行われたらしい。
そしていつも通り教会そばの小道に屋台も並んだらしい。
写真:https://www.veneziatoday.it/eventi/festa-madonna-salute-2021-mercatini.html
この時期、グッゲンハイム美術館が市民に無料開放されるのは決して今回が始めたなわけではなく、むしろ以前は1週間ほど無料の期間があったらしい。
更に入館できるのは「グリーン・パス」保持者のみで、館内はマスク着用が義務付けられている。
ちなみにこのマドンナ・デッラ・サルーテ祭の日の特別料理は“castradina(カストラディーナ)”
写真:https://blog.giallozafferano.it/eleme/2019/11/21/castradina-2/
一年でこのお祭りの1週間だけ食べられる料理。(伝統的には20日の夜食べる)
羊肉がベースの料理でダルマチア人に敬意をこめて作られる。
というのも、ペスト流行下においてダルマチア人だけが継続してヴェネツィアにマトンの燻製を2本マストの漁船で運び続けてくれたのだそうだ。
スープの材料は塩漬けか燻製の羊の腿肉のよく寝かしたものにキャベツ、玉ねぎ、ワインなどを入れてじっくり煮込むのだそうだ。シンプルだが時間のかかる料理らしい。
残念ながらまだ新型コロナの終息が見られない今年は、ミサの参加人数も限定されているし、信者が自分で奉納の蝋燭を備えることもできないらしいが、それでも少しずつ日常を取り戻していければいいのだが。
いいですね、もう行かれたんですね。
東京は来年ですが、今から楽しみです。
ブログ拝見しましたが、「亀石」が懐かしいです。中学の修学旅行で見た以来です。
グアルディの"サン マルコ湾から望むヴェネツィア"の絵もありました。ターナーの"ヴェネツィア サンタ マリア デッラ サルーテ聖堂かの前廊から望む"も見られました。