イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

滞在2日目(午後&夜)-Greve in Chianti&Firenze

2013年05月10日 22時43分30秒 | イタリアの小さな街・大きな街(Fi以外)

お待たせをいたしました。
さっそく続き、滞在2日目のお昼に参ります・・・とその前に
昨日の”最後の晩餐”のお話ですが、ちょっと思い出してある本を読んでみたら、このユダを別側に描かせる方法はどうやら14世紀Firenzeで流行っていたらしい。
これ以前はジョットのように全員がぐるーと円になって描かれていた。
ユダは常にキリストのそばに座っています。

この絵を描かせる時、キリストを入れて13人を一列にするにはスペースが足りなかったために考えられたらしいんです。
でもダ・ヴィンチがそれを変えてしまい、それ以降はダ・ヴィンチのマネをするようになったようです。

この”最後の晩餐”のシーンは教会儀式にも大きな意味を持っていて、”最後の晩餐”の夜、キリストは12人の使徒にこの中から自分を裏切るものが出ると言う。動揺した使徒たちにキリストはパンを切り与え「これを自分の体と思え」と、杯を取りみなに勧め、「これは私の血、契約の血と思え」という。
これが聖体の秘蹟、カトリックのミサの起源とされているんですねぇ。
だからテーブルには必ずパンとワインが乗っているというわけ。
今年は帰国したら超初心者向けの美術講座でも開こうかしらん?

ちなみにうちの父も言っていましたが「宗教が分からないと(美術が)よく分からない」とよく聞きます。
私もそう思っていたし、知らないより知っている方がいいのは当然。
でもね、宗教画、特に教会内の壁画とかは本来文盲の人の為に聖書の話や聖人のお話を分かりやすく描かせたものなので、宗教を知らない日本人にも分かりやすい・・・はずなんです。
多分「う~ん宗教分からないから分からない」って先入観で見すぎなのでは?
是非、肩を張らずに宗教画の前に立ってみてくださいね。

え~さてさて、話はPerugino(ペルジーノ)の”最後の晩餐”を見た後に戻ります。
Greve in Chianti(グレーべ・イン・キャンティ。以下Greve)に向かった私たち。
GreveはFirenzeからバスで1時間くらいの小さな街で、名前からも分かるようにキャンティワインの地域。
実はこの街をゆっくり訪ねるのは、私初めてだったのよねぇ。
いつでも行ける近場ほどなかなか行かないものなんですよね。

今回は父がカンティーナを見たいというので(ちなみに私の”のんべえ”は父譲り)ここに行くことにした。
Sitaのバスターミナルから30分おきくらいにバスは出ています。
以前Greveの先まで行った時(あれ?その時の話書いてないわ。あの超おいしいお話が・・・)は誰かが「Greveだけど降りないの?」と親切に言ってくれたけど(外国人は大抵ここで降りるため)今回は私たち以外はみんな常連らしく、私も確信が持てなかったので「Greveでおろしてください」と運転手に
すると「Greveの中心でいい?」と確認してくれた。

到着

この頃には雨上がっていた。
調度1時の鐘がなっていた。
インフォメーションで地図とワインの試飲が出来る場所を教えてもらってからお昼ご飯に。
どこかのブログに出ていたこちらのお店にしました。( 外観写真がない!)

Osteria Mangiando mangiando
Piazza Matteotti 80
055.8546372
このお店の名前、日本語なら”食って、食って”ってまるで私もことみたい。
まずワイン

ボトルがないので、このときはハウスワインを頼んだんだっけ?
パンの変わりにフィレンツェ名物のSchiacciata(スキアッチャータ)というピザみたいなものが。
今、別のものを思い出した人!すばらしい~
そうです3月に私がハマっていたSchiacciata。あれは甘いお菓子(というかスポンジケーキみたいなの)
フィレンツェには2種類のSchiacciataがあるのでご注意を。
まぁ大抵同じ店に両方置いてあることは少ないけど。

うちの両親ねぇ、嫌なことにメニュー見ないの。
「見ても分からない」って言うんだけど・・・
それでも父は一応見てみるんだけど、母なんか一度も、手に取ることもしない。
だからいつも私が「どういうもの食べたいの?」と聞くと
これも日本人の典型なのかしら「スパゲッティー」とか。
はぁ???という答えが返ってくる。
いらっ、としながらも。
「だからどういう味の?」と聞くと「う~ん、重くないやつ」とか言う・・・堪忍袋の尾が切れる寸前。
毎回こんな感じ。

ということで大抵私がその店やお勧めやその地方の伝統料理を頼んでしまう。
幸い好き嫌いはないので。
で、今回はもちろんこれ

トスカーナ風前菜盛り合わせ。
Fegato(レバーペースト)、Lardo(ラード)、トマトのブルスケッタと生ハム、サラミとFinocchiona(フィノッキオーナ)というういきょう入り(更にワイン漬け)のサラミ。
あ~ワインに合うわ~
あっそうだ、この後ワインを試飲するからってここではグラスのハウスワインにしたんだ。
で、

これは私が頼んだラザニア
お肉に贅沢なことにChianina(キャニーナ牛)を使っています。
「ミートソースみたいなのがいい」と言う母には

Cinta senese(チンタ・セネーゼ)という黒白の縞模様の入った豚のラグー

で、なぜか父はトマトがいいというので、トマトとバジリコ
どれもおいしかったですわ。
で、ちょっと重かったのでお口直しにデザートを

この先飲む機会もないかなぁ・・・ということでVinsanto(ヴィンサント)とCantucci(カントゥッチ)
そしてイチゴのレモンがけ(砂糖も付いてきたけどかけなかった)
「こちらのイチゴは日本みたいに甘くないよ」と言ったのに、母が食べたいというので頼んでみました。
これはそうでもなく、レモンをかけると甘みがでるのかなぁ???

あ~お腹いっぱい。
街中を少し散策して・・・と言っても小さな街なのであっという間に見るとこなし。
母が思い出にGallo nero(黒い鶏)の小皿を買いたいというので入ったお店で前に入っていたアメリカ人と思われる人がおいしいジェラート屋さんを聞いていたので、私も聞いてみた。
いひひ・・・お腹いっぱいでもGelato別腹!!
更に太陽ギラギラだし。

カンティーナ方向に向かっている途中、発見しました。

分かりやす。
お店の所有している牛のお乳で作ったGelatoなのでおいしいよ、と先ほど教えてもらいました。
Gelateria da Lorenzo
Viale Vittorio Veneto 68/70
残念なことにこの時期はまだ種類が少ない・・・

確かヨーグルトとピスタチオだったと思います。
3人で1個ね。
だってこれから飲まないといけないから・・・義務じゃない、義務じゃない。

このGelateriaのすぐ裏手、1分くらいかな?目的の場所に到着

カンティーナじゃなくてエノテカだった。
Piazza delle Cantine 6
055 8546404
まぁ試飲させてくれれば何でもいいや。

最近どこもこのタイプなんだけど、レジでチケットを購入します。ここは10,15,20ユーロの3種類。
で、それを機械に差込好きなワインのボタンを選んで押せば出てくるんです。
量は試飲のちょっとから、グラス適量までの3種類。

平日ということもあって店内はガラガラ
私も最初は安いワインを少量飲んでみたんだけど、それほど飲めないことが分かったので、最後に普段は飲めないちょっといいワインを飲んでみました。

ボルゲリだったよ。
いや~重厚でうまいねぇ~!!
ちなみに父と二人(母は殆ど飲めません)で10ユーロ使いきり。
但し残金は返金してくれました・・・ってたったの6セントでしたが。

我父は最近近所のスーパーであるトスカーナワインを買い占めているそうです。
1本1,000円。二日で1本あけるペース・・・飲みすぎじゃ???
で、そのワインが今回持ってきた(昨日ダヴィデを私に見せた)雑誌に帝国ホテルのソムリエが現在注目しているワインの1本に選ばれていると大騒ぎ。
しかもそのエリアのワインがここにないか聞いてくれって。
どうせなら他のエリアのおいしいワインを選べばいいのに・・・と思ったものの聞いてみた。
「そんなところのワインは有りません」と無下に言われるかと思いきや「3種類ありますよ」と
で、なんと一番安いやつ・・・日本で父が飲んでるのと同じラベル。
え~16ユーロですけど・・・
年度が違うから?
しかし父はこのワインを買って、日本の1,000円と比べたいんだって。
まぁ、好きにしておくれ。
後日談ですが、このワインたまたま入ったスーパーに11ユーロで売られていたんだよねぇ。
もう踏んだり蹴ったり(?)

大満足でエノテカを出てバス停に向かうと、後10分位で調度バスが来る・・・ことになっていた。
しかし、待てど暮らせどバスは来ず、結局40分くらい待ち続け、次のバスに乗ってフィレンツェへ。
いや~タダでさえイタリアの交通事情の悪さ、という洗礼を受けたのに、このバスの運転手の運転が荒いのなんの。
山道をどうしてそんなに急ぐ必要があったのだろうか???
途中から乗ってきたアジア人、具合が悪かったみたいでバスを降りた瞬間しゃがみこんでたよ。
普段は車酔いしない人でも気をつけてくださいねぇ・・・ってどうやって気をつけるんだ?

こうして2日目は終わり~と言いたいところですがこの日FirenzeはなんとNotte Bianca
"みんなで徹夜しよ~”ってな感じの徹夜のイベントが行われた。
年寄りなので、遅くまではと思ったものの、無料で開放される博物館やDuomoのオルガンコンサートには行きたいと思って、早めに夕食を食べて(この日は両親の希望で白飯&お味噌汁でした)いざ出陣!!

ウフィツィ美術館が無料公開の対象だった。
今回父の分は予約して有ったんだけど、母は前回来た時に行っているので今回はなし、ということになっていたが、無料だったら入りたいということで、まずウフィツィの前に行ってみたんだけど・・開館前だけどかなり並んでる・・・ということで、ここは時間が有ったら、ということにした。結果的にはなかったんだけど。

で、予定通りヴェッキオ宮へ
調度私たちが登っていったら

Salone dei Cinquecento(500人広間)ではコンサートの真っ最中でした。

指揮はZubin Mehta(ズービン・メータ)
最近またMaggio fiorentino(フィレンツェ歌劇団)やばいらしいという話を調度ここに来る前に聞きました。
そうそう更にショックなお話・・・
Daniel Baremboim(ダニエル・バレムボイム)の指揮でスカラ座でワーグナーのGotterdammerung(オペラ「神々の黄昏」)とフィレンツェでVerdiのレクイエムを聴く予定だったのに、指揮台から落ちて怪我したかなんかで、右足に重心掛けられないから降板したっていうじゃないですかぁ~
スカラ座の方はこのニュースを聞いた数日後、指揮者変更のメールが届きましたが、既に電車のチケットも買ってるし、見たことのないオペラだから行きますけど・・・あ~残念。

私のような素人でも、名のある指揮者の時の演奏って本当に違うのよねぇ。
過去、小澤征二しかり、リッカルド・ムーティーしかりでした。
メータは・・・慣れちゃったのでよく分からん。
あ~ホント残念。
あっちなみにこのニュースを教えてくれた友達、実はフィレンツェの音楽院に通っている人なんだけど、急遽Don Carloの初日のチケットが音楽院でばら撒かれ(10ユーロ)たので、良かったらどうですか?という話だったのよね。
実は私あさっての日曜日のチケットがあるのと、5日はフィレンツェにいないのでお断りしたんだけど・・・
ホントやばいよねぇMaggio!!
最近署名集めをしてたしねぇ・・・あ~あオペラ見られなくなるのは困るけど、私に出来るのはチケット買うことくらいだもんななぁ。

一応この右側の壁にダ・ヴィンチが描いた”アンギアリーの戦い”が残っているのではないか、と言われていて、調査がアメリカの大学の協力で進められている・・・ってなこと、両親に説明してみたんだけどね。

コンサートは30分弱だったかなぁ
終わる前に立てばよかったんだけど・・・
民族大移動で大混雑。
将棋倒しにでもあったら怖いなぁ・・・と思いながら階段を登る。

遠くにサンタ・クローチェ

普段は撮影禁止かなぁ?この日は平気だったので。

これが調度500人広間の上から
そして

典型的なマニエリズムの作品
Cappella di Eleonora(エレオノラの礼拝堂)
Agnolo Bronzino(アンニョロ・ブロンジーノ)

この徹夜企画には子供たちも参加しています。こんな夜遅いんですけどね。
ガイドと一緒。
こうして実物にこんな小さな時から触れられるなんて羨ましいねぇ。

ここがメインの部屋
Sala dei Gigli(白百合のサロン)
調度右の中央にフィレンツェのシンボル白百合(赤ですが)の紋章が見られます。
この部屋から見えたDuomo

いいねぇ~

ということでヴェッキオ宮はこれにて終了。
外に出ると

写真ではよく分かりませんが、さっきから変な音が聞こえると思ったんだけど、ブランコの上に鐘が付いていて、ブランコをこぐとその鐘が揺れるという誰がこんなの考えたの・・・という企画。
子供がメインだけど、大人もさりげなく入り込んでブランコをこいでいました。
しかし、音が結構耳障り・・・夜中も続くのかしら???

ここを何とか通り抜けダンテの家に向かったんだけど、ここは長蛇の列だったのでパス。
両親の疲労も限界のようだったので、最後のDuomoのオルガンコンサートへ。
ビデオカメラを持っていた父が珍しく「録画不可」と言われていたので、動画はなし。

実はこの夜はトリが日本人だったんです。
ちなみにこの人(途中から入ったので誰だか分からなかった)はすごかった。
オルガンだから足を使うのは分かるけど、足2本しかないのに・・・すごい技だった。

この人かなぁ・・・って分かるわけがない。

あっこれこれ、平中 弓弦さん
誰もが一度は聞いたことがある(司会者も説明は不要と言っていた)”トッカータとフーガ”に始まり、
アンコールに演奏された”キラキラ星”がとても印象的でした。
フィレンツェのDuomoでパイプオルガンの演奏を聴くのは結構貴重なのでいい経験になりました。

結局終わったのが12時近く。母は途中で撃沈。舟こぐどころか・・・いびきかいていました。
さっさと帰ってあげればよかったんだけど、父は真剣に聞いていたもので・・・
ウトウトしている母に「(お前は)興味を持たないから眠くなるんだ!」と豪語していましたが、どんなに興味が有っても疲れには敵わないと思いますけど。
更に眠気を誘うような心地のよい音楽だったのではないでしょうか?
無料だったんだし、辛くても私たちに付き合ってくれたんだからいいじゃんねぇ・・・

しかし本当に大変だったのはこの後。
私一人なら多少遠回りしても人がいない道を選んで帰るのだが、疲れ果てた2人を連れて人ごみを掻き分けて家に帰り着くのに一苦労。
両親は結構怖かったようです。
最後ははぐれないように私の服のすそをつかませておきました。
元旦の初詣客がみんなバラバラの方向に向かっている感じを想像してください。
まぁ大晦日よりましですけどね。(爆竹や空瓶爆弾は飛んでこないので)
中心街に住んでいるのはメリットも多いけど、時には大変なんです。
夜中かなり遅くまで騒いでいたようですし・・・

こうして長い長い第2日目は終了。最後までお付き合い頂きありがとうございました。
3日目は海にいきま~す。



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