久々に猛暑が戻って来ましたねぇ。
今日は水曜日。
ということで、またまた映画を観に行ってきました。
今回は
アイルランド映画「ブレンダンとケルズの秘密」です。
これ芸術新潮の8月号で特集されているのを見て気になっていました。
「世界一美しい聖なる本」ケルズの書をテーマに作られたアニメ作品。
アニメ作品と言っても、決して子供向けの作品ではありません。
夏休みということもあって子供も多かったし、劇場もそれを狙って今週は吹替版だったのが当たりだったのか、外れだったのかは分かりませんが…
まぁストーリーを完全に理解できなくても、絵は美しいので子供が見ても問題はありませんが。
ケルズの書
名前くらいは聞いたことが有りました。
興味がない分野では決してないですが、今まで特に気にしてもいませんでした。
でもこの映画を観て変わりましたねぇ。
実物見てみたい!!
ケルズの書は9世紀、アイルランドの修道士によって作られた豪華な装飾が特徴の福音書。
ダブリン大学の図書館に17世紀から保管されています。
「ダロウの書」、「リンディスファーンの福音書」とともに三大ケルト装飾写本の1つとされ、アイルランドの国宝で、年間50万人が見に来るそうです。
聖コルンバの偉業を称えるために、スコットランド、アイオナ島のアイオナ修道院で制作が着手され、その後アイルランドのケルズ修道院で完成されたそうでう。
映画では(ネタばれ)バイキングに襲われたアイオナ島から装飾師として名高かった修道士エイダンが「アイオナの書」(後に「ケルズの書」となる)を携えてケルズに逃げてきました。
そしてケルズもまたバイキングに襲われてしまいます。
エイダンと主人公ブレイダンは書を完成させる旅に出ます。
エイダンの死後、完成した書を持ってブレイダンはケルンに戻って来ました。
ケルズの書には元々高価な装飾が施された貴金属製のカバーが取り付けられていたようですが、1007年に盗難にあった際にカバーは失われたそうです。
これを映画では襲来してきたバイキングが、宝石類の付いたカバーだけを奪って行き、装飾で飾られて中身の方は落として行く、という風に描かれています。
これはバイキングの無知さを揶揄したものなのだろうか?とちょっと考えさせられました。
中世を意識して現代の遠近法を極力使わない映像とアイルランド・カラーの緑が画面いっぱいに広がり、ケルト模様が万華鏡のように旋回する、とても美しい映画でした。
センスがあると思います。そういう
欧州風の短編アニメはカナダで結構つくられていました
https://www.youtube.com/channel/UCZjdtJqy8gQoorbHNhwQHtA
また、
リンデスファーンの書 を知ったきっかけは、リンデスファーン ミードという蜂蜜酒を飲んでいて、そのラベルがあの
リンデスファーン風の装飾文字だったので、それに興味をもったのがはじめてです。まだ薄暗い大英博物館の写本展示コーナーで原本を観た記憶があります。
興味をもつきっかけって本当に色々で面白いですね。
この映画の中で「書物がなければ、何も残らない」と言っていたのが非常に印象的でした。