イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Milanoで4つの展覧会

2015年12月18日 05時58分14秒 | イタリア・美術

「最初見たの忘れない?」
と自分でも思うのですよね、一日に4つも展覧会を見ると。
普通はあまりないと思うのですが、まぁやっているから見るという感じですかね?

今回はテーマも時代も全く違っていたので、忘れるということはないですが、勿論全て覚えているわけもありません。
更に今回はどこもオーディオガイドが込みだったのですが、最後の方は集中力は欠けてきて、
最後には疲労と共にイタリア語が子守歌に…立ち寝できそうでした。

今回興味のレベルで行けばなんと言ってもGiottoが一番。
あとの3つはついでかな…勿論お金を払って見るわけですから(最近展覧会も日本並みに高いですからね)、興味がないものはありません。
ルーベンスに時間がかからなければ、3つだから時間余るな、友達に連絡して夕方お茶でもしようかな、と考えていたのですが、
結局会場についたら、始まったばかりの展覧会、今まで見たことない、面白そうってことで結局4つになってしまったんです。 


まずはGiottoとペアのチケット販売になっていたMito e natura(神話と自然)というポンペイの遺跡やギリシャ文化に関する展覧会の会場に行ったんです。
そうしたら、「学生がこの時間多いから、Giottoから見た方がいいですよ」とお姉さんがいうので、仕方なくGiottoから。
なんでGiottoを後にしたかったのか、というとここでは絶対カタログを買うだろうと思っていたから。


作品数はそれほど多くはないけど、これエキスポに合わせた目玉の展覧会だったので、良いもの来てました。
かつて見たことがない作品は…1個かな?ほとんど見たことがある作品ばかりだったけど、やはり良いですわ。
難点を言えば、会場が暗すぎる。
そして何故か変な壁が多くて、ぶつかりそうで怖かった。
また時期なのか曜日なのかは分からないけど、とにかくグループが多くて。
マイク使っているはずなのに、イタリア人声が大きいから、こちらのオーディオガイドが聞こえないんだよ~
ホントイタリア人って映画館でもそうだけど、ひそひそ話できないのかよ!!って思います。
まぁそれほど混んでなかったから良いけど…でも他の展覧会に比べたらここが一番混んでましたよ。

で、ここを見終わってからお昼を食べて、それから先ほどのMito e naturaという展覧会へ行ったんだけど、遠足の学生まだいっぱい。
更にここの展示の方法のせいで、全然前に行けず、後ろからは別のグループがやってきて、挟まれてしまいました。
まぁ時間は有るからいいかぁ、と耐えていたら、気の利く女の子が「前に行く?」と通してくれたんだけど、結局追いつかれ、しばらくは彼らの後にくっつくことに。
なんか作品も落ち着いて見られなかった。
まぁこの時代はすごく興味が有るわけではないので、まぁ良しとしましょう。
でも魚がリアルに描かれたギリシャ時代のお皿とか

この紀元前480年ごろに描かれたとされるフレスコ画
 
とか、気になるものもありました。
この後

Da Raffaello a Schiele(ラファエロからシーレまで)という展覧会に。
シーレって誰よ?という感じなのですが

”エゴン・シーレ(Egon Schiele、1890年6月12日 - 1918年10月31日)は、オーストリアの画家。エーゴン・シーレとも。
当時盛んであったグスタフ・クリムトらのウィーン分離派を初めとして象徴派、表現主義に影響を受けつつも、独自の絵画を追求した。
強烈な個性を持つ画風に加え、意図的に捻じ曲げられたポーズの人物画を多数製作し、見る者に直感的な衝撃を与えるという作風から表現主義の分野に置いて論じられる場合が多い。”(wikipediaより)
ということで全然知らないし、作品みたこと有るのかな?

会場にはこの作品が来ていたはずなんだけど、記憶にない。
こんな強烈な作品が記憶にないはずないんだよなぁ…
来てなかったのか、もしかしたらもう返されてしまったのかも。
タイトルになるくらいのメインの作品なのになぁ…それとも本当に私の印象に残ってないだけかな???
だいたいオフィシャルサイトにはマネのこの作品が載ってたのに

実際展示されていたのは

こっちだったりしてたしな。
でもやはり良いもの持ってるんだな。
というのもここに展示されていた作品計76点はブタペストの国立西洋美術館の作品。
これだけ傑作持ってきても大丈夫ってかないいいもの持ってるでしょう、と思わずにはいられないですよ。
あれ?wikipediaに出てる主な作品はほとんどミラノに来てたけど…
今美術館に行った人、がっかりするね。
ふ~んハプスブルグ家のコレクションが元になっているため、特に同じハプスブルク家が支配していたスペイン関係のコレクションはルーヴル美術館やエルミタージュ美術館に匹敵するほどで、
特にエル・グレコの作品数はスペイン外では最大規模なんですって。
こんなに良いもの持ってるなんて知らなかった。
ハンガリーっていうと「ハンガリー舞曲」しか思い浮かばないけど…
って曲は浮かばないぞ、ということで聞いてみた…
あはは、これかこれか。

<!-- ハンガリー舞曲 -->

 西本 智実さんの指揮で。
う~んこの人の指揮で聞いてみたい。あっ、でもオペラは振ってないのかな?
しかし、このたかだか3分の動画でもスムーズに見られないうちのネット状況、
光回線になったら本当によくなるのだろうか???
今サイト見て驚いた。もっと年上かと思っていたよ… 
ちょっと調べただけで、ブタペストとかプラハとか、行ってみたくなったなぁ。

そして目玉のラファエロの作品こそ、先日私が「一年間お家に帰らなかったのでは?」と言ったこれ

すごく小さな作品なんですよね。
で、去年見た時にも言ったような気がしますが、この背景に描かれているのが、Foro romano
ということでこれはラファエロがRomaに来てすぐに描かれた作品だろうと考えられています。
もう1作品

こちらのルーカス・クラナッハ(父)の作品もすごかったですね。
オーディオガイドで聞くまでは知らなかったのですが、彼は非常に長生きしたため(81歳!?)作品の数も多いそうなんですが、イタリアではやはりそれほど見ないですね。
そしていかにイタリアの画家以外の事はさらっとしか勉強しないかったことがよくわかります。
クラナッハより長生きしているのはティツィアーノ(86~8歳?)、更に89歳まで生きたミケランジェロなどと
この時代の人にしては随分長生き、そして生涯現役ってすごいですよね。

本当はここで終わりの予定が アルフォンス・ミュシャが先週から始まっていたので、こちらを最後に見ました。
足は痛いし、肩は痛いしで疲労困憊でしたが、やっぱりうっとりしますねぇ。

この作品も

こちらも会場にありました。
まぁリトグラフですから、ラファエロやジョットの作品を展示するよりは楽でしょう。
ジョットなんて、20点有るかないかだったけど、こちらは200点も展示されていましたしね。
こちらも気に入ったし、こんなに一堂に作品を見ることもないと思ったので、カタログ購入。
どうして展覧会のカタログってこんなに重いんですかね?
早くデジタル化しないかなぁ、と思っているんですけど。

とまぁ紀元前から1900年代までの様々な作品を見て、とっても満足の一日でした。
購入したカタログはビニールを開くことなく、本棚に。
買ったはいいけど、これを読むことは有るのだろうか…と思いながらもついつい手を出してしまうのであります。

p.s. ちょっと気になって調べてみたら、やっぱり! ハンガリー国立西洋美術館は2018年まで閉館しているそうです。 なんだ、世界三大オペラ座でオペラを観て、美術館に行こうかなと思ったのに…残念。


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