Aostaで40数年の人生で初、ミシュラン星つきレストランへ行ってきました。
「意外?」と思われるかもしれませんが、所詮はそんなものです。
普段は一人で旅行することが多いし、貧乏学生、そんな”清水の舞台から飛び降りる”ような高級なレストランには行けませぬ。
大体着る物がない!
と言ってもそれはイタリア。
日本の一流レストランで食事するのはわけが違います。
私は結構気にしていましたが(その件で母とケンカしたし)、服装もかなりラフ。
それは私たちではなくほかのお客さんが、Tシャツ、短パン、サンダルだったのを見ての話。
そんなにかしこまる必要がないのはやはりイタリアだから?
でもFirenzeの一流店E.Pなんかはそういうわけには行かないですよね???
と服装のことを考え出すと、いつも行くようなランクがお似合いの貧乏家族です。
Il Vecchio Ristro
via Tourneuve 4
0165-33238
休:日、月のお昼と6月
私が持っているすごく古い”地球の歩き方”にも載っていました。
これを見ると料金がすごく上がっています。
私が全く信用していないトリップアドバイザーでもAostaで2位のレストランです。
ちなみに1位はフュージョン和食(なんじゃそれ)のレストランらしいので、やはりここが実質1位でしょう。
お店はCentro,centroではなく、ちょっと外れているのですが、幸いホテルから歩いて5分・・・かかったかな?
とにかく近かった。
予約時間は特に入れてなかったのですが(念のために予約しておきましたよ)8時少し前に到着。
もちろん私たちしかいませんでした。
他の人が入ってきだしたのは8時を回っていましたし、やはり不景気なんですかね、平日(木曜日)というのも有ったけど、お客さんは私たちを含めて4組しかいませんでした。
予約を入れておいたせいか、個室に通されました。
このせいで店内がどんな雰囲気かいまいち分からなかったのが少々残念。
緊張しますねぇ・・・
メニューもいつもと全然違うし
写真は撮らなかったけど、ワインリストなんて百科事典みたいでしたよ。
そんなの見たって分かるわけないんですけどね。
ここのことは結構たくさんの日本人がブログに書いているので、それを読んではいたのですが、やはり信用出来るのはトリノのレストランも参考にさせていただいた方。
その方の話だとここはペットも入店可能だそうです。
店内はKatiaさんの担当。
ステキなマダムという感じで、メニューも全て丁寧に説明してくれました・・・しかし、私の通訳は適当です。
アラカルトもありますが、コースから選ぶのが妥当でしょう。
コースは2種類。
地元の料理で出来たちょっと安めの65ユーロとシェフのお勧めコース80ユーロの2種類。
地元コースは今まで食べてきたようなものだったことと、このシェフお勧めが魚中心のコースだったこともあり、奮発して(奮発するのは私じゃない!)高いコースにしました。
まず最初に運ばれてきたパンに驚き
全部食べたい!なんて気を起こしてはいけません。
先に行けなくなります。
結局、色々食べたいから分けて食べたけど、3,4種類でアウト。
オリーブが入ったもの、ゴマやローズマリーのなどなど、本当にどれもおいしかった。
なんとも落ち着いた店内。
前菜は
carpaccio di branzino marinato con pompermo rosa e coriandlo
さすがに覚えましたよ
branzinoはスズキです。(spigolaと同義でしたね)
ということでスズキのマリネ、ピンクグレープフルーツとコリアンダー和えです。
いやいや、久々のお魚。美味、美味。
そしてこれはこのお店の定番のようですね。
Tarutaru di fassone Piemontese olive Taggiasche e capperi
これはPiemonte特産のFassoneという牛の牛肉のタルタル(生肉)にTaggiascaというリグーリアのオリーブとケッパー
このFassoneという牛はToscanaで行ったらキャニーナ牛にあたるものでしょう。
生で食べられる牛肉がそんじょそこらのものではないってことは分かりますが、ものすご~くおいしいです。
周りを飾っているのは、バルサミコ、アチューゲ、レモンで作ったジェル。
う~ん見た目もいいねぇ。
そして次も感動
Zucotto di pomodoro ripieno di pate' di melanzane e pesto
ToscanaでZucottoと言えばドーム型をしたセミフレッドのケーキを指すのですが、これは本来の
「15〜16世紀の兵士のドーム型金属製兜「ズッコット」、またはカトリック教会の聖職者の半球形頭巾カロッタのトスカーナ俗語での別名「ズッケット」(zucchetto)に由来。」(wikioediaより)
こちらの形の方ですね。
トマトをドーム型にくりぬき、その中になすのパテとペーストを入れたもの。
割るとこんな感じです。
そうそうワインは
これ
白→地元産→辛口というリクエストで選んでもらったのはこれ
(金額も言っておいた方がいいのかな?っていつも思いますが)
Maison Anselmetのピノグリョージョ2012
結局Aosta方面で飲んだ白は全てこの作り手のものでしたが、どれも本当においしかった。
赤を飲まなかったのがちょっと残念・・・と思っていたんです。
そうしたら父はどうしても飲みたいというので、メインと同じタイミングにグラスで1杯出してもらいました。
私は飲んでないですよ。
そしてここからPrimo
Gnocchetti ai peperoni giallo brodetto di pesce e bottarga di muggine
魚とからすみのスープに黄色のパプリカのニョッキ
「パプリカは辛くないですよ」と何度も言われましたが、パプリカって辛いんだっけ?
これもお上品なお味でおいしかったわぁ~
そしてsecondo
Pesce spada al pepe rosa erba cipollina e salsa zafferano
カジキマグロとピンクペッパーとerba cipollinaはねぎみたいなもの、それにサフランのソースをかけて頂きます。
これでお料理は終了。
とここまで見てきたら参考にした方のお料理と同じでした。
メニュー変更は頻繁に行われてはいないということですね・・・
あっ、じゃなかった。この方たちは今年の5月の末に訪れているので、シーズン同じでした。
それなら普通ですよね。
とにかくおいしい!!
それ以外の言葉が見つからない、あ~なんて日本語貧乏。
しかしこれで終わるはずもありません。
まずお口直しに出てきたのがこれ
coppa dell'amicizia
でもこれにシャーベットが入っているんです。
ヴィン・ブルレ(スパイス入りの温かいワイン)です。
そうそう、ここもちゃんと手編みのレースでお皿を重ねています。
おしゃれ~!!
デザートは各自が好きなものを選べたので
私はジャンドゥイアのタルト
これは父が選んだAstiのスプマンテのゼリー寄せ
あれ?1つ足りない・・・母は一体何を食べたんだ?
このほかに
チョコやゼリーなどが出てきて、さすがの私も食べ切れません。
胃がもう1つ、いや2つくらい欲しい。
あったあった。
これは母が選んだクリーム・ブリュレですね。
そして
コーヒーも飲んで。あ~もう無理。
と思ったにも拘らず、マダムの勧めでついつい
食後酒まで頂いちゃいました。
実は某ブログで見て、これ気になっていたんです。
あ~もう無理無理。
おいしいものを食べた後って、どうしてこんなに幸せなんだろう・・・贅沢すぎますね。
最後にシェフとマダムに見送られて家路(いやいやホテルですが)に
ホテルが近くて本当に良かった。
Aostaに行くなら絶対お勧めの1軒です。
いや~星が付いてるってこういうことなんだね、なんて思っちゃいましたね。
いつも行くような大衆食堂でガッツリも良いですが、たまにはちょっとおしゃれしてこういうレストランでお食事したいものですわ。
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なにもかも、美味しそう!デザートも可愛いですし、もしAostaへ行くことがあれば、訪れたいです。
ところで、日本と違い海外では、こうした高級なお店は1人では入れないでしょうか。1人旅が大半なので、そのたあたりが、いつも不安です。海外の、お一人様事情、知りたいです。
コメントありがとうございます!
ブログは一方通行と思いながらも、誰もコメントしてくれないのを寂しく思ったりしていたところです。(苦笑)
ここは雰囲気もいいし、是非お勧めです。
お一人様事情ですよね。私も大抵一人なの気持ちはよく分かります。入りにくい店、有りますよね。
ただ以前知り合いがBolognaのあるレストランで一人だからという理由で断られた、と言っていました。イタリアにそんなレストランあるなんて(フランスなら有りそうですが)正直信じたくないんですが・・・その時もその方に言いましたが、一人だからといって断るような店はこちらからお断りです。(-.-)確かにちょっと一人では・・・という店も有りますが、それは客側の気の持ちようであって、本当に名店ならたとえ一人でも気持ちよく食事をさせてくれるはずです・・・と私は考えています。このレストランなんかは絶対大丈夫だと思います。
ただ気になるのはひとりだとウェートレスやウェイターが気にかけてくれるせいか、おちおち食事が出来ないことがありますが。放っておいてくれて大丈夫なんですけどね。そこがイタリアのいいところですかね。
最近はmezza porzioneで半人前を出しているところも有るし、料金は同じでも残すのが嫌なら少なめ(少な目って言ってるのに多いところもありますが)にしてもらうことなんかも結構出来るようになったので、一人でも工夫していろいろおいしいものを食べられますよ。
アンティパストからセコンドまでフルで食べるイタリア人も減っていますしね。
ご丁寧なお返事をありがとうございます。ブログはいつも拝見しています。
FiesoleのTeatro romano,ローマ劇場は最高でした。こんな素敵な世界もあるんだなと思いながら、レストランや野外音楽場の写真を見ていました。夏休みシリーズは、毎回楽しみにしていましたし。
ただ、悲しいかな語彙が乏しくて、綺麗、美味しそうと、そんな言葉しか出てこないんです。お恥ずかしい…。
お一人様事情、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、一人だからといって断るような店はこちらからお断りですね。お店に入りたいと思うのも、お店の良し悪しを判断するのも、私達でした。
そういえば、先日、京都の花見小路で、1人で食事をしました。何年か前までお茶屋さんをしていたお店です。カウンターにいると、お店の方がいろいろ声をかけてくださって、居心地が良かったのを思い出します。
良いお店ならたとえ一人でも気持ちよく食事をさせてくれるはず…万国共通でしょうね。心に刻みました。
これからは、言葉の壁は別として、1人でも様々なお店にチャレンジします。ありがとうございましたU+203CU+FE0E
いえいえ、良いんですよ「綺麗」とか「おいしそう」で。気にせずコメントしてください。(他の方も!)
勇気を出してどんどんおいしいものを食べに行きましょう!って自分にも言い聞かせています。(こう見えても入り口で結構躊躇したりしているので)