日本人って本当に印象派が好きよねぁ、かくいう私だって嫌いじゃない!
ということで
「日本二大印象派コレクション、夢のコラボレーション!」
ポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画で実現した展覧会。
今日で終了というギリギリのタイミングで駆け込んだ。
前夜、台風の影響で非常に強い雨と風。
これはわざわざ泊まりで来たのに、美術館には行かずに帰ることになるか…と心配したがなんとか大雨は止んだので(時々強い雨は降っていたが)予定通り美術館へ。
箱根の森の中にひっそりたたずむポーラ美術館は、言わずとしれた化粧品会社ポーラの2代目の創業者鈴木常司が数十年にわたって収集した美術品約9500点をからスタート、「箱根と自然と美術の共生」のコンセプトで、2002年9月に開館。
現在の収蔵作品数は約10,000点、中でも印象派のコレクションは日本最大級。
数点の新収蔵品を毎年加え、今も日々成長している日本でも重要な美術館の1つ。
ここを訪れるといつもこの入り口へ向かうスロープでテンションが上がるのは私だけ?
今回は印象派コレクションにおける東の横綱と西の横綱の共演。
ポーラ美術館所蔵の作品は、折々に観ているが、ひろしま美術館はまだ行ったことがないし、ポーラ美術館の普段はお目に架かれない作品が展示されてるかなぁ、という期待でわざわざここまでやって来たというわけ。
個人的に東京、イタリアに美術のポイントが集中してしまっている私は数年前間瀬ひろしま美術館の存在すら知らなかった。
ひろしま美術館は、広島銀行創立100周年を記念して1978年に広島市中央公園内に建設された美術館で、フランス印象派を中心に、ゴッホ、ピカソなどの作品を持つ。また、日本の近代洋画の秀作も多く収蔵している。
両館が所有する作品を
I.世界の広がりー好奇心とノスタルジー
II.都市への視線ーパノラマとポートレート
III.風景のなかのかたちー空気と反映
IV.風景をみたす光ー色彩と詩情
V.記憶への旅ーゴッホ、セザンヌ、マティス
の5つのテーマに分けて展示していた。
撮影もほとんどOK。
しかし、図録を購入しようと思っていたので、出来るだけ撮影は控え作品に集中…と思っていたが、結局図録は購入せず。
図録を購入しようと思うほどの展示ではなかったもので。
いくつか気になる作品は有った。
ゴーガンの「真珠のついた偶像」
ラウル・デュフィの「パリ」
こちらは壁の色とのコントラストが良かったモネ
そしてやはり一番良かったのは青の時代のピカソの2点
ピカソの作品は全て撮影不可だったため、ポーラ美術館のサイトから写真を拝借。
バルセロナのピカソ美術館に行った時も、「青の時代」の作品は良いなと思ったが、この「酒場の2人の女」は良い。
広島に行かず、この作品が見られただけでも良しとしよう。
もう1人気になったのがモーリス・ド・ヴラマンク(Maurice de Vlaminck)
作品は以前も見たことがあると思うのだが、これは多分初めて。(カタログにはこれではない作品が展示されていることになっているのだが…)
「湖」
モーリス(モリス)・ド・ヴラマンクはフォービズムに分類される画家。
この作品を見たら、セザンヌの影響がしっかり見て取れる。
これだよこれ。フィラデルフィア美術館所蔵の「大水浴図」
セザンヌはさまざまな技法や画材で水浴図を200点以上も制作していすのだが、これはその中でも最もクオリティーが高いと言われス作品で、当然これは会場にはなかったが、代わりに
「4人の水浴の女たち」が並んで展示されていた。
他にもヴラマンクの作品が有ったような気がするのだが…
展覧会のカタログには載っていないが、ポーラ美術館は9点彼の作品を所有しているが作品が見られない。なぜ?
しかし残念だったのはこれがなかったこと。
先月ドービニー展で、もしかしたら見られるかなと期待していたゴッホの「ドービニーの庭」は展示されていなかった。(これはひろしま美術館のみの展示、と但し書きが有った)
それにしても日本で70点以上に印象派他の作品が見られるわけだから、やはり素晴らしい。
今回はこの展示のほかに常設展(ポーラ美術館の西洋絵画)、ポーラ美術館の絵画:日本の洋画、ガラス工芸名作選–花ひらく異国趣味が開催されていた。
「日本の洋画」では、藤田嗣治のスペインの木棚の扉絵が展示されていたのが非常に深かった。(参考)
そしてガラス工芸ではティファニーのガラス工芸が良かった。
ティファニーというとどうしてもジェリーを想像してしまうが、NYのメトロポリタン・ミュージアムに行った時、ティファニーの素晴らしいステンドグラスを見てから、ティファニーの作るガラス製品にとても興味ある。
この作品「ヴェネツィア風テーブル・ランプ」というタイトルなのだが
この足を見たら「ヴェネツィア風」という意味がよく分かる。
これ、ドゥカーレ宮殿の柱と柱頭の模様にそっくり!!すごい細工だ。
そしてこちらもティファニー
とんぼ柄。
ティファニーのガラス製品には昆虫のモチーフが多い気がする。
こちらはガレだが、ここに描かれた蛙が北斎漫画から引用されたものらしい。
ということでこちらの展示も非常に面白かった。
更に今回は珍しくバスまでの時間が余っていたので、美術館を取り巻く遊歩道にも行ってみた。
雨上がりで足元危険!!
暑い日だったら涼しくて良かっただろうに…
箱根はまだまだあじさいが見ごろだった。
この辺りは寒い位だったのに、下界に降りてきたらすっかり真夏日だった。
湯本駅にはレトロな感じの登山鉄道が。
夏休みもスタートした土曜日、大きい荷物を抱えた人たちで駅は溢れていた。
みなさんも良い夏休みをお過ごしください!!
ちなみにひろしま美術館でのは8月10日より開催されます。
https://www.polamuseum.or.jp/sp/ilm/o_20190308_1/
唐津は行ったとこありませんが、焼き物など興味がある街の1つです。
ひろしま美術館も行ったことがないのですが、是非一度訪れたいと思っています。
急に暑くなったので、くれぐれも体調には気を付けて下さい!!