イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

マーブル紙

2009年03月24日 23時47分42秒 | イタリア・文化
千客万来だった3月、普段一人では足を踏み入れない店を発掘するいい機会。
今日は、Firenzeの伝統工芸、マーブル紙の実演が無料で見られるお店をご紹介します。

Il Papiro
via Cavour,55r
他にもFirenze内に支店は沢山有りますが、他で実演が見られるかは???
イタリア内の各地に支店があります。

以前この店に勤めていた知り合いから、店の歴史について書かれたものをもらっていたのを思い出し、ここで紹介。(多少文章を直しました。)

イルパピロの歴史
イルパピロの特長である「パピエクブ」という紙装飾法は、17世紀フランスのルイ13世に使えた製本士メース・ルートによって考案された技法である。
彼はこの技法でマーブルに似た色調をもつ装飾紙をつくったため、「マーブル・ペーパー」とも呼ばれた。この種のペーパー技法は17世紀以降、ヨーロッパ各地で盛んになり、20世紀初頭まで製本における欠かせないものとなった。しかし、現在ではこの技法はほとんど使われなくなり、FirenzeのIl Papiro(イル・パピロ)だけがこの伝統を守り、作品を制作、販売している。

まず専用の糊のような液体を流しこんだ容器にに色を入れ。
これから"魚のうろこ"の柄を作る。

この大きな櫛を入れると

あっという間に・・・魚のうろこができました

そしてこれを紙に写す。


イルパピロの製品の特長
ひとつひとつが手作りのため、全く同じものはない。デザインはクラッシックでシックな感覚。流行に流されない伝統のみがもつ味わいがある。
「パピエクブ」と呼ばれる紙装飾法は、紙の手細工としてもっとも古い技法である。この技法を使うと、材料やプロセスを変化させることで幅広い色調とデザインを表現することができる。デザインのベースは「クブ」という桶のなかの液体。水と各種の草木から作られた液体で、その液面に絵具を垂らし、櫛、刷毛、ブラシなどを使って、液面のパターンを紙に転写する。ベースが液体で流動的なので、全く同じものを作るのは難しく、よく似たパターンを不自然でなく2つ以上作ることが最も高度な技であるといわれている。

とても親切なこのお店のおじさん。
翌日、実演で作ってくれたものをもらえる。
時間が無い人は、その場で他のやつをもらうこともできる。
商品はとても素敵なので、ハガキ一枚でも購入すれば、お互い気持ちがいいのでは


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