イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

別の側面から見た歴史

2008年11月24日 00時51分46秒 | 日本とイタリアの違い
「歴史は勝者によって語られたもの」いう言葉を良く聞くが、土曜の夜Rai 3の"Ulisse"という番組が広島の原爆の特集だった。

私はもちろん小さい頃から日本の側から見た第2次世界大戦しか知らなかった。ところがひとたび日本を出てしまえばまた違う側面から同じ出来事を眺めることになる。この番組は非常に良く出来ている。ちゃんと広島の原爆記念館に足を運び(多分最近だと思う。映像が秋模様だった)今でもあの惨劇を語り続ける人たちの映像を加え、昨日は広島に原爆が落されたところで番組は終了。なんと2回連続だった。(次回はいつかしら???)

なぜ広島だったのか?いかにして原爆が作られたか?など、今まで知らなかったことが結構取り上げられていて興味深かったのだが、その中でも一番驚いたのは、原爆制作にイタリア人が大きく関与していたということ。
Enrico Fermi、ローマ生まれ、ノーベル物理学賞を"中性子衝撃による新放射性元素の発見と熱中性子による原子核反応の発見"で受賞。番組内では原爆を構成するプルトニウムを広島投下の10年前ローマにて発見したと言われていた。彼が所謂"マンハッタン計画"と呼ばれる原爆開発に一躍かっていたのである。

対ロシアの中継地として利用するため日本を壊滅させなかったこと(予想通り第2次世界大戦終了後アメリカ対ソ連の冷戦は始まった)や、当時の原爆の正確な破壊力が分からなかったため東京ではなく、地方の1都市であった広島が選ばれたことなど日本ではあまり語られない事実が多く流れていた。

確かに日本は原爆の被害者である。ただやはり敵対する両者にそれなりの道理があることは否めない。アメリカでもなく日本でもない、イタリアだからこそこういう切り口で番組が作れるんだなぁとちょっと感心した。
歴史は切り口を変えると全く違う側面が見えてくるものなのである・・・ただ共通して言えることはやはり戦争は"悪"であるということ。
詳しくはこちらRai3 Ulisse
ちなみにこの司会の人、結構好みです


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