イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

イタリアへの昨今の郵便事情

2019年01月26日 10時05分17秒 | イタリア・生活

日本って本当に便利だと思う。
郵便にせよ、宅配にせよ、早ければ数時間、もしくは翌日、遅くとも数日のうちには確実に荷物は届く。
たまに配送するのが嫌になって捨てちゃった、というニュースを聞かないこともないけど、郵便や荷物が届かないと心配することは稀だろう。
日本で生活しているとそれが当たり前、と思ってしまうが、世界はそうではない。

郵便局に行き送付先を「イタリア」というと、必ずと言っていいほど不穏な空気が流れる。
郵便局員の方たちは、イタリアの郵便事情をよく知っていて、「かなり時間がかかるかもしれませんが…」と申し訳なさそうに告げてくる。
あなたたちが悪いわけではないのに、知らずに送った人からやいのやいのとクレーム来るんだろうな。お察しします。
日本から航空便で送れば、1,2日でイタリア入りするだろう。問題はそこから…
どこをどう通っていくのかは不明だが、どうしてそんなに日にちがかかるのか、分からないのだ、誰にも。
郵便にまつわる様々なエピソードは私の過去のページを見て頂ければわかるのだが、「盗難に遭いました」とか車でしか行けない収集所まで取りに行き、悔し涙が流れたことなどイタリア在住経験者なら1つや2つのトラブルに合ったことがない人はいない。
常日頃思っていたけど、これは郵便、宅配の競合会社がなかったせいだと思う。
元国営で守られていた郵便局しか郵送手段がなかったから。
それでも最近はちょっとだけ改善されてはいる。

しかしそれもお金を出せば!なのだ。
DHL他イタリアの会社ではない宅配会社がようやく増え、配達前に電話をくれたり、しつこくメールを送って来たり、と以前よりは早く確実に家に届くようになった。
しかし郵便局は相変わらず…
「あの国は先進国ではない!」これは郵便事情だけではないのだが。
だから極力イタリアには郵便を送りたくないのだが、やはりメールでは味気ない。
古い人間なので、封書や葉書が届いたときの嬉しさをよく知っている。
ということで本当にお世話になった人に出来るだけ日本風のグリーティングカードを送るのだが…

時期が悪い。
12月に入ると郵便事情はいつもより悪化する。
というのも世界中の大多数の人がこの時期に郵便を利用する。
いくらネットで済ませてしまう人が増えたとはいえ、この時期は一年で一番ものが動く。
そして街中がクリスマスのイルミネーションで飾られるように、バカンスモード全開になり、普段以上に仕事が滞るのがイタリア。

まぁ、年明けに着くとは思ってなかったけど、12月13日くらいに出した郵便が昨日(1月23日)届いたとの連絡があった。ふふふ…軽く1ヵ月。
何処を通って行ったんだ???
1か月、それでもイタリアのことを知ってしまうと、「無事着いただけよしとしよう」と思う自分がいる。
どんだけイタリアに汚染されてんだか。
これでもよくなった、と言い切れる自分が怖いが、イタリアに郵便物を送る際には、それくらいの広い心で臨んで欲しい。
それからこれもよく言っていることだけど、荷物を送る場合、中身によって関税がかなり取られる場合があるので要注意。
友人は「お財布」と書いて100€(1万円超)くらい請求された。
中身のお財布はキティちゃんのビニールで出来た1000円程度のものだったらしいが、税関の職員はそんなことは知らず財布→革の発想で関税を高くかけたのでは?
特にイタリア人に内緒で何か贈り物などする場合は注意が必要。
取れるところか取っとけ!は何もここだけに限ったことではないけれど。
とにかくイタリアにおける郵便トラブルのエピソードは尽きない。

ホントに日本は素晴らしい!!
昨年初めて日本に観光で来たイタリア人に「日本の何が一番良かった?」と聞いたら、
「ホテルからスーツケースを送って、翌日にはちゃんと次のホテルに届いていること」と言われた。
ということで、イタリアに郵便を送る時は気持ちにも時間にも余裕を持って。
また日本の郵便局や宅配業者のみなさんには優しく接するように心がけましょう。
今年は12月の頭にグリーティングカードを発送せねば。



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