イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

初旅はLoreto日帰り

2017年01月06日 19時01分57秒 | イタリア・美術

年が明けてまたしばらくあいてしまいましたが、ダラダラもしていましたが、色々調べ物をしていたりもしているうちに三が日が過ぎ、もう6日ですねぇ~
こちらのお正月は1日がお休みなだけで、2日からは普通通り。 
これはいつまで経っても慣れませんね。
但し、6日まではクリスマス&新年モードを引きずっています。
今年はカレンダーの都合で8日までお休みモードですが。
今日はEpifania、救世主の御公現の祝日…ってなんのこっちゃ、という日本語訳ですね。
数日前、日本語で美術史の本を読んでいた時も、確かにその本は素人向けではないのかもしれませんが、「日本語が理解できない!」ということはしばしば。
う~ん、私も分かりやすく説明出来てるかなぁ…
と今朝NHKに出ていた池上彰さんのトークを聞きながらこれを書いています。

で、Epifaniaとは、キリストの誕生を知った東方の三博士が、流れ星を頼りにキリストを探し歩き、ようやくキリストの元にたどり着いたことをお祝いする日。 
というのが宗教的な意味で、もう1つ、Befanaという魔女が良い子にはお菓子を、悪い子には炭を持ってくるという日。
こちらの子は何かにつけてプレゼントがもらえて羨ましい限りです。
今日はすごく天気が良かったので、ちょっとPistoiaまで行っていたのですが、その話は…出来るのか?

ちなみに昨日、冬のセールがイタリア全面解禁されました。
たださっき外から「助けて~誰かその人捕まえて。」「泥棒!」という叫び声が聞こえました。
また去年目の前でATMから下ろしたばかりのお金をひったくられたのを見たのもこの時期。
この時期は泥棒さん、超稼ぎ時です。
混んでいる店の中などくれぐれも注意してくださいね。

さて、12月は本当に充電していました。
ベルリンのテロの影響でも寒さのせいでもなく、なんとなく出なかったんですけど、年が明けてカレンダーを見てびっくりした。
げげげ、もう時間がない!
帰国するまでに見たいものまだまだ有るよ~ということでようやく重い腰を上げました。
そして初旅はLoretoへ。
目的はこれ

昨年の9月Montefiore dell'Asoまで行ったにもかかわらず、見られなかったCarlo CrivelliのPolittico di Montefiore dell'Aso
残念ながらCarlo Crivelliは2作品有るのですが、1作品しか来ていませんでしたが、それでも十分満足。
やはり本物を見ないと…

ただ実は行くか、行かないかすごく迷っていました。
どうせ行くなら他にも見たいものが…と思ったものの、
昨年の地震の影響で、Marche州ではかなりの教会、美術館が安全性に欠けるため閉まったままに。
あ~このまま閉まったままにならないと良いんだけど…
ということでLoretoに日帰りで行くとすると、結構つらい。
Firenzeから341キロも有った。
東京、名古屋くらい。
って新幹線なら大したことはないですが、イタリアの電車ですよ。
Firenze-Bologna-Ancona-Loretoというコースが妥当なのですが、とにかく乗り換え時間が微妙で、どこで乗り遅れてもおかしくない。
更にこの時期は天気が悪いかも。天気が悪いと電車遅れる可能性が増す…
ということでずっと迷っていたのですが、年末本屋に行った時にこの展覧会のカタログを見て、やはり「行かないで後悔するより、行って後悔した方がいい」ということで、出かけることにしました。
会期はこの日曜日まで。

1月5日は2017年初の悪天候、寒波がロシアから来ると言われていて、案の定途中で雪が積もっていましたが、Loretoに着いた時は

「天気良いじゃん、寒いけど」と思わず言ってしまったくらい。
でも、実はこのあと痛い目に遭うんですけどね。
駅から歩きます。
30分弱なのですが、行きはひたすら上り…

これが最後の階段ですが、人っ子一人居ません。

ぜ~ぜ~言いながら頂上到着。
お昼閉まっちゃうかな?と思ってまず大聖堂に入ると丁度ミサの最中だったので、こっそり見たいものだけ見ました。

このMelozzo da Folìの作品と

Luca Signorelli
そして外へ出ようと内陣前を通ると

Presepeがすごく素敵でした。

広場にもPresepe

気持ちが良い青空だったんですよ~この時間は。
そして展覧会のCarlo Crivelli思いっきり堪能しただけでなく、この美術館が保有しているLorenzo Lottoもなめるように見て来ました。
この間、なんとなく風強そうだなぁ、という音は聞こえていたのですが、外に出てびっくり!
「雪降ってんじゃん!」更に風が強いからブリザード状態。

雪舞ってるから写真には写りません。
傘持って来たんだけど、この風だとなぁ…ということで、傘もささずに目的の場所へ。

 良かった~開いてた。
こんな天候だからお客さんは私だけ。いや、前回来た時も私だけだった…
トリップアドバイザーでは評価良いのにね。
ここのPiadina、絶品なんですよ。

今回はCrudo(生ハム)、ルッコラとMarcheのチーズで発音が非常にしにくいSquacquerone
う~んこれ最強の組み合わせだわ。
良かった、味変ってない。
日本に出店して欲し~

食べているうちに雪は止んだので、ちょっとだけ街をぶらぶら

Presepe有りました。

これかわいい。
幸い(?)お店は閉まってました。

去年首相官邸で見たPresepeに再会。
ここには等身大のPresepeも売られていましたが、さすがにそれはいらんいらん。
 
大聖堂の前に戻って来ると、ここにも

Madonnaroと呼ばれる人の作品が。
Firenzeにもいますが、Madonnaroとは元々聖母の絵を描いて売る画家のことを指していたみたいですね。

電車までに時間が中途半端で、大聖堂の入り口が開いていたので再度中へ
ここは完全に暖房が入っていました。
この広さを温めるなんてすごいなぁ~

天使が運んだというSanta Casa(聖なる家)が中心に有ります。

これがそのシーン。
勿論この大理石の”家”ではないですが。
初めて”家”に入った時、キリスト教徒ではない私ですが、言いようのない不思議な感覚を感じました。
今回も前回ほどではないのですが、何か不思議なものを感じました。
流石天使が運んだ”家”だけあるわ。

そして街を降りる前に

またPresepeを発見。どんだけ見るんだか…
入り口でちょっとだけ寄付をしました。

電気仕掛けの作品が続き、最後ではキリストの手が動いていました。
誰もいないのでちょっと怖いのですが…

こんな人もいました。

そんなこんなで街から降りて(下りは楽々)、前回調べておいたけど行かなかったお菓子屋さんでコーヒー飲んで行こう、ということで寄り道。
疲れていたのか、甘っ~いの食べたかったのですが

この”切り株”といういうお菓子、生クリームが全然甘くなくて…
甘くないのは良いんですけど、もっと甘いのが食べたくてちょっとがっかり。
美味しかったんですけどね。

Befana(魔女)いっぱい。
これにお菓子を入れるんだけど、あれ?もしかして昔よくクリスマスに日本でも売られていたブーツに入ってたお菓子。
もしかしてここから来てる?
間違ってるじゃん、日本人。
そうなんです、Befanaは靴下にお菓子(炭の子もいるけど。炭は黒い砂糖菓子ですが)を入れてくれるので、子供たちは5日の夜靴下をつるしておきます。

そしてこの後駅に着いたら丁度電車が来たんです。
でもネットで切符を買っていて、普通の切符ならRegionale(普通)の場合、どの電車に乗っても問題ないのですが、ネットに切符の場合は予約したより前の電車には乗れません。
勿論遅れた場合(大抵は電車のせいだし)には乗れるんですよ。
でも、Anconaでの乗り換え、もし私が予約した電車が遅れて乗り遅れたら困る、ということでダメもとで来た電車の車掌を捕まえて
「この電車にこの切符で乗れますか?」と聞いてみた
すると車掌さん「基本的にはダメ。でもいいよ、乗りな」と。
ラッキー
イタリアってこういうところが良いですわ。

しかし、こういういう時は遅れるんだよねぇ。
Anconaで乗り換えるインターシティが15分遅れてる。
南から来る電車、距離が長い電車、そしてこの天候…さもありなん。
Bologaでの乗り換え時間は25分。
このまま15分の遅延ならなんとか行けるだろうと思っていたら、なんとまさかの25分遅れ。
これはダメかも…ああ、いやだいやだ。
ということで30分弱遅れている電車に乗り、直ぐに切符を調べにやって来た車掌さんに
Bolognaでの乗り換えの切符を見せながら「この電車に乗れなかった場合はどうしたらいいですか?」と聞くと
「25分かぁ。大丈夫、これから頑張るから」とイタリアらしい回答が。
確かに行きも10分の遅れをどこかで取り戻していたけど、30分だよ!?
そしてこのわけのわからない自信はどこから来るんだ…

でも結果、最後の最後は10分位の遅れまで巻き返したんですよ。
さすが、というか…どこで巻いてるんだろう?
スピード出し過ぎとか?危険危険。
Bologna駅に電車が止まったのが、次の電車の発車の12、3分前。
降りるのに手間取った人たちのせいで、ホームに降り立ったのは多分10分を切ったくらい。
ホームを急いで確認すると、なんと一番遠い、新しい地下のホーム。
げげげ、新年早々ダッシュだよ。
そしてこのホーム、良く分からない。
とにかく走った。
途中で電車が来るので気を付けてアナウンスが流れ、やばやばやば。
なんとかホームにたどり着いて、息を整えていたら電車が入って来ました。
セーフ!でも死んだ。

結果的には今年も旅行の神様は付いているみたいですが、新年から筋肉痛ですよ。
まぁまだ走れただけいいですけどね。 

そんなこんなだったのですが、フィレンツェに着いたら結構暖かくて最後のぶらぶら

最後のツリー

キリストがやって来たPresepe

夜のウフィツィ美術館

プロジェクションマッピングされたVecchio橋

こうしてクリスマスモードは終幕します。



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