台風の影響をわずかな差でかわして、先週末長崎へ行ってきました。
なぜ突然長崎に行くことにしたかといいますと、先週新聞に「春日の棚田」の写真が載っていたから。
更にその前に、テレビの世界遺産関係の番組で、大浦天主堂の建築関係のことをやっていて、それを見た時に「これ見たい!」、と思ったのです。そして世界遺産にこの辺りが登録されるということで、そうなるときっと人も集まるし、間もなく夏休みに入って料金も上がるだろうから、ということでいきなり旅立つことにしたというわけ。これで台風かわせたのは、奇跡でしたね。
丁度タイミングよく先週の土曜日長崎・天草の潜伏キリシタン関係の遺跡が世界遺産に登録された瞬間に立ち会った(何もしてないですけど)わけですが、やはり行く先々で、地元の人の歓びが伝わって来ました。
なんでも、世界遺産に登録されるまでは非常に長い道のりだったとか。
関係各位の苦労は想像できます。
ただ、世界遺産に登録されて全て終わりではありません。
むしろこれからそれを維持していくことの方が大変なのでは?とイタリアに居た時、色々な場所を見、話を聞き思いました。
また、日本の例でいえば「石見銀山」や「富岡製糸場」
どちらも大変だと噂では聞いています。
特に今回登録された潜伏キリシタン関連の場所は、非常にデリケートな場所が多いです。世界遺産に登録されたことで、マナーの悪い観光客に荒らされなければいいな、と切に願います。
さて、世界遺産関係に進む前に、まず長崎と言えば、訪れなくてはいけない場所が有りますよね。
そう、原爆関係の場所です。
ここは言わずと知れた平和祈念公園です。
原爆が落とされた場所の近くに刑務所が有ったこと、今回初めて知りました。
平和の鐘
そしてこの碑に刻まれた苦しい思い…
戦争を決して繰り返してはいけないし、核兵器は撲滅を切に望みます。
平和祈念公園から爆心地へ。
長いエスカレーターが有るので、足の不自由な方でも助かります。
エスカレーターを降りると、防空壕の後が有りました。
そこを見たあと、爆心地の方へ。
最初に目に入ったのは、1本の柱。
今まで数多くの教会を見てきた私にはこれが教会の柱、アーチであることは一目瞭然。
教会の入り口に狛犬?
西洋ならライオンですが…
柱頭には葡萄の柄、てっぺんには聖人(?)の姿も。
爆心地の程近いこの場所で、よくこれだけ残ったなぁと思ったら、これは後に移築されたものなんですね。
原爆が落ちた直後、浦上天主堂はこうだったそうです。
これだけ残っていたのに、なぜ広島の原爆ドームのように残さなかったの?
というのは単純な疑問。
しかし、回答は複雑。
その辺りは高瀬毅氏の「ナガサキ・消えたもう一つの原爆ドーム」 (文春文庫)に詳しいようなので、読んでみたいと思いますが。
唯一残った柱が立つのが、爆心地
原爆が落とされた場所には現在は御影石で出来た塔が立っていました。
今ではここに原爆が落とされたことなど、想像もできません。
そしてここから資料館へ。
入口に現ローマ法王からの手紙がありました。
広島と長崎の市長が法王に是非この2都市に平和を訴えるために訪れて欲しいと書き送った手紙へのお返事でした。
そういえば法王は今年の年始、「これが戦争の結果」というメッセージを添え、このカードを配布しました。
これは1945年米軍の従軍カメラマンが広島で撮影したもので、亡くなった弟を背負った少年が火葬場で直立不動で立っています。
カードには法王のサインと共に「少年の悲しみは、かみしめた唇とにじんだ血に表れている」という説明が記されたということです。
年始と言えば、昨年日本に向けて何度もミサイルを飛ばしてきた北朝鮮情勢が悪化、一触即発、戦争も辞さない雰囲気でしたよね。法王は核兵器のない平和な世界を希求し、このようなメッセージを贈ったのでしょう。
このメッセージが届いた、とは思えませんが、とりあえずあの首脳会談で、状況が好転したことは皆さんご存知ですよね。
展示室へは螺旋階段を下りて行きます。
スロープになった壁には、年号が書かれていて、その数字は1945年へと向かっていました。
途中
オランダ人のマナ・オリ氏が一枚の紙で作った連鶴が壁に飾られています。
平和への強いメッセージがそこここにあふれていました。
中に入ると、やはり一番印象的だったのはこれ(館内はフラッシュ抜きなら撮影可)
被爆当時の南側入口の再現造型。
そして被爆した像など(実物)が展示されていました。
鷲?だったらこれはヨハネですね。
爆心地から約500メートルのところにあった浦上天主堂にあった像。熱線で黒く焼かれています。
鷲もまるでうなだれているようです。
そして私が気になったのはこれ。
原爆投下後に米軍が飛行機から落としたビラ。
日本の敗戦の状況を知らせたものです。
広島の平和資料館に行った時も、沖縄の戦争跡を巡った時も、そしてポーランドのアウシュビッツに行った時も同じような感想を持ちましたが、これらの場所はやはり訪れるべき場所で、過去の負の遺産について考え、未来の平和を考えなければいけないと切に思いました。
館内には日本人以上に外国人を多く見かけましたが、年々戦争経験者が減り、平和ボケしているという日本人にこそ是非訪れて欲しい場所の1つです。
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ご紹介できたのに、残念だな、と感じました。
よい旅行だったことを願ってます。
コメント&お心遣いありがとうございます。
実は旅行が決まった時、お伺いしようかと思いましたが、いつも色々教えて頂いている上厚かましいかと…
今回はかなり美味しいものを食べることができましたし、非常に充実した旅行になりました。思ってた以上に長崎は素敵で、興味深い街でした。是非また訪れたいです!
旅の様子は少しずつアップして行く予定なので、またご指摘よろしくお願いします。
余談ですが、一緒に行った父は、中華街があまりにも横浜のと違う事に驚いていました。(笑)