先週のNHK「チコちゃんに叱られる」で、お内裏様=男雛、お雛様=女雛というのは間違えで、お二人そろってお内裏様、お雛様とは男雛、女雛のカップル以外のことを言う、と聞いてちょっとびっくり。
はい、「ぼ~と生きて」いましたね。
また、関東に住む我が家では、男雛は向かって左にお座りになっていますが、関西ではこれが逆。実はこの関東風の置き方は昭和天皇がご即位する時、洋装の天皇陛下が皇后陛下の左側に立たれた様子を見た東京人形卸商組合がそれを参考にして、男雛を左に置いたからとのこと、関東関西で違いが位置が異なることは知っていましたが、理由までは知りませんでしたよ…
そんな前知識をうっすら残した頭で、昨日サントリー美術館で開催中の「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」を見に行ってきました。
すると、ここにも「ひな祭り図」がありました。
明治3(1870)年に描かれたもので、画像は公式図録より借用しました。
時代的にもこちらのお内裏様は男雛が左です。
少女と2人の菩薩が楽し気に雛人形の飾りつけをしています。
少女には既に光背が…
ということで彼女は既にこの世のものではありません。
実はこの少女、14歳という若さで亡くなった日本橋の小間物問屋・勝田五兵衛の娘たつ(田鶴)。
明治3(1870)年3月10日という年記から、たつの一周忌のために描かれたものと推測されます。
たつの時世の句には
「あそべるも ことしかぎりか 雛まつり」
とあることから、たつはひな祭りを楽しみにしていたのでしょう。暁斎があの世でも楽しそうにひな人形を飾っている様子を描くことで、幼い娘を亡くした五兵衛を慰めるとともに、追善供養のために制作されたと考えられます。
なんとも面白いのは釈迦如来の元にお内裏様を差し出す閻魔大王と奪衣婆(だつえば)夫婦。
既にお内裏様が雛壇に飾られているせいか、お釈迦様は困ったように頭を抱えています。
天空から舞い降りてくる甘酒を手にした天女は、カーテンがかかっていない部分から中へ入り込んでくるよう。
表装に描かれた掛け軸。画中画のような表装の効果は素晴らしい。
天女から舞い散った桃(桃の節句だから花びらは桃ではないか?という個人的な見解)の花びらで、閻魔夫妻にお茶を運んで来た菩薩はふと顔を上げる。
たつの顔は生前はきっとこんな生き生きしてはいなかったのかもしれないが、ここでは丁寧に胡紛で塗られたあと、肌色に塗られ生き生きとしていて幸せそう。
胡紛には、はまぐりが用いられことが有るので、その辺りにも暁斎のこだわりが感じられはしませんか?
(参考:展覧会公式サイト)
河鍋暁斎のイメージがすっかり変わった非常に面白い展覧会でした。
他の作品については後日ご紹介できればと思います。
それでは皆様よいひな祭りを!!
美味しそうですね。京都は本当においしいものが多くてそれだけでも楽しみです。
長崎は一番に桜の開花宣言が出ましたね。今日は関東地方非常に寒いのですが、間もなく満開の桜が見られるかと思うと心が躍ります。
昔は京都駅の近くのビルに店があったので、よくいったのですが、今は嵯峨野にひっこんでしまったようです。
ただ、日本料理の本道は仕出しですからね。
URLもご参考に。。
ありがとうございます。
展覧会の件はチェックしていませんでした。楽しみにしています。
山科様
いつも色々な情報をありがとうございます!
とても美味しそうなお弁当ばかりですね。京都には美味しいものがいっぱいですが、なかなか「どれ」、と選べないので有益な情報を頂けて非常に助かります。
萩の家 のお弁当をお薦めしたいのですが、
今は予約で、しかも京都駅東端にしか店がないので、ちょっとどうかな?
URLに「萩の家」ファンの人のブログを紹介しておきました。
京阪3条や出町柳あたりの売店では、まだ売ってるそうです。
2020年のNHK 大河ドラマは明智光秀の生涯についてだから、山崎の合戦跡が眺められるのでいい機会ですね。
日曜美術館で紹介された印象派の絵が多い山形美術館の吉野石膏コレクションが今年、大阪と東京を巡回します。
↓ こちらをご参考に。東京では三菱1号館です。
https://www.museum.or.jp/modules/jyunkai/index.php?page=article&storyid=558
コメントありがとうございます。
今年は日本美術の展覧会の方が多いみたいで、これを機に色々勉強させていただいています。ご紹介いただいた本も面白そうですね。
実は今月末、父の希望で花見もかねて大山崎山荘美術館に行くことになりました。(父は美術館より歴史の方が興味が有るようですが)京都市内はどこも人が多いし、年老いた両親のお供なので、自分勝手には動けないのですが、今から楽しみにしています。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の直営店が有ることは知っていましたが、レストランも有るんですね、本店にはないのに!情報ありがとうございます。
私が今読んでいる本は日本画家の平松礼二著"モネとジャポニズム"です。私が年末年始に行ったエトルタにも行かれていて、その時のことなどが書かれています。フランスやドイツでも個展を開いたことがある方です。
きょう桜の開花予想が出来ました。いつもより早い開花のようです。もし、京都に行ってみようかな、とお思いでしたら、フィレンツェの思い出がよみがえる、サンタ マリア ノヴェーラ教会直営(たぶん---)のイタリアレストランがあります。
↓ ご参考にしてください。
http://www.smn-tisaneria-kyoto.jp/