イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Palazzo Vecchioの秘密の抜け道ツアー その1

2014年10月24日 22時36分00秒 | フィレンツェのこと

ここのところ気候のせいか午後ものすご~い睡魔が襲ってきます。
もしかしたら病気???
いやいや、脳みそ使いすぎかなぁ・・・
しっかり寝てると思うんですけどね

いよいよ寒い冬がやってきましたよ。
日曜日からいよいよ冬時間ですから当然ですね。
日が短くなったもんねぇ・・・
と言いながら今日はまたちょっと暖かくなっていました。
あ~今年は夏がなかったせいで寒くなるって言われてるんですよ・・・

さて、なんか色々やること有るんですが、これ書いちゃわないとね。
昨日は初対面の人と意気投合して結局6時間くらいしゃべり続けちゃったからねぇ。
でも本当にステキな女性で、私も元気をもらいました。
あっ、今日はこれで寝不足か?

ということでPalazzo Vecchioの秘密の抜け道ツアーの話に行きましょうね。
眠気が襲ってくる前に・・・

この階段を登るんです。

登る

登る。結構登りますよ~

作った当初は窓なかったらしいですけど・・・

ここから更に細くなります。
なんか抜け道っぽいですね・・・
Duca d'Ateneはここを松明をつけて降りて行ったんですねぇ。
誰にも会わずに宮殿から外に出るために。

まだ登る
この狭さからやはり昔のイタリア人はそんなに大きくなかったんだなぁ、と思います。

ようやく明るい場所に出ました。

これが今上がってきた螺旋階段。

大きい人はちょっと無理じゃないかなぁ・・・

それがこの部屋です。
ここは完全に今風に改築されています。
で、この部屋で、Palazzo Vecchioに座りながら説明があったんです。

これが全体図。横過ぎでよく分かりませんね。
そしてここから

このドアの先へ・・・

想像はしていたんだけど、やはりここに出ましたね。

Studiolo di FrancescoI(フランチェスコ1世の書斎)

書斎というとちょっと違うんじゃ?と思うんですが、ここFrancescoIの趣味を収めた秘密のお部屋、宝箱という感じ。
彼の奇妙なコレクションがこの部屋に隠されていたはず・・・ってどこに?
という疑問が解けました。

壁はこんな感じで絵が描かれています・・・ってぼけてる写真でごめんなさい。
それが

こんな感じに開きます。

ここに宝物をしまっていたらしいのですが、適当にしまっていたわけではなく

この絵のモチーフと中身があっていたんですって。

何枚か説明してくれたんだけど・・・
ギリシャ神話・・・ああもう何がなんだか覚えてないです。
あっ、これは覚えてる

今お姉さんが見ているこの絵

ここにエロスがいるんです。

この子供みたいなのがエロスなんだそうですよ。
でもここに何が入っていたのかは・・・忘れた。
こちらの部屋は時のインテリVincenzo BorghiniのプロジェクトでVasariが作ったのですが、Vasariの作品は

これだけ。
他は彼の弟子の作品です。
あっ、ちなみにここあけると

この向こう側はSalone dei Cinquecento、500人広間です。
そして天井の方には

FrancescoIの母Eleonora di Toledo(Alessandro Allori作)と

父CosimoI こちらもAlessandro Allori作
そして本人は

ここにいますが・・・光ってるなぁ

この右端にいるかがんでいるのがFrancescoI
錬金術に励んでいるところです。

そしてこの部屋これだけじゃないんです。
ここにも秘密が・・・
それがここ

絵の後ろに隠れていましたよ。

抜け道、抜け道

2箇所有るんです。
で、こちらから上がっていくと

部屋がありました。
あまりに狭くて全体像が取れませんでしたが(4畳半くらい?6畳はなかったよね?)、ここにCosimoIのStudiolo(書斎)が有ったんです。

ここにも戸棚があってここに収納できるんです。
参加者が勝手にドアを開けてしまって怒られていました。

床は全面大理石なんですが、3種類の大理石が使われています。
白いのがCarrara
ピンク・・・には見えないですが正方形のやつかな?これがPisa
そして長方形(緑)がFirenze
ということでFirenzeが征服した2都市の大理石が使われているんです。

下を見たら今度は上を。
1559年vasariのプロジェクトで再装飾された天井の4人のevangelisti福音書記者はVasariの手によるもの、他の天井のアーチの芸術とミューズの擬人化は彼の弟子たちによるものです。
芸術派 Pittura(絵画), Scultura(彫刻), Architettura(建築) 、 Musica(音楽)が天井のの四隅、
 Astronomia(天文学), Filosofia(哲学), Poesia(詩)、Geometria(地理) が四隅の間(?) に描かれています。
これはなんだ?

これは天文学ですね。

これは分からないなぁ・・・

そして天井の真ん中は光って判読不可能ですが4人のEvangelisti福音書記者のシンボルが描かれています。
FrancescoIのStudioloと比べるとこちらは宗教色が強く出ていますね。
Wikipediaでもここは「Palazzo Vecchioの小さな秘密」と紹介されていますね。

入ってきたほうではないところから出ます。

息子の書斎に到着。

こちらが出口

そしてこちらが入り口でした。
ということでこの部屋は終了。

こちらから外に出て最初の部屋に戻ります。
私たちが全員出たのを確認して、このドアの鍵を閉め、Salone dei Cinquecento(500人広間)のドアを開けていました。
そしてここから私たちも広間の方へ向かいますが
外回りで・・・

一瞬どこに出たのか分からなくなりました。

普段こちら側には来ないからねぇ・・・
これアルノルフォの塔の上についているののオリジナルLeone rampante
左後足で立ち上がり右後足を前に出す。前足はそれぞれ前方と上方に揃えずに突き出しているライオンが付いています。
Marzocco(マルゾッコ)と呼ばれているこのフィレンツェのシンボルのライオンはフィレンツェ共和国時代の市民の力の象徴。
中世イタリアの都市ではこのトーテム信仰が強く例えば Pisa、Forlìは l'aquila(鷲), Luccaはpantera(豹), Pistoia l'orsa(熊), Arezzoはil cavallo(馬), Sienaは la lupa(おおかみ), Perugia はil grifone(ハゲワシ), Veneziaはil leone(ライオン)などを奉って(?)いました。

このFirenzeのMarzoccoはラテン語の"martius"が語源。
ちょっと脱線しますが、今朝図書館で顔見知りのおじいさんに
「今何の(試験)勉強しているの?」と聞かれたので
「ラテン語です」
と答えたらしばらく間があって
「Classico(高校の種類)で勉強したの?」と聞くので
「いいえ、日本にはラテン語は存在しません」と答えると
驚いたような、哀れな顔をして
「普通は5年も勉強するんだよ。」「君に幸あれ!」と言われちゃいました。
あらら・・・どうするんでしょう、私。

話は元に戻って
martius=di Marteということで戦いの神マルスのことを指し、これは小さなマルスを意味しているんだそうです。
なんか今Wikipediaを読んでいてすごいことが分かりました。
何でも1300年代Palazzo Vecchioのすぐそば(via della Ninna)で檻に入れた生きたライオンを飼育していたそうです。他にも30頭(か匹か種類が分からないので分かりませんが)あまりの動物を飼っていたらしい・・・
だから今でもその場所はVia dei Leoniって呼ばれているんですって。

何でそんな場所でライオンを飼育していたのかというとスコットランドのマルカム4世の兄弟Guglielmoを称える為、とか。
GulielmoはIl Leone(獅子)とも呼ばれていたらしい。
1165年Firenzeにとってよい政治を行ったということで紋章にこの動物を描いたとされています。
生きたライオンもGulielmoのためなのかは書いていませんでしたが、最初Piazza San Giovanni(洗礼堂の周り)のTorre del Guardamortoの隣に置かれていたものらしいですが、13世紀にシニョーリア広場、宮殿の裏側、現在のvia dei Leoniとvia dei Gondi、Torre del Guardiagoのあるところに移されたそうです。
1550年檻はvia del Maglio (現via Lamarmora), Giardino dei Semplici(現Firenze大学の自然史博物館)の隣に移動1775年LeopoldoII大公が廃止するまでそこにあった(いた?)そうです。
生のライオンは見られませんが、特にPalazzo Vecchio周辺ではこのMarzoccoがたくさん見られますね。

ということで次回はSalone dei Cinquecentoのお話から・・・ということにしましょう。
やっぱり冷えて来ましたね。でもまだ外で食べてる人いるようです。
とりあえず睡魔は襲って来ませんでしたが、早く寝よ~



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