自由からの逃走 新版 | |
日高 六郎 | |
東京創元社 |
フロムの遺産 | |
Daniel Burston,佐野 哲郎,佐野 五郎 | |
紀伊國屋書店 |
今日も、第3弾ということで、エーリヒ・フロム氏の言葉を、少々長めですが、ご紹介したいと思います。前回と同様、『愛と性と母権制』から。
「愛は常に、我々が愛するものの成長と生きていることに対する積極的な配慮であり、それ以外のものではありえない。なぜなら、生そのものは、成長、統一、統合の過程であり、生きているもの全てに対する愛は、この成長を更に促進したいという強烈な願いであるはずだからである。」
「母性的なものの本質:‘胎児を育むうちに、女性は男性よりも早く、自らの自我の限界を超えて愛の配慮を他の存在に及ぼし、己れの精神に備わる一切の創造力を、異なる存在の養育や美化に発揮できるようになる。いまや女性を基点として文明化のあらゆる高揚は生まれ、女性を基点として生活におけるあらゆる善行、あらゆる献身、あらゆる養育、あらゆる死者への哀悼が生まれる’バハオーフェン『母権論』」
「他者に対する愛、養育、責任意識、これが母親の創造するものである。母性的愛こそ、あらゆる愛とあらゆる利他主義が生まれるもととなる種子である。しかし、それだけではなく、母性愛を基礎として、普遍的人間主義が発達する。母親は子供を愛する。だがそれは、子どもが子どもなるがゆえにであって、子どもがあれこれの条件を満たしたり、期待に応えたりするが故にではない。子どもがあれこれの条件を満たしたり、期待に応えたりするがゆえにではない。」
「母親は子供たちを分け隔てなく愛する。こうして、子供たちは、お互いが同等であることをしるようになる。それは、子供たちの中心的な絆が母親との絆だからである。
‘子を産む母性からこそ、あらゆる人間を兄弟姉妹とみなす普遍的な友愛意識が生まれる。だが、この意識及び承認は、父性の完成と共に滅び去る’
母系中心的文化の根底にある原理は、自由と平等、幸福と生の無条件的肯定にある。」
… 母性賛歌のような言葉の羅列になりましたが、もうすぐクリスマスということで、聖母マリアの、普遍的な、全人類の母という、ほっくり温かなイメージを、ピックアップしてみるのも良いかなと思った次第です。
クリスマスには、しっとりとした素敵なストーリーを、是非ご紹介したいと思っています。今日は、降雪があった地域もあったと思います。今年の聖夜は、ホワイトになるのでしょうか?