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~ 佐藤初女さんについて ~
1921年青森市生まれ。小学校教員などを経て、弘前染色工房を主宰。'83年、自宅を開放して「弘前イスキア」を開く。'92年、岩木山麓に「森のイスキア」を開く。苦しみを抱え、救いを求めて訪れる人たちを受け入れ、食事をともにし、寄り添う活動を続けている。'95年、映画『地球交響曲〈ガイアシンフォニー〉第二番』でその活動が紹介される。イスキアでの活動の他、国内外で講演やおむすび講習会などを続けている。
《2012.2.8 ご自宅訪問時に頂いた郷土の食膳・お土産におにぎりも》
NHK等にも出演されたこともあり、また女優の小林聡美さんがご紹介されたりしたことで、メディアにも登場されていたのですが、今年で92歳というご高齢。私も昨年、是非お会いしておかなければ、と意を決して、豪雪の弘前のご自宅にアポ付きでご訪問させていただきました。その当時は、東京でも何度か講演活動されていたので、私も何度か聴衆席でお元気なお顔を拝見していました。著作も多数あり、どれもこれも料理、命にまつわる人生訓に満ちています。そして、その訪問客を迎える姿勢は、元祖おもてなしの達人レベルです!
《2012.6.9 講演会(東京)から》
希望と夢は、今という時を大切にすれば、自ずと実現する。
小さなことでも、実践→喜び→分かち合い→喜び→実践→喜び→…活き活きした力の好循環が生まれる…
命とは、生きること。生きることとは、人の道を実現すること。人の道を実現することとは、人の役に立つことを気付きをもってやっていくこと。
人は正しく生きていると、神様に代わる人と必ず出会う。
一番確実なのは、「今」だけ。
《著作『おむすびの祈り(1997)』から》
私は、受けとめることによって、自分もまた大きなものを与えられているのだということを、大変強く感じます。支えることによって、私もまた支えられています。人は、いつも誰かと共に生きています。また、苦しみは決して苦しみだけに終わることなく、いつかは必ず喜びに変わります。
今を満足し、嘘や偽りなく、正直に生きていれば、今日の満足が明日の希望になり、先のことは不安になりません。
私は、…ただ、自分のしたことをごまかして嘘をついたり、自分をよく見せようとして偽ったりすることだけはせずに、生きてまいりました。ですから、私は今とてもやすらかな気持ちです。
《著作『朝一番のおいしいにおい(1997)』から》
わたしは、「苦しいー」と思うほど、とことん苦しみます。それを中途半端に妥協し、自分なりに理由づけて解釈をしたりしますと、一見解決したように見えますが、実は本当の解決にならないで、残っています。残っているとすっきりしないんですね。
もうこれ以上はできない、もう限度、というところのどん底にまで落ちるんです。落ちてしまうと、這い上がらなければ生きられないので、這い上がる努力をします。それが上に活きるという意味で、「上活」というのだそうです。そこまで行かないと苦しみから抜けきれないんですね。
わたしの恩師は「禍福はあざなえる縄のごとし、禍(わざわい)と福は必ず繰り返し巡ってくるものだから、幸せのときこそけんそんに、苦しいときにも希望を持ちなさい」と言われました。
わたしはこの言葉に励まされて、苦しみにあうたびに、「次に喜びがまっているんだ」と、希望を持つんですよ。そう考えると、苦しみを受け止める力がむくむくと湧いてくるような気がします。
…以上。今日は、たくさんご紹介してしまいました…