野球小僧

経験は「積む」より「並べる」べし

経験というのはとても怖いもの。
それを積むと、その分だけ判っているからと想像しなくなっちゃう危険性もある。
山というのは一つとして同じ山はない。同じ山を登るのでも季節が変われば条件はまったく違う。時間によっても山は表情を変える。だから、一度登ったからあとは大丈夫、ということは絶対にない。
経験したからここは良し、という部分は決してない。
だから、いつもゼロの状態から始めたい。できることならマイナスからスタートしたい。
いくら経験を積んだからと言っても、山を登る苦しみが消えるわけでもない。
8000m級の山を14回登っていても、次に登るときはまたゼロからのスタート。
そういう気持ちを保てるかどうか。想像がどこまで豊かにできるか。

日本人で初めて標高8000mを超える14の山すべてを登頂したプロ登山家竹内洋岳。
経験は「積む」より「並べる」ことだと言います。経験はあった方が良いのですが、積んではいけないと言う。

2007年。ガッシャブルムⅡ峰に挑戦した時に雪崩に巻き込まれ、全身打撲で片肺が潰れ、背骨の一つが破裂骨折、肋骨5本折れていたそうです。一緒に雪崩に遭遇した仲間はそれで命を落としています。

その時、「絶対に生き延びてここに戻って来る」と誓ったそうです。翌年、同じ山に挑戦。
背骨を折ったからこそ「二度と折りたくない」と思うそうです。痛い経験はしなくて済むならその方が良いですから。でも、その痛みを忘れないようにすることが大事で、それが「並べる」ということだと思っていると言う。

私なりに解釈すると「経験を積む」ということは、その言葉のとおり積み重ねていくことです。
つまり、経験すればするほど経験値は高くなっていきます。しかし、積めば積むほど高くなり、過去の経験を下から引っ張り出そうとするのは難しいです。
でも、「経験を並べる」ということは、平面に敷き詰められて、空白部分がどんどんとなくなって行きます。それを引っ張り出すのは「積む」よりは早く容易なことです。

自分の意識の持ち方、考え方だとは思いますが、「経験を並べる」という言葉の意味がなんとなく分かるように思えます。

人生は同じこと。野球も同じことが言えると考えます。

経験を積むと、その分だけ判っているからと想像しなくなる。一つとして同じプレーはありません。
同じようなプレーでも試合ごと、イニングごとに違います。だから大丈夫ということは絶対にありません、経験したから大丈夫はないのです。

私もよく言いますが「一つ終わると、ここからがまたスタート」。

次の試合、いいえプレーはゼロからのスタート。そういう気持ちはやっぱり必要なのです。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
eco坊主さん、こんばんは。


何だか禅問答のような話ですが、経験を積み重ねておくだけでなく、それを使えるようにすることが大事なことだと考えます。


人は痛い目にあって初めて反省するのですが、その前に回避することが出来れば一番いいのでしょうね。


eco坊主
おはようございます。
おはようございます。


経験は「積む」より「並べる」ですか!?
なんとなくわかるような、わからないような・・・

でもこれだけは言えます。
失敗した経験だけを積み重ねて今になっている小生です(^^;
だから並べてすぐ取り出しても失敗経験だけ(笑)
  余りにも多いから成功経験を並べるスペースが無いのかも~(^^;;;



人は経験を積み重ねて背負っているから齢を重ねると腰が曲がるのでせうか??
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