がんばれ、ニッポン!

なんだかんだ言っても、オリンピックを観てしまいます。また、なんだかんだ言っても、日本人の活躍を驚き、心を揺さぶられるものがあります。

体操個人総合で二連覇を達成した内村航平選手をはじめ金メダリストたちは、やっぱり素晴らしいものです。もう、既に見飽きてしまった感がある内村選手が金メダルを獲得した鉄棒の着地をピタリと決めた瞬間は、「凄い!」の一言以外になんて表現したらいいのか判らないほどです。あの土壇場でのプレッシャーの中で完璧な演技で最後の大逆転を演じられたのは、もう、私が足を踏み込むことがない異次元の世界に魂があるではないかと思うくらいです。

さて、各種目のメダリストたちは、このリオデジャネイロオリンピックを目指して、4年間かそれ以上の期間準備してきたものだと思います。オリンピックという場所に居るだけでもすごいものだと思うのですが、メダリストはその頂点に立つ人ですから。

しかし、そのたった一つのメダルを目指して、戦ってきているのはオリンピックに出場した選手だけでなく、世界中には何万人もの選手がいます。また、さらにその予備軍がいます。

みんな、このリオデジャネイロを目指して全力で走り続けました。練習やプレッシャーなどで苦しい時間を過ごして、努力してきたのはメダリストたちと何ら変わらないものだと思います。

ただ、オリンピックも技を競うものである限り、勝者と敗者が存在します。

柔道女子63kg級の田代未来選手。今回、好調な日本柔道チームにおいて、田代選手は3位決定戦で負け、メダルに手が届きませんでした。試合直後のインタビューではこう言っていました。

「(悔しさから10秒以上、何も言葉が出てこない)本当に、ここまでたくさんの方々が支えてくださって、背中を押してくれたにもかかわらず、こういう結果になってしまったことを申し訳なく思います」

(本当にわずかの差でした)

「いえ、勝たなきゃ意味がないと思っています」

(谷本歩実コーチと4年後に向けて力強く歩んでください)

「わかりました」

敗けた直後は悔しさとともに恥ずかしさも持ち合わせていると思います。しかし、田代選手は毅然とした態度で、現実を直視し、すべてを受け入れたように思えます。これが今の自分の強さなんだと。

私になんかは出来ないことでしょうね。4年間、それ以上の時間を注ぎ込んできたこと、勝利だけを目指して4年間も戦ってきたのですから、何かしらの敗因を探し出して言い訳をしているに違いないです。なんとなく、想像出来ちゃう、その自分も情けないです。

私に限らず、誰もが失敗や挫折を経験することがあると思います。そんな時は不甲斐ない自分が情けなく、恥ずかしく、出来れば誰にも会いたくないと思う。また、時には言い訳を考え、自分以外の何かが原因だったと言ってしまうこともあると思います。そんな経験は誰にでもあると思います(ないですか?)。

勝ち続けてきたから勝利するのではないと思います。そんな人は世の中にはどこにもいないと思います。

レベルの差はあるでしょうけど、失敗や挫折をいくつも重ねながら、そこから這い上がり、それでまた大一番で負けても、しっかり現実を直視して歩き出す。

いつの日かの勝利を目指して、再び自分に真正面から向き合って挑戦していく。

それが、たとえオリンピックと言う大舞台から引退をしたとしても、長い人生の中で必ず勝利する時がやって来ることを信じて。

がんばれ、ニッポン! がんばれ、自分!!