面白いデーターがあります。
「昨年の夏の甲子園に出場したピッチャーで、昨年秋のドラフト会議で指名されたピッチャーが何人いるか?」
というものです。
答えは「たった一人(有田工業高・古川侑利投手=楽天4位)」だそうです。
それを「過去に甲子園に出場した」と条件を広げても、松井裕樹(桐光学園・楽天1位)=二年夏、児山祐斗(関西・ヤクルト5位)=三年春、中村祐太(関東一高・広島5位)=2年春、岸本淳希(敦賀気比・中日育成1位)だけです。
今年もプロ注目の高校生ピッチャーのほとんどは地方大会敗退。
もちろん、甲子園で活躍し、ドラフト指名というピッチャーはいるでしょうけど、甲子園=プロとは限らないものかも知れません。
もちろん、高校球児の目標は甲子園。その先にはプロなのでしょうけど。
ですから、高校三年の夏に標準を合わせて100%とすることでしょう。
でも、その時点で100%であるのならば、プロに入ってからの伸びしろは、あまりない可能性もあるかも知れません。
古い話です。
1969年の夏の甲子園で一大ブームとなった三沢高校(青森)のエース太田幸司さん。当時、近鉄バファローズからドラフト1位指名され実働13年で58勝85敗4セーブの成績を残しました。
でも、本人としては「甲子園で活躍したプライドの元に投げていた。結果的にはそれが仇になりましたね。1年目に1勝を挙げたが、その後はなかなか勝てず、2年目にはフォームがバラバラになっていました。2年目のオフに高校時代の野球を捨てて、3年目に2勝してからようやくプロが始まったと感じました」と言っています。
現在、プロ野球で活躍しているピッチャーの中で高校三年時の夏の甲子園に出場ているのは極わずか。せ・パ合わせて投手成績上位30人の中でも10人いるかどうか。
逆に各チームのエース級には高校三年夏の甲子園経験者が少ないです。ここ最近では優勝ピッチャーは見当たりません。
「甲子園優勝投手はプロで活躍できない」というジンクスがあるそうです。
これは投げ過ぎによる影響もあるようですが、「燃え尽き症候群」という可能性もあると考えます。
高校野球で頂点の甲子園で優勝(または出場)。その大きな目標を手にしたことで満足してしまい「野球はここまで」と思う。一度、気持ちが切れてしまったら、元に戻すのは時間もエネルギーも必要。すべてが終わった後に、それが取り戻せるかどうかでしょう。
逆に地区大会で敗れた選手らには「甲子園に行けなかった」という悔しさがあります。
だから、気持ちの中にも伸びしろも残っているのでしょう。
安楽智大(済美)、高橋光成(前橋育英)・・・
今年、不作と言われているドラフトですが、彼らの一番も、まだこれからであって欲しい。
コメント一覧
まっくろくろすけ
eco坊主
最新の画像もっと見る
最近の「高校野球」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事