長野県は本州のほぼ中央にあり、四方を山に囲まれ、東西約120km、南北約212kmと縦に長く、さらに、その地域も山で隔てられており、大きく分けて北信、東信、中信、南信の4つの地域にわけられ、地域によって文化・風習とともに方言にもかなりの違いがあります。
たとえば、北信地方では新潟県地方の方言が入り、東信地方は群馬県の方言が混ざっています。中信・南信地方は静岡県、岐阜県や愛知県の方言と多くの部分が似ていたりします。なかには標準語に直訳できない、不思議な方言のものもあります。
また、長野県には、方言を方言だと思わずに使っている人が多いと言われており、他県からきた人は意味不明なことばに驚いてしまうこともあるそうです。
先日の駅弁「諏訪弁ほいじゃねェ」の「ほいじゃねェ」は確信的に使っていますが。
■~かや?(北信):~かな?
使用例「蚊帳を取ってくれるかや?」
※この使用例はややこしいです
■ごむせー(北信、南信):汚い
使用例「ごむせーな(汚いな)」
※「ゴム臭いな」ではありません
■なから(北信、東信):だいたい、おおよそ
使用例「なから合ってる?」
※大体合っていますか?
■くれる(東信):あげる
使用例「花に水をくれてくれた?」
※一般的な「くれる」の意味でも使いますので、よく文脈を読み取りませんと間違えます
■身が入る(中信):筋肉痛のこと
使用例「あー身が入った(あー筋肉痛だ)」
※「身が入る(一生懸命)」だから「身が入る(筋肉痛)」ようになるのです
■おいとく(中信): そのままにしておく、やめておく
使用例「もう、それを使うのは、おいとけ」
※要は「置いておく」ということでしょう
■まぁず(中信):たいへん
使用例:「まぁず、疲れた」
※この池には、なまずがまぁずいる?
■だら(南信):~ですよ、~だよ
使用例「暑くて汗がだらだらだらで、だらだらだら(暑くて汗がだらだらだから、やる気がなくてだらだらだよ)」
※こんなようには使わないですが
■ごしたい(南信):疲れた
使用例「あーごしてー!」
※ものが古くなって使えなくなった場合にも、「これはだいぶごしたいね」などと使用します
■おぞい(全域):ボロいもの
使用例「えらくおぞい靴はいてきちゃった(ずいぶん悪い靴をはいてきてしまった)」
※「あなた遅い(遅刻した)ねぇ」と間違えないように
■みぐさい(全域):見苦しい、見た目が悪い
使用例「みぐさい服装やめなさい」
※「身が臭い」ではありません
■ときに(全域):とりあえず
使用例「ときに、それ取って」
※「ところで」の意味にも使います
■めた(全域):やたら、余計、ますます
使用例「めたいけねーわい(もう全然だめですよ)」
※めた、メタボです。
■おらっち(全域):私の家
使用例「おらっちの方では~」
※「ねづっち」とは違います
■しみる(全域):寒い、凍える
使用例「今朝はしみたね(今朝は寒かったね)」
※日本政府の説明は「しみた」
■~だに、~ずら、~な(全域):~ですよ
使用例「これはズラじゃねぇずら、カツラだずら」
※殿馬ずら
■ずく(全域):根気、根性、辛抱強さ、面倒くさがりの逆
使用例「あんた、ずくなしね!」
※♬おいらは~ずくなし
拾い上げますと、まだまだたくさんあります。
ちなみに、「なから」は便利な方言ですが使う人によって加減が違いますので、業務で使うと誤解を招きかねません。また、群馬では「とても」とか「すごく」っていう意味ですので、信州人と意味が通じないこともありそうです。
また、「ずく」ですが、おそらく、「標準語にするのが難しい信州方言」だと思います。「ずくがある」「ずくなし」のように使用します。
なお、長野県のローカルTV局、信越放送では平日の午後に「ずくだせテレビ」、略して「ずくテレ」という番組を放送しています。また、同じ信越放送のラジオ局では、同じく平日の午後に、「坂ちゃんのずくだせえぶりでぃ」が放送されています。
「ずくだせ」は「がんばれ」など相手を叱咤激励する意味がありますので、2021年の私は、「ずく」だしていきますか。
あらためて、2度とこない今日という1日を大事に大切に過ごしたいと思います。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
今日も、私のブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。明日もまた、元気にここでお会いしましょう。