タイトルは「大人の事情」です。間違えないでくださいね。
大人の事情には、いろんな事情があります。他人に理解できないこともあれば、時には理不尽なこともあります。何しろ、どろどろとした怪しい人たちの思惑で、怪しい人たちが、怪しい利益を得るために、怪しく蠢いていることは事実です。
さて、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が右足首のケガを理由に第4回ワールドベース・ボール・クラシック(WBC)の参加を辞退しました。代役として福岡ソフトバンクホークスの武田翔太選手の召集が決まったことで、この騒動は治まりつつあります。
アリゾナキャンプ期間中の大谷選手には、右足首ケガで最悪の場合は手術の可能性もあると報じられていましたが、現時点では手術は回避されそうな気配です。それでも、シーズン開幕は間に合わない可能性が高いと思われていましたが、場所を沖縄へ移してからは、屋外でのバッティング練習を行いたいということを言っているようです。ピッチャーではシーズンには間に合わないが、バッターでシーズン開幕を間に合わせようという本人の思惑のようです。
今シーズン了後には、大谷選手はMBLに移籍するのではないかと言われています。それは、昨年末の契約更改時に球団側が2017年シーズン終了後、本人が希望するならばMLB行きを許可するというオプショ与えたそうです。しかし、今回のWBC参加辞退によって、大谷選手はMLBへアピールする機会を失ってしまいました。しかも、開幕に間に合わずに出遅れ、なおかつ予想に反して離脱期間が長引けばMLB移籍も見直されるのではないかとも日本側では噂されています。
しかし、MLB側は右足首ケガの状態が深刻であれば話は別ですが、そこまでデリケートなレベルではないとのことです。そういう観点で考えれば、WBCはむしろ出なくて良かったということです。大谷選手は投打両面のスペシャリストであり、非常に特殊なプレーヤーです。そういう選手が短期間のWBCで全力プレーすれば、少なくとも普通の選手の2倍以上の負担があることでしょう。仮にケガしたままWBCに出たらさらに悪化してしまうことが懸念されます。
ある、MLB球団関係者は「WBCに出なかったことで評価は上がったと言っていい。残念ながらWBCの価値は日本と米国の間で大きな温度差がある。たとえWBCでMLB公式球(WBC公式球と基本的に同一規格)を使って各国代表に散らばっているメジャーリーガーと対戦する機会を失っても、我々は彼が100%に近い能力を発揮すればメジャーリーグで十分通用することが十分分かっている。今さら再確認する必要はないし、ケガ悪化のリスクを背負ってまでやることではない。それよりも今はケガを完全にケアし、MLB行きを認めてくれた球団のためにレギュラーシーズンで活躍することのほうが大事だと思う」とのことです。
米球界でウワサされているのが「右足首負傷がブラフとまでは言わないが、たいしたことのない軽傷レベルで3月の試合出場が十分可能であったとしてもチーム側は“ケガ”を理由に大谷のWBC出場をストップさせていただろう」ということです。
これが事実かどうかは分からないのですが、ファイターズ側が代表チームの小久保監督ら首脳陣に大谷選手の起用法についてやや怪しく思っているところがあるようです。つまり、起用法が難しい大谷選手を代表チームが上手くコントロールできるか否かに対し、ファイターズ側が懐疑的だったということです。実際にファイターズ内からはそういう指摘も出ていたらしく、米球界でのウワサは間違いではないかもしれません。
ファイターズはWBCでプレミア12の準決勝の時のように、大谷選手が二刀流で必要以上にフル回転させられるのが一番怖く、WBCで大谷選手が大ケガでもしたら、オフのポスティングでMLB移籍の可能性はなくなるかもしれません。そもそも、ファイターズとしては新球場建設構想も進めており、資金が必要なことから、大谷選手をポスティングによる高額の譲渡金(最大2000万ドル=約22億3500万円)を手にしたいと考えていても不思議はないはずです。
ちなみに、埼玉西武ライオンズのスコアラーは開幕戦で対戦するファイターズ戦での先発回避が濃厚な大谷選手について「いやー、分かんないですよ。いきなり来るかもしれない。来ないと思っていないですから」と、開幕先発の可能性を消していないようです。また、「今は足がダメで(ピッチャーの調整は)何もしていないですけど、いつ投げられるようになるか把握しておかないと。変な話、一回投げただけで来るかもしれない。オリックスの金子君みたいに(オープン戦で)一回も投げずに来るかもしれない。そこは想定しておかないと。故障の重さも分からないけど(大谷は)来て当然。来なかった時にこの投手というのを把握しておかないといけない」と警戒しているそうです。
大人の事情は判りません。