野球小僧

糸魚川-静岡構造線 国指定天然記念物 大断層 見学地 フォッサマグナパーク / 新潟県糸魚川市

まったくの偶然なのか、それとも目に見えないような何かしらの力が働いているのか私にはまったくわかりませんが、昨日までいろいろと書いてきた日本の文化の違いは、おおまかに地質学上日本列島を東西に分断する大地層帯・糸魚川-静岡構造線(いといがわしずおかこうぞうせん)を境界とする場合が多く見られています。

文化の境界線はなかなかはっきりと線引きすることは難しいですが、地政学的な境界線ならば「目に見えるだろう」ということで、「じゃあ、その境界線を見ておこう」ということで日本国内に9ヶ所ある「ユネスコ世界ジオパーク」の一つの新潟県糸魚川市にある「フォッサマグナパーク」へ行ってきました。

ちなみに、ジオパークとは世界遺産の地質版です。

このフォッサマグナパークは国道148号線沿いにあり、何度もとおり記憶にもあるはずなのですが、NHKで放送された「ブラタモリ」で2021年11月20日に放送された「フォッサマグナ 〜“日本”はどうできた?〜(新潟県糸魚川市)」まで、その存在を忘れていました。



さて、糸魚川市のフォッサマグナパークですが、糸魚川市内流れる姫川の支流の根知川沿いにあり、フォッサマグナ西端の糸魚川-静岡構造線の断層を見ることができます。つまり、東日本が乗っている北アメリカプレートと、西日本のユーラシアプレートの境界線ですから東日本と西日本の境界線です。

148号線沿いの駐車場から遊歩道をフォッサマグナパークまで約400m~500m。遊歩道から階段を下った場所が野外展示されている場所になります(上からも見えますけどね)。

向かって右の赤っぽい地層が東日本、左の白っぽい地層が西日本です。そして、その間にはプレートとプレートの圧力で粘土状になった地層です。


なんとなく色の違いがわかると思います・・・。

近づいて見ますと色の違いがよくわかります。


学校などで聞いたこと(基本的には習ったと思いますが)、フォッサマグナとは「大きな溝」という意味のラテン語。日本列島を地図で見てみますと、不思議なことに日本列島が真ん中あたりで折れ曲がっており、この折れ曲がっているところで有名な糸魚川-静岡構造線と呼ばれるところがフォッサマグナの西端になります。

糸魚川-静岡構造線は新潟県糸魚川市~長野県・山梨県を経て静岡県静岡市内に至る断層と考えられています。東端は地下にあり明瞭でないため正確なところはわかっていませんが、新発田-小出構造線(新潟県新発田市)と柏崎-千葉構造線(新潟県柏崎市~千葉県銚子市)に挟まれた地域と推測。幅は約100km、長さ約300km。厚さは地下約6000m(平野部)~約9000m(山地)と言われています。

明治時代に日本に地質学を伝えたドイツ人のエドムント・ナウマンさんが発見し、名付けました。ちなみに、ナウマンさんはナウマン象の名前のもとになった学者で、日本で最初の地質図を作成し、中国山地、紀伊山地、四国山地などの名付け親でもある方です。

約2000万~1500万年前、日本列島のもとがユーラシア大陸から離れていき、大陸と日本列島の間に日本海ができました。このとき、西半分(西南日本側)は時計回りに、東半分(東北日本側)は反時計回りに回転するように動いたため、真ん中あたりで引き裂かれるようにして大きな溝ができました。この溝は日本海と太平洋をつなぐ海となります。

この海に長い年月をかけて、土砂や海底火山の噴出物などが堆積して地層が造られ、陸続きになりました。実際にフォッサマグナの両側の北アメリカプレートとユーラシアプレートの岩石が約1~4億年前であるのに対し、フォッサマグナ内部の岩石が約2000万年前以降のものであり、フォッサマグナ地域からは海洋生物の化石などが発見されています。

さて、私が見に行ったときにはちょうど地表に生えてきた草を取り除いている作業をしていましたが、いやいや施設を維持管理する大変な作業を見ることができました(そもそも、ここまで車で来ることはできませんので、はしごなどの作業用道具は手で持ってこなければなりません)。

ちなみに昨日までつらつらと書いてきたのは、駐車場からフォッサマグナパークまでの遊歩道に設置されている、「東西日本の文化の違い」を伝えるクイズです。

なお、私は西日本側の駐車場から歩いて行きましたので、たとえば「お弁当の定番といえば?西日本は”おむすび” 東日本では、なんと言うかな?」という西日本から見た問いかけですが、東日本側の駐車場から遊歩道を歩きますと、「お弁当の定番といえば?東日本は”おにぎり” 西日本では、なんと言うかな?」と逆パターンです(個人的には、これについては・・・)。



いまでも北アメリアプレートとユーラシアプレートは動いていますので、この場所でずーっと地層を眺めていると地層の変化がわかるかも知れませんが、夕方になってくることと、そもそも変化がわかるには何分どころか何万年もかかるため、1時間くらいの滞在で終わりにしましました。

アクセス
車の場合
北陸自動車道 糸魚川ICから約10分、下車後徒歩で約10分
国道148号線沿いの駐車場のほか、遊歩道の東側の「下根知農村公園」にも駐車場があります
電車の場合
JR大糸線 根知駅から徒歩で約15分

本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。

皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。

また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。

コメント一覧

まっくろくろすけ
kobatsuyo1220さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

何か科学とかでは説明できないことがあるのでしょうね。

ご存じかも知れませんが、もう少し先の小滝川には「ヒスイ狭」があり、明星山の岩壁は約3億年前のサンゴ礁が変化したもので、多くの化石を含んでいるそうです。

いつか見に行きたいと思っていますが、ロッククライミングで岩壁を登らないと・・・らしいです。
まっくろくろすけ
forever-greenさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

ご紹介いただいた安曇野(あずみの)はいいところです。のどかな田園風景が広がっていて、清流のワサビ畑など。

昔は松本から糸魚川への国道は狭くて曲がりくねったところがありましたが、いまでは運転しやすい道になりました。

ただ、長野から上越への高速道路が開通したこともあり、糸魚川ルートを使うことは少なくなってしまいましたが。
まっくろくろすけ
まかろんさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

地球上の地形を地図で眺めるのが子どものころから好きでして、日本列島の成り立ちなんかもいまでも興味があります。

こんな壮大な変化が何万年もの時間をかけて造り上げられ、さらに何万年もの時間をかけて変化していくのですから。

地球の歴史に比べれば、人間の歴史はほんのちょっとですよね。

ちなみに私の今日の朝食は「パン」でした。
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

写真の下側にボカシを入れておいた方がよかったですかね。でも、そんなことするほどでもないネタでもありますしね。

さてさて、糸魚川-静岡構造線のほぼ真上に住んでいますが、西なのか東なのかは正確にはわかりません。この周辺の地形は複雑すぎて、よくわからないらしいです。庭をほじくってもわかるはずもなく・・・。

うーん、私はどちらかというと、「珠由良(たまゆら)族(クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡)」の方でしょう。
kobatsuyo1220
野球小僧さん、こんにちは。
貴重な情報をありがとうございます。
先月、石川県から2時間掛けて、根知川に入渓してきたところ、今までにない大物が大漁でした。
地形的なものも何か影響してるのかもしれませんね。
forever-green
フォッサマグナミュージアムは糸魚川ですね。
糸魚川のヒスイを求めて北九州の志賀島の安曇族が長野に入り、安曇野が開けた。穂高神社のお祭りにはお船が引かれます。地名には岬、犀川の「犀龍と泉小太郎」伝説、塩の道など日本の中央の信州安曇野は面白いところですね。
macaronteaparty
フォッサマグナ、初めて見ました!
色が違っていて、視覚的に分かりやすいですね!
なんと親切設計な地形でしょう(違うって😅)。

>西半分(西南日本側)は時計回りに、東半分(東北日本側)は反時計回りに回転

うわわわぁぁぁ。
雄大な話ですねぇ〜〜〜。

>夕方になってくることと、そもそも変化がわかるには何分どころか何万年もかかるため

いやいや、まっくろさんなら何万年も一瞬でショ!

・・それにしても西の方のイメージキャラのぬ〜なちゃん、
可愛いけど、由来が分からない・・。

東の方は2色になって、名前も、ジオまる。
よく分かります。

ぬ〜なという名前も、造形も、
フォッサマグナとどう関係あるんだろう・・。

まあ、フォッサマグナの雄大さに比べれば、
どうでもいい疑問ですね。

ともあれ、水で隔てられているわけでもないのに、
東西の違いを生んだというのは不思議なものですね。

西のうどんのお出汁に思いを馳せつつ、
今朝はおにぎりを食そうと思います。👋(まかろん)
eco坊主
おはようございます。

やった~やった~ヤッターマン!
フォッサマグナミュージアムの駐車場から建物の道標と言った昨日のコメ当たった!
今日のネタだから昨日のコメ返しには触れられてなかったのか!
こんなちっちゃなことでも当たると嬉しいなぁ^^
まっ、100人が100人とも思ったことだろうけど😅

糸魚川-静岡構造線を習い始めた頃はフォッサマグナではなくフォッサマグマとして覚えていた記憶があります。きっとマグマ大使の影響だと思います。

土の色の違いはリアルですね。ここまでクッキリ違うとは知りませんでした。地質学を齧ったわけではないのでよくわかりませんがここまでツートンカラーとなるとなにか神秘的なものを感じますね。
7万年前のヒカリ族とクラヤミ族の境界だったのかもしれませんね。
そしてまっくろくろすけさんはクラヤミ族の末裔・・・(笑)

因みに我が家では”おにぎり🍙”なんですけどね~

今日もありがとうございました。
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