ラグビーワールドカップ日本大会は10月5日、1次リーグA組の試合が豊田スタジアム(愛知県豊田市)であり、日本代表(世界8位)が38-19でサモア代表(15位)を破って3連勝し、初の決勝トーナメント進出に大きく近づいています。
日本代表は、試合終了時間に4つ目のトライを奪い、ボーナスポイントも獲得。10月5日時点で勝ち点を14とし、勝ち点11のアイルランド代表を抜いてA組1位となっています。一方、サモア代表は1次リーグ敗退が決まりました。
日本代表とサモア代表の両チームにとって落とせない一戦は、ペナルティキックの応酬で前半が進み、前半3分と8分にSO田村優選手がペナルティゴールを立て続けに決め、6点をリードしました。これに対してサモア代表は、前半10分と15分、CTBヘンリー・タエフ選手がペナルティゴールを連続して成功し、同点に追いつきます。そして、前半24分に田村選手が3つ目のペナルティゴールを成功させ、再びリードします。
そして、前半28分に日本代表はパスをつなぎ、CTBラファエレ・ティモシー選手がトライを決めて、コンバージョンキックにも成功。その後、サモア代表がこの試合3つ目のペナルティゴールを決め、16-9で後半へと折り返しました。
日本代表としては、A組がアイルランド代表、スコットランド代表の三つどもえになることを考えた場合、この試合は勝利とともにトライを4つ以上挙げ、ボーナスポイントを獲得することが大事でした。
日本代表は4年前の前回大会でも1次リーグで3勝していますが、ボーナスポイントを奪えなかったことが響いて決勝トーナメント進出を逃しています。
ラグビーワールドカップの1次リーグでの勝ち点の付け方は、少々複雑な仕組みになっています。
・勝ち:4
・引き分け:2
・負け:0
そして、ボーナスポイントがあります。
・4トライ以上挙げた場合:+1
・7点差以内の敗戦:+1
つまり試合に勝ち、かつ4トライ以上の場合は、勝ち点:5になります。引き分けた場合でも、4トライ以上ならば勝ち点:3になります。逆に敗けても、4トライ以上を挙げ、かつ7点差以内であれば、勝ち点:2が入ります。
よって、1次リーグを勝ち上がるためには、勝点とともに、いかに多くのトライを挙げて、ボーナスポイントを得ることが必要になってくるのです。
しかし、この試合の後半も出だしはペナルティキック合戦となっていきます。後半5分、サモア代表がペナルティゴールを決め4点差に詰め寄り、その3分後に日本代表はペナルティゴールを外したものの、後半11分にペナルティゴールを成功させて、19-12となります。
日本代表の待望の2つ目のトライは後半14分にナンバー8の姫野和樹選手が決め、コンバージョンキックも決め、リードを広げました。しかし、後半32分にサモア代表のタエフ選手がトライを奪い、コンバージョンキックも決め、再び7点差に迫ります。
試合は残り7分となり、このまま逃げ切るという戦術もありましたが、日本代表は守りに入ることなく、攻めて行きます。後半35分に交代出場の福岡堅樹選手が3つめのトライ。
残り1分、日本代表はラインアウトからモールで押し込みますが反則を取られ、サモア代表ボールのスクラムになり、ここで試合終了の鐘が鳴ってしまいます。ところが、サモア代表が反則を犯し、日本ボールのスクラムに変わり、スクラムから出たボールが松島選手にパスされ、ディフェンスをかわし、劇的な4つめのトライでボーナスポイントを獲得しました。
これで、スコットランド代表が10月9日のロシア代表戦で、スコットランド代表が10月12日のサモア代表戦で4トライ以上で勝ち、勝ち点:5を獲得すると想定しても、日本代表は10月13日のスコットランド代表戦で勝つか引き分ければ決勝トーナメントに進出できます。負けたとしても、4トライ以上かつ7点差以内でボーナスポイント2点を奪えば決勝トーナメントに進めます。また、それ以外の負けの場合で、スコットランド代表を3トライ以下に抑えれば、日本代表はボーナスポイント1を確保すれば、勝ち点で上回ります。
もちろん、スコットランド代表がロシア代表戦で引き分けか負け、アイルランド代表がサモア代表戦で引き分けか負けなら、その時点で日本の決勝トーナメント進出が決まります。
ちなみに、A組の3位以内が確定したため、次回の2023年フランス大会の出場権を得ています。