今秋のドラフト上位指名が有力視されている「高校四天王」。大船渡高・佐々木選手、横浜高・及川選手、創志学園高・西選手の夏が終わってしまいましたが、星稜高・奥川選手が14奪三振2失点の完投で、甲子園切符をつかみました。
奥川選手は、前日の準決勝の試合後に続いて、決勝の試合後でも号泣。
第101回全国高校野球選手権石川大会は、星稜高・奥川選手と小松大谷高・生長選手のエース同士の緊迫とした投げ合い。
星稜高は4回表に1アウト一塁から奥川選手がヒットエンドラン。タイムリー2ベースヒットで1点を先制したが、4回裏に小松大谷高・宮本選手のソロホームランで同点。
星稜高は6回表、内山選手のタイムリーヒットで1点を勝ち越すものの、8回裏に小松大谷高・山根選手がソロホームランを放ち、再び同点。
追いつかれた星稜高は9回表2アウト満塁の場面で、東海林選手がバックスクリーンへ試合を決める満塁ホームランを放ち4点差をつけ、その裏、奥川選手が3人で抑えた。
星稜高は2年連続20度目、春夏を合わせて4季連続の甲子園出場を決めました。
星稜 000101004|6
小松大谷000100010|2
この2校は2014年、2015年に大逆転サヨナラ劇があった因縁の対決であり、この決勝も9回の勝負で勝敗が決した試合でした。。
■2014年 第96回全国高校野球選手権石川大会 決勝
小松大谷150110000 |8
星稜 000000009x|9
■2015年 第97回全国高校野球選手権石川大会 準々決勝
星稜 000101010 |3
小松大谷000000004x|4
いろいろな意味で注目の星稜高の奥川選手は準決勝の鵬(おおとり)学園高で、ベンチスタートだったのですが7回途中から2番手で登板し、4回を投げ71球を投じていただけに、決勝で先発登板するかどうか、注目していました。
結果は先発。
星稜・林和成監督は大船渡高の佐々木選手が決勝戦に投げることなく敗れた後、「故障をさせてはいけない」とコメントしていますが、そのうえで、「連投だからケガするとかは思わない。僕の場合は、いかにベストの状態で試合に送り出してやれるかを考えている」と言っていました。本人の思いも最大限にくみ取りながら、いかに勝利するかバランスを取っているように思えます。
単純な比較はできませんが、どちらかというと勝利を義務付けられている星稜高・林監督と、勝利が絶対ではない(とも思える)大船渡高・国保陽平監督との立場、考え方の差があるのかも知れませんが。
ただ、大船渡高・国保監督に対する件については、正直、悲しくなってしまいます。日本では1人の選手、1人の指導者が将来を考えて、勝利よりも(ピッチャーの)健康を優先しようとしても、今の高校野球の仕組みや、高校野球を取り巻く社会的環境が、まだまだ、それを許さないのかも知れません。
101回目の今年。高校野球の在り方を変えるターニングポイントになって欲しいと思います。
星稜高・奥川選手は勝って当たり前、投げて当たり前という感じのプレッシャーが重く、長い時間に渡って右肩にのしかかっていたと思います。それが解放されての涙だったと思います。
甲子園までの短い時間になりますが、しっかりと休んで元気な姿を見せて欲しいと思います。